ねほりんぱほりんが好きです。新作の時はだいたいリアルタイムで見ていて、始まる15分前にアラームをかけています。
「ねほりんぱほりん」とは、ゲスト、聞き役のYOUと南海キャンディーズの山里が、人形に身をやつしてワケアリの人生を聞くインタビュー番組です。
匿名・顔出しNGゆえの尖った内容が最高に面白いです。そして人形のクオリティもすごい。
みんなに見てほしいので、今回は、その中でおすすめ回をまとめました。
- ずっと何者かになりたかった「元サークルクラッシャー」
- 俗っぽさとやりがいのはざまで「保育士」
- 女性とまともに話せない男の悲哀「ナンパ教室に通う男」
- 運のためなら何でもやります「宝くじ1億円当選者」
- おじさんを手玉に取る喜びと危険「パパ活女子」
- SNSに狂わされた女の承認欲求「偽装キラキラ女子」
- 犯罪をすることは信用と愛を失うこと「元詐欺師」
- ヤクザに情はなくカネだけがある「元極道」
- 社会福祉から零れ落ちた人々 「戸籍のない人」
- 親に捨てられた子が親を捨てる「児童養護施設で育った人」
ずっと何者かになりたかった「元サークルクラッシャー」
サークルクラッシャーとは、主に恋愛的な意味で大学生のサークルを壊す女性のこと。意識的にしろ無意識的にしろ複数の相手に気を持たせてしまう、そんな存在です。
大学時代に何人もの男を手玉に取っていたゲスト。しかし好きな人との結婚が上手くいかず、子どもも夫に引き取られてしまいます。彼女はそのことに対して「バチが当たった」と語ります。
ずっと「何者かになりたい」と願い、迷走を続けていた彼女にぱほりんが一言。
【YOUさんから、元サークルクラッシャーサヤカさんへ。最後に一言】「私とか亮太みたいにね、やっぱり生きることはね、恥なの」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/MbTwwNxihr
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) October 31, 2018
俗っぽさとやりがいのはざまで「保育士」
子供の面倒を見る保育士回。男性保育士と女性保育士がひとりずつ登場し、保育の現場をあけすけに語ってくれます。
【あす夜11時】保育士は見た!こんなままごと「男の子が遊んでいるときに女の子の脚を開かせて…ままごとを始めるというのが結構ある」「おうちでお父さんとお母さんがやっているからって言って…」山里「え!?」 https://t.co/SsL6ODLqGT #保育士あるある #ねほりん
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) November 8, 2016
なかなかぶっ飛んだままごとの紹介があったり、女性保育士の恋愛事情があったり、俗っぽい話がどんどん展開されていきます。一方で子どもの叱り方や、給料の安さなど、保育士独自の悩みも語られます。
やりがいはすごくあるのに給料が安い、それでも働き続ける人々の話でした。
女性とまともに話せない男の悲哀「ナンパ教室に通う男」
女の子をナンパしてセックスする技術を教える「ナンパ教室」。そこで学んでいた男性がゲストとして登場。ねほぱほ史上屈指の「ヤバい男」です。
【20(水)Eテレ23時・ナンパ教室に通う男】「学校では恋愛コミュニケーションという科目を作ってほしいと切に願いましたね。教わってない。自然に身につくものじゃないって僕は思ったんですよ」クリスマスを前に、あの男が帰ってくる。 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/I1Vl7SU2hV
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) December 19, 2017
好きな女性に対してストーカー化したり、別れるときに対して「金返せ」と言ったり、女性とまともなコミュニケーションがとれないゲスト。ナンパのマニュアルによってかろうじて女性との接点が保てています。
クズといえばクズだけれど、コミュニケーションがうまくいかない孤独を抱えている、もの悲しい回でした。文学性がある。
運のためなら何でもやります「宝くじ1億円当選者」
宝くじ1000万円と1億円を当てた女性がゲスト。宝くじに当たるまでの経緯や、当たった後の生活について語ります。
私自身は宝くじ全然興味ないんですけれど、当たるための謎のルーティンとか縁起担ぎとか面白くて笑ってしまいます。ただの運のためにここまでするんですね……。
【今夜23時・宝くじ1億円当せん者】父と行った競馬から始まったくじ人生。一日一善でつかみ取った1000万円当せん。親の死を経て大事なものを全て手放し挑んだ1億円。力をくれたのは五輪と金環日食だった…スタッフにも顔を明かせないため、サングラスをかけてのご出演です #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/vHmAjpYyHk
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) November 29, 2017
そしてオチがひどい。視聴者としては笑ったけれど、ゲスト視点だとめちゃくちゃ怒ってしまいそうですね。
おじさんを手玉に取る喜びと危険「パパ活女子」
「パパ活」とは、若い女の子が年上の男性とデートや食事をし、その代わりにお金を援助してもらうこと。セックスのない援助交際みたいなものかな。
ゲストはパパ活にハマり、同世代では考えられないほどの金銭を得ています。
【パパ活女子】YOUさん「ほかのバイトとかどう思う?」マナミさん「いや~戻れない」山ちゃん「時給800円とか」マナミさん「無理です」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/hgCepMz165
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) November 28, 2018
