ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『アフリカ・レポート:壊れる国、生きる人々』松本仁一 岩波新書 感想 混沌のアフリカに必要なものとは

あらすじ・概要 アフリカはなぜ貧しいままなのか。ジンバブエ、南アフリカなどのアフリカの国々を取り上げ、その政情や経済の混乱の理由を説明する。独裁や汚職が横行するアフリカでは、人々の心も荒んでいく。今のアフリカには一体何が必要なのだろうか。 …

 『民主主義という不思議な仕組み』佐々木毅 ちくまプリマ―新書 感想 民衆は政治のためにどう関わっていくべきか

あらすじ・概要 日本では当たり前のものとなっている民主主義。しかし、そこには重層的な問題がある。民主主義の各国の歴史や、民主主義における矛盾や欠点を述べつつ、これからの民主主義を考える。選挙や代議士ありきではない、能動的な政治の在り方とは何…

『格安物件の大家とワケあり住人たち』たかはし志貴 本当にあった笑える話 感想 訳あり店子に振り回されたりいい話があったり

あらすじ・概要 著者の母は格安物件の大家をしている。格安物件なだけあって、訳ありな住人たちが多く、彼女は振り回されっぱなしである。住民たちとのへんてこなトラブルを主に、部屋を借りるときに気をつけたいこと、不動産を買うときに気をつけたいことな…

『森と山と川でたどるドイツ史』池上俊一 岩波ジュニア新書 感想 自然や地理から見るドイツ史

あらすじ・概要 ヨーロッパの国、ドイツ。ドイツの歴史を追っていくと、森や山や川など、自然から大きな影響を受けていることがわかる。森の恵みを得て生活し、川から商業が発展し、山に畏敬を感じる。自然崇拝からドイツの文化、歴史を探っていく新書。 ド…

『呪術廻戦』芥見下々 ジャンプコミックスDIGITAL 感想 先進的だけど倫理のない漫画だった

あらすじ・概要 虎杖は、呪いの王、両面宿儺の指を食らったことから呪術師たちの戦いに巻き込まれる。呪術師立の学校呪術高専に入学し、そこで呪術師としての訓練を受けた。しかし宿儺を復活させようとする呪霊たちや、虎杖を危険視する呪術師の派閥とも対峙…

『エンジニアのための見積もり実践入門』親方Project 技術の泉シリーズ 感想

あらすじ・概要 人から仕事を受ける上で「どのくらいの規模の仕事なのか、予算はいくらかかるのか」考える「見積もり」。編者をはじめとして、エンジニアたちが「自分にとっての見積もり」について語る。いい見積もり、悪い見積もりを考えることによって、働…

『ウクライナに行ってみた』りえぞう KDP 感想

あらすじ・概要 著者は東欧の国、ウクライナを旅した。ロシアとの関係を示す場所や、教会の数々をめぐる。大きな被害を出したチェルノブイリ原発事故の跡地や、愛のトンネルと呼ばれる場所にも行ってみた。日本ではわからないウクライナの観光地を紹介する本…

『過労自殺 第二版』川人博 岩波新書

あらすじ・概要 働き過ぎのあまり自殺してしまう、過労自殺。過労自殺に至った人の日記や遺書を公開し、そのおぞましさを見せる。過労自殺について遺族は、企業は何をすべきか。ひとりでも過労自殺する人を減らすため、社会ができることを紹介する新書。 手…

『中国少数民族いまむかし 西江・元陽をめぐる旅』まえだなをこ KDP 感想

あらすじ・概要 著者はかつて中国の少数民族の村を旅していた。そしてふたたびその土地を訪れたとき、文化の変容に驚く。中国少数民族の過去と今を比較しながら、少数民族の人たちと触れ合い話し合った記憶をイラストエッセイで描く。 変容することがさびし…

『心と体をととのえたら、40代の今が一番健康になりました』高嶋あがさ BANBOO ESSAY SELECTION 感想

あらすじ・概要 独身の漫画家である著者は、40歳にして自分の健康を見直すこととなる。運動習慣のこと、美容のこと、精神の健康のことなど、40代には悩みが尽きない。自分の不健康さに向き合いつつ、自分の体を整えていこうとするコミックエッセイ。 せきら…

女性主人公アニメのおすすめ15選 ファンタジー・現代・SF

男性主人公アニメのおすすめを書いたので、今度は女性主人公アニメのまとめを書きました。 まとめてみると意外と男性主人公のアニメの方が見ているとわかりましたね。 ファンタジー 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』 『少女革…

『京都深掘りさんぽ』グレゴリ青山 小学館文庫 感想

あらすじ・概要 京都出身の著者は、自分の知らない京都を漫画にする。伝統産業のこと、町屋のこと、街歩きして目にするものなど。京都出身だからこそついつい見逃してしまう京都の文化を、改めて発見し、大事にしようとするコミックエッセイ。 京都出身の著…

『少女革命ウテナ』さいとうちほ 原作:ビーパパス 全5巻 フラワーコミックス 感想

あらすじ・概要 自分を助けてくれた「王子様」にあこがれるウテナは、男装をしてあこがれの王子様に近づこうとしていた。ある日ウテナは、バラの花嫁を巡る「決闘」に巻き込まれる。バラの花嫁として手荒く扱われる姫宮アンシーを不憫に思ったウテナは、彼女…

『栞と嘘の季節』米澤穂信 集英社 人を殺す栞と、女の友情

あらすじ・概要 図書委員の堀川と松倉は、猛毒の花、トリカブトの押し花が使われたしおりを発見する。とある女生徒がそのしおりを焼いてしまったが、学校ではトリカブトの毒らしき中毒事件が相次いで起こった。トリカブトの毒を振りまいているのは誰なのか、…

