今日の更新は、ユペチカ『サトコとナダ』です。
webでとびとびに読んでましたが、レンタルコミックで全巻出ていたのでまとめて借りてきました。
あらすじ・書籍概要
アメリカに留学したサトコは、サウジアラビアから来たナダとルームメイトになる。ムスリマであるナダとの暮らしは発見がいっぱい。そんな中、ナダは親が決めた相手と結婚をしなければならないらしく、悩み始める。
文化的ギャップを淡々と面白く描く
ナダの結婚問題以外は特に劇的なことが起こるわけでもない静かな話です。しかしその穏やかな日常がめちゃくちゃ面白いです。
サウジアラビアと日本、ユーラシア大陸の端と端に育ったふたりの文化的ギャップをときにおかしく、ときにシリアスに描いていきます。
女性に自由がないサウジアラビア。祖国を愛する気持ちと、もっと自由に生きてみたいという葛藤を抱えているナダは見ていて苦しかったです。でもナダは強くて前向きで、自分自身を愛している。そのポジティブさはかっこよかったです。
一方のサトコは、日本で抑圧していた気持ちを、ナダやアメリカの友人と接する過程でどんどん出すようになっていきます。「わたし」というものを確立していくサトコの成長は見ていて勇気づけられました。
異文化交流や自己と生まれ育った国とのギャップ、テーマ自体ははっきりしていますが、決して押しつけがましくないところもよかったです。あくまで淡々としているところに逆にこだわりを感じます。
あとこれは完全に個人的な趣味なんですけど、「女の友情に生きる」という話ではなく、それぞれ気になる人が別々にいるのがよかったですね。
百合もBLも地雷ではないんですけれど、やっぱり同性同士の関係は友情が一番好きなんですよ。
最後には別々の人と一緒に暮らすけれど、永遠に特別な関係、っていうのがすっごく好き。
友情萌えとしては最高にいい距離感ですっごくツボりました。こういう話がもっと読みたいですね。
まとめ
私みたいに友情萌えの人には全力でおすすめしたい話です! サトコとナダどっちもかわいくてしかたないです。
ふたりの未来が幸せであるようにと願ってやみません。