ブックワームのひとりごと

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江戸時代の女性画家はどう生きたか―パトリシア・フィスター『近世の女性画家たち―美術とジェンダー』

近世の女性画家たち―美術とジェンダー

 

あらすじ・書籍概要

江戸に生きた女性画家たちは、女性ゆえに社会通念との軋轢に悩み、よりよい創作環境を模索していた。江戸時代から明治時代にかけて、絵を志した女性たちの人生を伝える本。

 

創作と社会通念のあいだ

主に江戸時代の女性画家たちのエピソードを紹介しているのですが、それぞれ興味深いです。

出家しようとして断られ、顔を焼いた人。

陶器の器が売れすぎて、代わりに作ってくれる男性を雇った人。(おかげで彼女の作品は贋作だらけらしい)

漢詩に創作の素晴らしさと、孤独の寂しさを乗せる人。

あまり一人の作家に対して掘り下げはしていませんが、これは資料が少ないからかな。

 

江戸時代の町民世界は完全な男女分業ではなく、家計を担う女性や男性と同等の発言力を持つ女性もいました。しかしやはり男女差別はあり、彼女らは「家庭を担うべき」という圧力と、戦ったり、 画業と両立しようと模索したりします。

今も男女差別はあるけれど、「うるせえ黙ってろ!」と言えるだけまだ恵まれていますね。

 

そのような気苦労の中でも、彼女らの聡明さや創作意欲を理解してくれる父親や伴侶がいます。それは彼女らにとって救いだったでしょう。

女性画家たちの能力を愛し、男と同等の教育を施してくれたり、結婚後も絵を描くことを理解してくれたり。

そんな男性がいることが、現代を生きる私としてもうれしかったです。

 

後半部分は作品紹介になっているので、文章量としてはそれほど多くありません。

厚みのわりにさくっと読めます。

絵を描いている人なら、共感するところも多いのではないでしょうか。

 

まとめ

知らないことが多くて興味深かったです。

よくわからなかったところも少しあるので、関連書籍があれば読んでみたいです。

近世の女性画家たち―美術とジェンダー

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新書780女性画家たちの戦争 (平凡社新書)

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