『この本を盗む者は』深緑野分 角川文庫 感想 少女が本と家族の呪いから脱出する幻想文学

あらすじ・概要 妄執的な読書家の一族に生まれた深冬は、本が大嫌い。一族が所有する図書館から本が盗まれたとき、「ブック・カース(本の呪い)」が発動した。深冬はいやいやながらもフィクションに飲み込まれた町で本泥棒を探すこととなる。 本を偏執的に…

『新刊、刷り上がりました!』藤峰式 B's-LOG COMICS 感想 印刷会社の人ありがたいけどちゃんと休んでほしい

あらすじ・概要 印刷会社に入社した青年子撫川は、そこで某有名少年漫画雑誌を担当する部署に入る。あこがれの漫画に関わる仕事に喜ぶが、そこはトラブル続きの魔窟だった。印刷会社のあるあるトラブルや印刷会社特有の文化を描きつつ、新入社員子撫川の成長…

『気が合う女友だちは三千里たずねなくてもいる』青沼貴子 バンブーコミックス すぐパラセレクション 感想

あらすじ・概要 子どもの成長に応じていろいろなところでママ友を得てきた著者。彼女が自分の過去を振り返りながら、友達とうまく付き合うコツ、友達の作り方を語る。積極的に行かないと手に入らない、ママ友ゲットの極意とは。コミュニケーション能力が高い…

『ファンタスティックプラネット』感想 シュルレアリスム絵画のような世界でSF

あらすじ・概要 巨大な青い種族、ドラーグ族が支配する惑星。そこでは人間はドラーグ族のペットとして扱われていた。テールはドラーグ族の少女に育てられながらも、彼女の学習機で知識を得る。やがてテールは他の人間たちと合流し、学習機の知識を人間たちに…

『めんどくさがりやの自分の機嫌を取る暮らし』てらいまき バンブーコミックスエッセイセレクション 感想

あらすじ・概要 コミックエッセイ作家、てらいまきは自分の機嫌を取るために、さまざまな工夫をしてきた。家事の手間を減らし、自分をケアして、運動習慣も持つようにしてみる。今よりやりたいことができるように、なおかつ自分が楽でいられるように模索する…

『日本アニメ史 手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明、新海誠の100年』津堅信之 中公新書 感想

あらすじ・概要 今や日本の大きな文化であるアニメ。戦前から現代まで、日本アニメの歴史をたどる。黎明期、プロパガンダとしてのアニメ、ファンとの関係など、アニメーションと社会の関係を紹介していく。鉄腕アトム、セーラームーンなどの有名アニメも多数…

『孤独死しないためのおひとりさまサバイバル術』高嶋あがさ バンブーコミックス エッセイセレクション

あらすじ・概要 汚部屋住人の母親を持ち、父親ともわだかまりを抱える著者。「おそらく自分は生涯独身で過ごすのだろう」と気づき、ひとりで生きていくことについて考える。健康面の問題や、家族のこと、容姿のことなど、ひとつひとつ悩みながら独身でサバイ…

『お伽草子』太宰治 青空文庫 感想

あらすじ・概要 みんなが知っている日本のおとぎ話を、太宰治が大胆にアレンジ。美についてあれこれ面倒なことを考える浦島太郎や、こぶ取り爺さんの恥と失敗、かちかち山での年下女性と年上男性を巡る話など、おとぎ話のパロディを詰め込んだ本。 「こんな…

『整形水』を見た感想 韓国の外見至上主義を描くホラー

あらすじ・概要 外見に強いコンプレックスを持つイェジは、自分の醜い姿がインターネットにさらされたことで引きこもりに陥る。そんな彼女を美しくしてくれたのが整形水だった。整形水の魅力に囚われたイェジは、心配する家族すら巻き込んで美にのめりこんで…

『ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への賛歌』川端康雄 岩波新書 感想

あらすじ・概要 『1984』や『動物農場』などの全体主義への批判を小説に書いたジョージ・オーウェル。彼の生い立ちや作家になった後の人生を語りながら、オーウェルの持つ価値観について考える。戦前・戦中、冷戦時代を生きた。ひとりの作家の激動の人生とは…

『汚れた手をそこで拭かない』芹沢央 文春文庫 感想 しょうもない悪意で大変なことになるミステリ

あらすじ・概要 工事のときの脚立、プールの水、映画撮影のやりとりなど、ごく普通の風景の中に謎が生まれる。それが解明されるとき、人間は心を揺さぶられる。人間の何気ない劣等感や悪意、ずるさからうまれる犯罪を描くミステリ短編集。 人間ってしょうも…

『ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密』広瀬友紀 岩波科学ライブラリー 感想

あらすじ・概要 子どもたちは徐々にことばを学んでいく。その姿に、言語学者はことばの中の不思議や、真理を見る。子どもたちのかわいらしい言い間違いが、なぜ言語学者には興味深いのか。ことばの発達からことばの真髄を見出そうとする本。 ことばのあいま…

『AKIRA』を見た ちょっとホラーなSFで、友情と劣等感の物語

あらすじ・概要 不良少年、金田は事故に遭った仲間、鉄雄を連れ去られた。鉄雄を取り返そうとするも、鉄雄は不思議な力に目覚めていた。力に目覚めた鉄雄は、その能力を使って金田を圧倒し、彼への憎悪を語る。だが、その能力は人間には過ぎたものだった。 …