金銭感覚が狂ってしまう怖さ、失われゆく「若さ」が商品価値になってしまうはかなさ。それでも自分自身に多額のお金を払ってもらえるということは、心を狂わせる快感なのでしょうね。
「その後」もめちゃくちゃ怖いので、機会があれば見てみてほしいです。
SNSに狂わされた女の承認欲求「偽装キラキラ女子」
Twitterやインスタグラムの、キラキラした、意識の高い女の子たちのアカウント。その正体は普通の事務員だった……という話。
毎朝コールドプレスジュースを飲んで、きれいめコーデで仕事もしっかり。休日はヨガでデトックスして家族でホテルブランチ。そんな生活を地味な事務OLがネットで偽るわけとは…SNSで少しでも盛ったことがある人は視聴を義務づけます。今夜11時「偽装キラキラ女子」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/QZrKHJA8Oh
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) October 25, 2017
何かお金がもらえるわけでもないのに、承認欲求だけであれこれ努力したり著作権がヤバそうなことをしたりするゲスト。逆にお金目当てより怖いです。
「その後」ではいい話風に終わっているんですが、自分のこと棚上げしてて笑いますね。
犯罪をすることは信用と愛を失うこと「元詐欺師」
人を騙してお金を巻き上げる元詐欺師。美人局や交通事故の詐欺、リフォーム詐欺など詐欺師の手口を一挙公開。
悪事がバレて逮捕された後は、母だけがゲストを支えます。しかしビデオメッセージでは、母はゲストを信じきれないと語ります。
【元詐欺師】ヒロキ母からのメッセージ「そもそもあの子が普通の家庭に育ったらこんなことにならなかったんじゃないか。私が離婚してあの子の人生が狂ったんじゃないかなって。それだけは本当に申し訳ないと思っています」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/7gtUWjTFEE
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) October 9, 2019
人を騙し続けてきた報いとして、一番大切な人に信じてもらえない未来が待っていました。刑務所に入ることよりも、信用と愛を失うことが一番の罰なのかもしれません。
ヤクザに情はなくカネだけがある「元極道」
暴力団から足を洗ったゲスト。極道がいかにお金を稼ぐのかや、上納のシステムなどを語ります。
そこにあるのはカネ、カネ、カネの世界。フィクションにある人情を重んじるヤクザというのは、完全にファンタジーの世界のようです。
【元極道】山ちゃん「お給料ってどれぐらいもらえるんですか?」タケシさん「全くないですよ、一銭も。十何年やってきたけど、給料なんかもらえるどころか、こっちがお金を上納して」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/HsPEGhosG1
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) November 7, 2018
さらに法律が厳しくなったため、暴力団員は世間で生きていけなくなっています。一度足を踏み入れたら社会から外れてしまう、取り返しのつかない場所でした。
社会福祉から零れ落ちた人々 「戸籍のない人」
家庭の事情で「戸籍がない」人々。なぜ彼らの親は出生届を出せなかったのか……ゲストたちの数奇な人生を語る回。
ひとりは母親が暴力夫から逃げ出して別の男性と暮らし、民法上の都合で「元夫の子」とされてしまうので無戸籍になった人。もうひとりは本当の母親ではない人に育てられた人。後者の人の生い立ちに事件性を感じて怖いですね。
【戸籍のない人】ショウタさん「出生証明があると日本人ということが分かるのでいいんですけど育ての母も消息不明で誰も自分を証明できる人がいなくて。こうやって生きてきましたって書いて話をしたんですけど『学校に行ってない人間がそんなに流ちょうに話せるかね』と…」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/O7Le0woQKi
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) February 13, 2019
犯罪の温床になる可能性がある以上、ほいほい戸籍を作るわけにはいかないのもわかるけど、もうちょっと柔軟にならんものかとは思います。
親に捨てられた子が親を捨てる「児童養護施設で育った人」
事情があって親と暮らせない子どもたちが入る児童養護施設。そこで育った青年がゲスト。
ゲストは親からネグレクトを受け、そのまま養護施設で育ちます。養護施設で育ったことに対する差別、育ててもいないのにお金をせびってくる母親への苦しみ、話はとてもハードです。
【児童養護施設で育った人】山ちゃん「正直お母さんのことどう思ってる?」ユウトさん「僕らってずっと付き合っていかなあかんじゃないですか、親という名の呪縛に。そのときに『捨てられたんじゃなくて、もう自分が親を捨てたと思おう』と。かわいそうやなぁって。親に対して」 #ねほりんぱほりん pic.twitter.com/XZpXYcjEu6
— NHK ねほりんぱほりん (@nhk_nehorin) November 14, 2018
ゲストは淡々としているけれど、こんな考え方をしなければいけないこと自体がつらいです。親が子を捨てるというのはこんなに重いのだと思いました。
その中で、ほっこりするエピソードがあったことが救いでした。
以上です。
過去作はNHKオンデマンドで単品110円で見られるので、気になる回だけでも見てください。お願いします。
Eテレで再放送も行われています。再放送の情報は公式Twitterをチェックだ!
おかしくて哀しい人生模様を覗きに行きましょう。