ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『新版 障害者の経済学』中島隆信 東洋経済新報社 感想 経済学から見た障害者制度の矛盾とこれから

あらすじ・概要 障害のある子どもを育てていた著者は、経済学者として障害者を考える。経済学における差別の考え方や、障害者雇用や制度の矛盾点を描く。障害者の労働はなぜ社会のお荷物人ってしまい、ひとりの労働者として認められていないのか、その背景を…

『40代が、こんなにしんどいなんて聞いてなかった』フカザワナオコ 幻冬舎 感想 衰えを感じながらも前向きにやってみる

あらすじ・概要 イラストレーターで漫画家の著者は、40代後半にして次々と体の衰えを感じ始める。更年期になったり、気圧に弱くなったり、肩にも不調が現れたり。老いていく自分を感じながらも、運動や健康な活動でより良い生活を模索していく。40代女性の体…

『くおんの森』釣巻和 リュウコミックス 全6巻 感想 文字を食う魚と人間たちの現代伝奇ファンタジー

あらすじ・概要 読んだ本をすべて記憶する能力を持っていた遊紙。彼は紙魚という文字を食らう生き物に憑りつかれ、読む本を読んだ端から忘れていくようになる。飢えたように本を読み続ける彼は「森人」を名乗る少女と出会い、この町の本にまつわる不思議な出…

Thunderbolt Fantasy最終章 ネタバレ感想 関係性最高だったよ

Thunderbolt Fantasy最終章見てきました! 面白かったです! シリーズ追いかけててよかった! 最後なのでごりごりネタバレ感想にしました。ネタバレしかないです。 TVシリーズからどうなるか気になっていた浪巫謠ですが、これ上ない丁寧な結論を出してくれま…

NHK、ドキュランドへようこそ感想 米国議会襲撃・デニムハンター・国選弁護人

NHKの海外ドキュメンタリー翻訳シリーズ、ドキュランドへようこその感想です。 相変わらずいいと思ったり悪いと思ったりいろいろですが、それも含めて面白いなあと思っています。 「米議会襲撃が再び起きたら シミュレーション 緊迫の6時間」前編&後編 「“…

『食べものから学ぶ現代社会――私たちを動かす資本主義のカラクリ』平賀緑 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 現代の社会は、おにぎりひとつ取ってもグローバルなつながりの中にある。食べ物を例に出しながら、グローバル社会と大量生産・消費のシステムを考える。自分たちが当たり前だと思っている経済の常識は、実は常識ではないかもしれない。社会へ…

『大物女優の付き人は、ほぼ奴隷の日々でした。』僕田友・西つるみ 本当にあった笑える話 感想

あらすじ・概要 俳優の卵であった原作者は、大物女優の付き人をすることになった。いい経験になると思ったのは束の間、安月給でこき使われる仕事だということが判明した。大物女優のわがままさに振り回されたり、業界の闇を知ってしまったり、気苦労の多い生…

『私の彼女』南Q太 全2巻 デルフィーヌ・ド・ヴィガン原作 電書バト 感想 傷ついた作家の前に現れた都合の良すぎる女

あらすじ・概要 主人公は作家として母親の自死を描いた。しかしその後、誹謗中傷や他人の期待への重圧によって精神的に不安定になる。そんな中現れたのがエルという女性だった。彼女は主人公の作品の熱狂的なファンであり、主人公を全肯定してくれる存在だっ…

『母が「女」とわかったら、虐待連鎖ようやく抜けた』あらいぴろよ バンブーコミックスエッセイコレクション 感想

あらすじ・概要 父親に虐待されて育った著者は、自分が大人になってからもその影に苦しむこととなる。家庭を持ち出産し、息子に強い悪意を抱く自分を見て、著者は父親だけでなく母親との関係も見直すことになった。 父だけではなく母からも愛されていなかっ…

『神々の明治維新――神仏分離と廃仏毀釈』安丸良夫 岩波新書 感想 宗教統一への反感・闘争・従属

あらすじ・概要 明治維新前後は「廃仏毀釈」という仏教を退け神道を推進する政策が取られた。しかし日本では仏教と神道の明確な境界線はなかった。信仰を奪われ神道的とされる習慣を押し付けられた人々は困惑する。 信仰の押し付けによって混乱する日本 信仰…

『誇り高い技術者になろう[第二版]―工学倫理のススメ』黒田光太郎・戸田山和久・伊勢田哲治編 名古屋大学出版会 感想

あらすじ・概要 技術者倫理。それは机上の空論やきれいごとではなく、技術者としての毎日の仕事に宿るものである。技術者倫理が問われた事故や事件を紹介し、その事件について語りながら、「誇り高い技術者」とは何かを考える。技術者は社会のために何ができ…

