今日の更新は、あべ弘士『動物の死は、かなしい?』です。
ネットで見かけたので入手してみた本。
あらすじ
動物園の飼育員から、絵本作家に転身した著者。飼育員になるまでの半生や、動物を育てる難しさ、飼育員たちの工夫や葛藤を描くノンフィクション。
旭川動物園飼育員の日常
紆余曲折を経て飼育員になったエピソードや、動物園での人間関係がレトロで面白かったです。
動物とは関係ないんだけれど、「飼育員たちがストーブでたまごを焼いてそのそばで将棋をする」という光景がリアルに想像できて、なんだか愛しかったです。
旭川動物園の飼育員たちが、予算がないなりに「動物のことを知ってもらおう」と自らお客さんの前で動物のことを説明したり、「もぐもぐタイム」でごはんを食べるシーンを見せたりするところが興味深かったです。
また、生餌のうさぎをそうとは知らず一生懸命育ててしまった女性のエピソードは悲しかったです。ちょっとブラックジョークみたいな雰囲気もあるけど。
半面、「動物の死は、悲しい?」というタイトルのように、動物の死を語るパートはそれほど多くなかったです。
どちらかといえばそっちをしっかり読んでみたかったです。
印象的だったのがこの言葉です。
どんなベテランの人間だって”ミス”は絶対にする。だから誰かがミスをしたことを、怒ってはいけないと思う。でも、“怠ける”のは別だ。怠けが重なると重大な事故につながる。
(P76)
そして著者は、トラ舎の中にトラがいるのに扉を開けてしまったエピソードを語ります。きちんと確認していなかったので、これは「怠け」だと。
ミスの多い私としては、身につまされるところがありました。なんとなくで手を抜いて、そこから重大なミスが生まれる。それを阻止するためには怠けずに確認のルーティンをこなさなければならないのですね。
まとめ
動物園の話が気軽に読めて面白かったです。
私も「怠け」ないように頑張らないといけないですね。
動物の死は、悲しい?---元旭山動物園 飼育係がつたえる命のはなし (14歳の世渡り術)
- 作者: あべ弘士
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/08/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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