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レズビアンカップルの精子提供ドナー探し―東小雪・増原裕子『女どうしで子どもを産むことにしました』

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女どうしで子どもを産むことにしました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

今日の更新は、東小雪・増原裕子『女どうしで子どもを産むことにしました』です。

 

あらすじ・概要

レズビアンカップルである著者ふたりは、「子どもを産みたい」という気持ちが高まり、精子ドナーを探し始める。しかし、なかなかドナーと著者たちの希望に折り合いがつかず、ドナー探しは難航する。同性同士が子どもを持つのは困難なのか……?

 

 

ドナーを頼まれた男性陣の葛藤と価値観と

まずネタバレをしてしまうと、このコミックエッセイでは子どもを得るところまでたどり着かないので、結果を期待した人は肩透かしを食らうかもしれません。

でもそれを踏まえても興味深い本でした。

 

まず精子ドナーを頼まれた男性陣の葛藤や、生まれてくる子どもとの関係をどうしたいかという部分が、どうあがいても自分では体験できないシーンなので面白かったです。

ふたりがレズビアンカップルであるだけあってドナーを頼まれる男性陣はほとんどゲイ。ドナーを頼まれた本人がやりたいと思っても、そのパートナーが納得しなかったり、誰にも言ってほしくないと希望されたり。

ドナーであっても、「子どもを持つ」ということはひとりでは決めにくいことなんだと気づきました。

 

そして同性愛者の人がどれだけ見えない鎖に繋がれているか、感じる本でもありました。

やはりこの世界の社会規範というのは異性愛者の都合のいいように作られています。「子どもを産むなら配偶者の子でなくてはならない」もそうだし、「人工授精をするのは結婚した男女でなくてはならない」もそう。私が普通に生きている分には気にしないけれど、同性愛者の人には分厚い壁として感じられるのでしょうね。

もっと愛や結婚が自由になって、いろいろな共同体が作れるようになれればいいなと思いました。 

 

『女どうしで子どもを産むことにしました』まとめ

自分では絶対に体験できないような話だったので興味深かったです。もっといろいろなことが自由になるといいんですけれどね。

家族制度に興味がある人にはおすすめです。

女どうしで子どもを産むことにしました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

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