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ハーレムも関係性が違うとむしろ面白い―枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ会えますか? 04』

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終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)

今日の更新は、枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ会えますか? 04』です。

 

あらすじ・書籍概要

逃亡を続けるフェオドールとラキシュはコリナディルーチェ市にやってきた。そこで妖精の調整を行ってきた学者を訪ねるが……。一方ティアットと、妖精倉庫を管理するナイグラートも、その街を訪れていた。

 

フェオドールが周りの人間をたらしこみまくっている

どんどん周りの人間をすけこましていくフェオドール。実質ハーレムなんですけれど、ヒロインひとりひとりの関係にそれぞれ個性があるのであまり気になりません。

共犯者で共依存的なラキシュとの関係、お互いに背を向けあうマルゴとの関係、思いあうからこそ対立するティアットとの関係。ちゃんと「愛情の形の違い」を書き分けているところが面白いです。

そしてこの作品のストーリーを考えると、「誰かひとり選ぶ」という単純な展開にはならないのでしょう。誰か一人が幸せになるような話ではないから、よけい「ハーレムどころじゃねえ!」となるのかもしれません。

 

この巻では妖精倉庫の世話人ナイグラードが再登場。このお姉さんのしっかりしつつもどこかとぼけたところ好きですよ。

彼女と彼女の知己は、何かを隠しているようですがこの巻では明かされず。ちょっともどかしいけれど読み進めるしかないですね。

フェオドールとマルゴも実質再会を果たしたけれど、お互いに罪悪感を抱える関係らしくどうにもうまくいっていません。このふたりたぶん私が好きそうな関係の気がするのでもっと見たいですね。

 

しかし逃亡編はすぐ終わるのかと思っていたらまだまだ続くようで、逆にフェオドールはどうするんだという気分になってきました。大丈夫かなあ。

 

まとめ

本当にフェオドールは周りをたらしまくっているけれどそこが面白いんですよね。稀有だ。

それぞれのヒロインがどういう決着をつけるのか、怖いような楽しみなような。

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)

 
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#01 (角川スニーカー文庫)

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