ブックワームのひとりごと

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マニュアルではない「分担のしかた」を書く家事本―五藤隆介『フルオートでしか洗濯できない人の男の家事』

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フルオートでしか洗濯できない人の 男の家事

今日の更新は、五藤隆介『フルオートでしか洗濯できない人の男の家事』です。

 

あらすじ・書籍概要

家事の分担にチャレンジした著者は、すべての家事の過程を書き出し、妻に質問するなどして、家事を見えるようにしていく。そこには、無数の見えない家事が溢れていた。

 

家事の分担はどこから始めればいいのか?

まず、家事のマニュアル的な本ではないので、具体的な家事のしかたを知りたい人にはがっかりする内容だと思います。

この本の肝は、「家事をやったことがない男性が、家事をやるためには何から始めればいいか」を明らかにすることです。

そのために、著者は家事の全工程を明らかにし、細かく家事を書き出し、わからないことは妻に質問していきます。

でもこの本は「マニュアルではないところ」がいいところだと思います。結局、家事のやり方というのは家庭によって違うので。家の文化や妻の意向、持っている白色家電の機能を把握しないまま、一方的にやりかただけ書いても逆にやりにくいでしょう。

 

著者は自分が努力するだけではなく、妻への苦言も呈しています。それは「わかってほしい」という気持ちを捨ててほしいという部分です。

家事に対する不満は説明してほしい、見えないものを見えるようにしてほしい。男じゃないけど私は空気が読めないタイプなのでこの意見には同意します。

出た不満から、家事のシステムを改修していき、より暮らしやすくなるよう試みるところは完全に「仕事」です。「家事は手が空いたときにやるもの」とか、「暇な人がやるもの」という発想自体が、分担の足を引っ張っているのかもしれません。

 

家事に対する具体的なアドバイスはないのだけれど、ふたりで協力して仕事を分担する方法としては参考になる部分が多かったです。

男性だけでなく、家事を始めたい実家暮らしの人にも参考になるのではないでしょうか。実家でパラサイトしているときに読みたかったです。

 

まとめ

内容が想像とは違いましたが、なかなか興味深かったです。

分担を何から始めれば? と悩んでいる夫婦がふたりで読むといいのではないでしょうか。

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フルオートでしか洗濯できない人の 男の家事

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