今日の更新は、桜庭一樹『荒野』です。
最近バタバタしてて更新遅れててすみません。しばらくこの調子だと思います。
あらすじ
恋愛小説家の娘、荒野。奔放な父とふたりで暮らしていたが、父の再婚によって日常は一転する。連れ子の悠也との淡い恋、義母との優しく不安定な関係。少女の四年間を描いた青春小説。
女の子がかわいくて幸せ
とにかく女の子かわいい! かわいい!
荒野の友人関係がかわいいし、大人とのやりとりもかわいい。そしてもちろん恋愛模様もかわいいです。
かわいい女の子を愛でたい欲求が満たされました。それだけで読む価値がありましたね。女の子最高。
連れ子の悠也との甘酸っぱい恋愛模様にはきゅんきゅん来ました。ふたりが一緒に歩いているだけでにこにこします。私は彼らとすれ違うモブになりたい。
悠也はこう、思春期の女の子がどきっとする要素をいくつも兼ね備えているので昔を思い出すんですよね……いつもは無愛想なくらいなのにときどき優しくて、頭がよくて、自分の世界を持っていて、というキャラ。こういう男の子が身近にいたら荒野のように惚れていたかもしれない。
一方で、そういうかっこいい男の子でも思い通りになるわけではないからそこはリアルです。
父親の再婚や初恋を通して、自分の「性」について考え受容していくところが、すごく思春期でした。
きらきらしていて不安定で、でもそのさなかにいると自覚がない。そんな青春の日々を美しく描いていました。
いつか主人公の荒野もこの青春を振り返って、懐かしく思うんだろうなあ。
しかし「女であること」が変に強調されすぎているところがあって、それは気になりました。
義母の蓉子もそうだけど、この作品における一番の加害者って荒野の父親なので、誰かひとりぐらいそこから脱出してもいいんじゃないの、と。
それを踏まえても面白い作品ではあるけれども。これは感想と言うより、登場人物への個人的な願望ですね。
まとめ
きらきらしつつも生々しい、青春の4年間の物語でした。
今後の荒野の幸せを望みたくなる、面白い作品です。
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