『k.m.p.の、台湾ぐるぐる』k.m.p. 東京書籍 感想 一か月滞在した不思議でかわいい島

あらすじ・概要 k.m.p.のふたりは、台湾を一か月旅行する。台湾のおしゃれなスポットや、文化がうかがわれる土地、食べ物や風景を豊富な漫画やイラストで紹介していく。台湾の人々の優しさや、台湾文化の面白さがわかるエッセイ。 写真文章漫画、全てが描か…

『バックパックシリーズ』グレゴリ青山 感想 アジア諸国を再訪してとほほな経験をする

あらすじ・概要 アジア諸国を旅する著者。中国や韓国、マレーシアやミャンマー、タイ、ベトナム、バリ島など。優しくもおかしい地元の人たちと触れ合ったり、トラブルに巻き込まれたり、他国の文化に触れたり。面白おかしい旅行コミックエッセイ。 相変わら…

『ものの言いかた西東』小林隆 澤村美幸 岩波新書 会話からわかる東北人と関西人の価値観の違い

あらすじ・概要 方言は、単語や文法以外にもものの言い方に特徴を持つ。大げさで演技性が高く、軽妙なコミュニケーションを好む関西と、朴訥ながらも正直なコミュニケーションを好む東北。大阪、京都などの関西の人と、東北地域の人たちの話し方を比較しなが…

『次なるパンデミックを回避せよ 環境破壊と新興感染症』井田徹治 岩波科学ライブラリー 感想

あらすじ・概要 新型コロナウイルスの大流行により、変わってしまった社会。しかしすでに次なるパンデミックは起こる可能性がある。野生動物や家畜と、パンデミックのリスクがどう関連するか解説し、動物との距離感を考える。環境保全は人間の健康を支えるか…

『日系人の歴史を知ろう』高橋幸春 岩波ジュニア新書 感想 ブラジルに渡った日本人たちのその後

あらすじ・概要 日系ブラジル人を家族に持つ著者は、彼らのことを知ってもらいたいと日系ブラジル人たちの歴史を語る。棄民に等しい政策でブラジルにやってきた彼らは、ブラジルの自然や文化の違いと格闘しながら暮らしていた。出稼ぎのつもりだった一世たち…

『世界の神話』沖田瑞穂 岩波ジュニア新書 当時はそう思われていたさまざまな聖なる物語を比較してみよう

あらすじ・概要 世界がどこから発生したのかや、人間創造の物語、神の力を借りる英雄譚など、神話はさまざまな物語を描き出している。世界にはどんな「聖なる物語」があるのか。地域ごとに特徴的な神話を紹介し、似ているところや独創的なところを比べて考え…

『グーグーだって猫である』大島弓子 角川文庫 猫を拾い続ける著者の生活コミックエッセイ

あらすじ・概要 サバという猫と死別した著者は、グーグーという猫を飼うことになった。やがて著者は庭に来た子猫を拾っては里親に出し、避妊手術を受けさせ、自分の家に迎え入れる。同時にがんとの闘病など、著者自身にも生活の変化があった。著者と家猫、野…

『新・韓国現代史』文京洙 岩波新書 弾圧・虐殺・デモとともにあった戦後史

あらすじ・概要 戦後、南北に分割され、南側の朝鮮半島国家となった大韓民国。その歴史は、大国に翻弄され、弾圧や虐殺の爪痕残るものだった。歴史に韓国という国が登場した瞬間から、近年の韓国の諸問題まで、第二次世界大戦後の韓国の歴史をたどっていく本…

精神疾患関連の新書おすすめ10選 自死問題・発達障害・統合失調症

今日は精神疾患関連の新書おすすめです。 Twitterのアンケートで「読みたいまとめ記事」のアンケートを取ったところ、票が入ったので書きました。 適切な情報が手に入りにくいジャンルなので、参考にしてもらえれば幸いです。 自死問題 『過労自殺 第二版』…

『やさしい日本語ってなんだろう』岩田一成 ちくまプリマ―新書 誰もが理解できる簡単な言葉とは何か

あらすじ・概要 わかりやすく、簡単な日本語で情報を伝えようとする「やさしい日本語」の運動。その運動のあらましや、文章を「やさしく」するコツ、現代の日本が抱える言語的少数派の悩みなどを解説。言葉による「やさしい」を考えると、少数派の日常の困難…

『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』松沢裕作 岩波ジュニア新書 感想 「努力すれば報われる」はどう人間を蝕んできたか

あらすじ・概要 貧困や格差、社会の断絶が問題となる昨今。明治時代の人々も、混迷の時代を生きていた。過剰な競争社会、貧困への自己責任論、恵まれない立場の人への無理解など……。明治時代の混乱を語りながら、「努力すれば報われる」がどうして間違いなの…

『「勤労青年」の教養文化史』福間良明 岩波新書 感想 なぜ働く若者たちは学びに惹かれたのか

あらすじ・概要 戦後の日本、「教養」というものに強い憧れがあった時代があった。働きながら学問を志した「勤労青年」に焦点を当て、当時なぜ「教養」が支持されたのか暴き出す。一般の人が学問をやることへの無理解や、教育格差を元に日本の不平等について…