ブックワームのひとりごと

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共働き世帯が広げてしまった社会の格差―筒井淳也『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

今日の更新は、筒井淳也『結婚と家族のこれから』です。

家族制度について調べてみたくて手に取った本です。

 

あらすじ・書籍概要

「夫は外で働き、妻は家で家事」という家族モデルは、最近作られたものにすぎなかった。その形態に至るまでの家族制度の変遷を説明し、「共働き社会」になりつつある現代の問題点を整理する。女性が働く権利を得たのに、なぜ生活は楽にならないのだろうか……。

 

共働きが格差を広げる

難しかったけれど興味深かったです。

 

女性が職場で仕事をするようになることは、逆に格差を生むということです。

共働き世帯は高収入同士が結婚する傾向があるため、女性が家事労働だけをしていた時代と比べて、「結婚によって貧困を脱出する」ということが難しくなります。

そしてその格差は子世代にも引き継がれるわけです。

とはいえ女性が労働することは権利でもありますし、今更時計の針をもとには戻せません。

働かなければ離婚も気軽にできないわけで、自由な社会では労働は重要です。頭の痛い問題ですね。

 

著者はそもそも、家族制度は不公平なものだと考えています。

たとえば高収入の親は自分の子どもにできるだけいい教育をさせたいと思います。結婚している人は配偶者に遺産を残したいと思います。でも貧困で独り身の人は、そういうお金を受け取るチャンスがそもそもありません。これって「不公平」ですよね。

あとがきで著者はこう言っています。

私には「公正な結婚や家族」というものがうまく想像できませんでした。家族というのは公正さから距離のあるところにあって、人々はむしろ家族が自分を「特別扱い」することにこそ、意味を見出していると思うからです。

(P249~P250)

じゃあどうすればいいか、というと、著者が主張するのは「人間関係において家族の占める割合を減らす」ということ。友人や地域のサポートが受けられれば、家族を作っても作らなくても生きていくことができます。

それを実行できるかはあやしいところがありますが、一理あると思いました。依存先を増やすというやつですね。

 

まとめ

考えれば考えるほど難題だらけで、公平と経済的な豊かさを両立することはとても難しい。

社会全体を変えることは難しいけれど、せめて身の回りの人は生きやすくしてあげたいと思いました。

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

 

本好き家庭に育った経験を書いているので、こちらもよかったらどうぞ。

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