ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

メタフィクション

ひとりの男を追いかけた、女優の千年転生物語―『千年女優』

あらすじ・概要 大女優藤原千代子のドキュメンタリーを作ることになった制作会社の男たち。千代子にインタビューを試みるが、彼女の話はあっちに行ったりこっちに行ったりまとまりがない。やがて現実と出演作の境界があいまいになり、千代子の半生は長い長い…

都合のいい物語に救われる自由と、都合のいい物語を拒絶する自由を肯定する―藤本タツキ「さよなら絵梨」

shonenjumpplus.com あらすじ・概要 主人公は、余命いくばくもない母親のために、母親の動画をスマートフォンで撮りためていく。母親の死後その動画を編集して学校で映画として流すが、その結末は驚くべきもので……。生徒達から非難を浴びた主人公は、ある少…

古くなった原作をメタツッコミで乗り越える倒叙ミステリ―船津紳平『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』

あらすじ・概要 有名ミステリ漫画『金田一少年の事件簿』。金田一耕助の孫の金田一一が事件を解決するシリーズだ。その漫画の裏には、犯人たちの苦労秘話があった。『金田一』で語られたそれぞれの事件を取り上げ、そのトリックを倒叙ミステリの形で展開する…

幻想小説としてできがいいだけにちょっと惜しい―栗原ちひろ『ある小説家をめぐる一冊』

あらすじ・概要 編集者を辞めようかと考えていた田中は、ある女性作家の担当に配置換えになる。生活力皆無で食事もまともに取らない、些々浦の作品にほれ込んだ田中は、彼女から原稿を引き出すために屋敷に通う。しかし、些々浦は「自分の書いたことが現実に…

世界に新しい歌が生まれる 『ログ・ホライズン7 雲雀たちの羽ばたき』感想

『ログ・ホライズン7 雲雀たちの羽ばたき』を読みました。 少し間が空いてしまいました。 ログ・ホライズン (8) 雲雀(ひばり)たちの羽ばたき 作者: 橙乃ままれ,ハラカズヒロ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2014/09/29 メディア: 単行…

お金のためにレイドクエスト 橙乃ままれ『ログ・ホライズン7 供贄の黄金』感想

『ログ・ホライズン7 供贄の黄金』を読みました。 今回の表紙は群青色でかっこいいですね。 ログ・ホライズン (7) 供贄の黄金 【ドラマCD付特装版】 作者: 橙乃ままれ,ハラカズヒロ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2013/12/20 メディ…

女の子たちが走って戦う 橙乃ままれ『ログ・ホライズン6 夜明けの迷い子』感想

『ログ・ホライズン6 夜明けの迷い子』を読みました。 女の子たちがかわいい巻だった。 ログ・ホライズン (6) 夜明けの迷い子 作者: 橙乃ままれ,ハラカズヒロ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2013/03/30 メディア: 単行本 クリック: 4…

アキバに吹き荒れる恋愛旋風 橙乃ままれ『ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日』感想

『ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日』を読みました。 恋愛回でした……。 ログ・ホライズン (5) アキバの街の日曜日 作者: 橙乃ままれ,ハラカズヒロ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2011/11/30 メディア: 単行本 購入: 4人 クリッ…

仲間の正体が明かされる 橙乃ままれ『ログ・ホライズン4 ゲームの終わり(下)』感想

『ログ・ホライズン4 ゲームの終わり(下)』を読みました。 大地人の裏事情もわかってきて世界が広がった巻。 ログ・ホライズン (4) ゲームの終わり (下) 作者: 橙乃ままれ,ハラカズヒロ 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン 発売日: 2011/09/30 …

初心者はいかにネトゲ世界でサヴァイヴするか 橙乃ままれ『ログ・ホライズン3 ゲームの終わり【上】』感想

『ログ・ホライズン3 ゲームの終わり【上】』を読みました。 キャラクターも出そろってきて面白くなってきましたね。余談ですがこの作品を読むきっかけになったクラスティとレイネシア姫が出会う巻でした。(きっとこの二人好きだよと言われた) ログ・ホラ…

いい子だけがおとぎ話の主人公ではない『シュガー・ラッシュ』再視聴感想

昨日『シュガー・ラッシュ』の地上波放送がありました。 この映画、上映時に映画館で見たので感想は二度目になるんですが、やっぱりもう一回見ても面白かったです。今回はヴァネロペとラルフという主人公への感想を述べようかなと思います。 映画『シュガー…