今日の感想は、桜坂洋『All You Need Is Kill』再読感想です。
あらすじ・書籍概要
人間がギタイという謎の生物と戦っている未来。初年兵のキリヤ・ケイジはギタイとの戦いの中で二日間を繰り返すループに陥る。何度も初出撃をこなす彼は、ループを脱出することができるのか。
ループを重ねてたくましくなっていく初年兵
今となってはちょっと考え方が古いなと思うところはありますが、それでもストーリーはとても面白いです。
初々しい初年兵が何度もループを繰り返す中でどんどんたくましくなっていき、怜悧さを持つところはかっこいいです。
この作品の元ネタのひとつは、ビデオゲームのリセット。淡々とした文章も相まって、本当にそういうゲームをプレイしているような気分になってきます。
ループの話は同じことの繰り返しになってしまうので、退屈させずに書くのが難しいんですが、これはうまく省略したり変化を書いたりしていてまったく飽きませんでした。
そして「戦場の雌犬」リタとのループの中だけでの悲恋。ロマンチックすぎるほどロマンチックだけれど、ここまで強く押し出されていると納得するしかありません。
これが一番美しい結末だということはわかっていますが、悲しすぎてつい幸せなふたりを想像してしまいます。
あまり萌えっぽくない、ざらざらした感じの挿絵もこの悲恋に似合っていてよかったです。
まとめ
読み返しても面白かったです。悲恋はつらいけれど、それでも楽しかった。
もっといろいろな人に読まれてほしい本です。
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 桜坂洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/04/05
- メディア: Kindle版
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実写映画版は設定を借りているだけの別作品ですが、これはこれで面白いのでおすすめです。原作にまつわる小ネタを入れてくれているのもうれしいです。