ブックワームのひとりごと

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何が楽しくて変態のラブストーリーを読まなければならないのか―江國香織『東京タワー』感想

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東京タワー (新潮文庫)

今日の更新は、江國香織『東京タワー』です。

最初に言っておきますが、めちゃくちゃ酷評なので覚悟しておいてください。

 

あらすじ

年上の女性と付き合っている二人の若者。彼女らは、結婚していた。耕二と付き合う貴美子は情緒不安定になり、透と寝る詩史は透をはぐらかす。二つの視点から不倫の恋愛模様を描く。

 

 

自己責任なのに悩みに酔うんじゃない

男と女の関係は、合意の上でセックスしている以上、自己責任ですよ。不倫ならなおさらです。

登場人物がどんなに恋に悩もうと、「君たちは自分の意思で不倫してるんだろ!」と思うと何も共感できないし応援もできません

なぜ年上の女ばかりを食い物にする変態と、自分で不倫しながら被害者面する女の愚かな恋愛模様を読まなくてはいけないのか……。いや、だめ人間をあえて書いてそれをエンタメにしたかったのならいいんですけれど。あとがきを読むかぎりそうではないんですよね。

 

どんなに美しい言葉でくるもうが、「夫がいるのに若い男とセックスしたがってる」というのは確かだし、願望に罪はないけど実行した時点でもうだめなんですよね。

それを書くなとは言わないけれど、書くなら欲望を直視してほしいんですよ。美化するんじゃない。その欲望を認めたうえで恋愛を書いてほしい。

 

私は不倫絶対否定派ではないですが(配偶者がクズとか強硬に別れさせてくれないとか事情がある人もいるので)、この人たちはまったく同情できないなと思います。

 

まとめ

いろいろ倫理観を疑う作品でした。でも、そこそこ売れてるのかな……。

だいぶ懲りたので、不倫じゃない女の人が年上の小説を探したいですね。検索してもあまり出てこないんですけど。

東京タワー (新潮文庫)

東京タワー (新潮文庫)