今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 中』です。
これまでの記事はこちら。
性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』
かっこいい危機と自業自得な危機と―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』
人間を助けてしまうバーティミアスが愛しい―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 下』
ふたたび呼びだされたバーティミアス―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 上』
あらすじ
大英博物館でゴーレムと出会ったバーティミアス。その報告を信じ、ナサニエルはプラハに飛ぶ。そこでゴーレムの魔法を調べることになるのだが……。一方キティはレジスタンス団の仲間とともに、グラッドストーンの墓泥棒に挑戦する。
いけ好かない魔法使い、プラハへ
ナサニエル、突然プラハへ。プラハに行ってもいけ好かない奴ですね。
ただたまに、ほんとにたまーにまともな言動をするので、バーティミアスがなんだかんだで見捨てられないのはよくわかります。
ナサニエルは気づいていないかもしれませんが、実質バーティミアスが保護者ですよね。
魔術都市プラハのなんともいえないおどろおどろしさは好きです。別の小説みたいな趣がありました。
レジスタンス団のキティはグラッドストーンの墓泥棒へ。このシーンはとてもハラハラしました。
暗闇を明かりを頼りに進み、宝を探す。そして彼らが見つけたものはめちゃくちゃ怖かったです。
終始どこか冷めているキティでしたが、だからこそあの状況で冷静な判断ができたんでしょう。
一見ゴーレムとはあまり関係がないように見えますが、この墓泥棒がどうゴーレムの破壊活動と関連するのか楽しみです。
あと、レジスタンス団の人間関係はとてもリアルですね。だんだん老害と化すリーダーがいて、無鉄砲で考えなしな子がいて……それでも不思議といらいらしないのは、きっぱりしているキティが語り手だからかもしれません。
久しぶりに読んでもめちゃくちゃ面白いので、やっぱりジョナサン・ストラウドはすごいです。
まとめ
これからどうなるんだ? というラストだったので、第二部完結が楽しみです。
また読み進めたいですね。