ブックワームのひとりごと

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世界を救うために中学生が壮絶な訓練―須賀しのぶ『アンゲルゼ 最後の夏』

アンゲルゼ 最後の夏 (集英社コバルト文庫)

今日の更新は、須賀しのぶ『アンゲルゼ 最後の夏』です。

 

あらすじ

軍隊の壮絶な訓練に参加することになった陽菜。同じ未孵化の有紗にも嫌なことを言われ、彼女の気持ちは落ち込む。しかし、アンゲルゼの活動が活発化する「大活動期」が迫っているため、訓練をやめることはできない……。

 

厳しい仲間と人外っぽくなっていく自分

この巻で陽菜が出会った未孵化の有紗。彼女は8歳からアンゲルゼと戦い続けるベテランです。基地でずっと暮らしてきた彼女は、新入りの陽菜に辛辣な口調で接します。

有紗は本当に腹の立つ女の子だけれども、人生の半分以上をアンゲルゼとの戦いに費やし、学校にもろくに行けずに戦場と基地で暮らしてきたことを思うと、全面的に責められません。

敷島に恋心を抱いているのも、自分がここにいることを正当化するため、戦い続ける自分を肯定するための防衛反応みたいなところがあるんでしょうね。

しかしそれは彼女自身の事情なので、陽菜が巻き込まれる筋合いは本当にないと思いますが。

尚吾は彼女のどの辺が好きなんだ?

 

陽菜は訓練によってアンゲルゼを操る能力を開花させていきます。

陽菜の歌の描写が美しいだけに、天使病の人間を強制孵化させるシーンにはぞっとしました。

どんどん「化物」の能力に近づいていく陽菜を見ていると、「あなたは人間」と断言した育ての親遥の言葉がしみます。彼女もすべてを知っているわけではないですが、それでもこう言ってくれる人が陽菜にいたことは幸せだったと思います。

 

未孵化は短命。そろそろ死期が近い有紗を巡って何か動きがあるようで。

どうなるかは知っているけれど、怖い気持ちになりますね。

 

まとめ

相変わらず地獄みたいな話でしたが、続きが気になるので最後まで再読したいです。

がんばれ、というのもおこがましいですが、なんとか生き延びてほしいですね。