ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

女性

童顔の女優が、SNSで知り合った男性とテレビ通話するとこうなる―『SNS 少女たちの十日間』

あらすじ・概要 オーディションで選ばれた三人の童顔の女優たち。彼女らは子ども部屋のセットに入り、12歳と偽ったSNSアカウントからコンタクトを取ってきた男性と会話する。プロフィール上は12歳の少女たちに、性的な言葉や性器の写真を送り付けてくる男性…

生理用品の歴史から女性解放の歴史がわかる―田中ひかる『生理用品の社会史』

あらすじ・概要 女性に月一回訪れる月経。その不快感を減らしてきたのが生理用品だ。戦前までの女性たちの月経対策や、日本初の生理用ナプキンアンネナプキンの誕生、布ナプキンを巡るイデオロギーと効果まで、日本の生理用品の歴史を追いながらジェンダーに…

女ことばの歴史はことばとイデオロギーの関係を表している―中村桃子『女ことばと日本語』

あらすじ・概要 小説の中や映画の中で女性が話している「~よ、~だわ」という口調。しかしながら、この話し方をする女性は全国的に見てもそれほど多くはない。なぜ、フィクションの中でこのような話し方が流布しているのか。「女ことば」の歴史を追いながら…

生々しい「毒親」の中に自分自身を見て自己嫌悪になる―アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』

あらすじ・概要 弁護士の妻、ジェーンはバグダードで娘を見舞ってから、イギリスに帰ろうとしたところ、電車の不通により足止めされた。しかたなく宿泊所で過ごすことになるが、そこで友人との会話を思い出す。暇にあかせて考え事をするうちに、彼女は自分自…

アイルランドで、身勝手で色ボケした男どもに女性が苦しむ―『ローズの秘密の頁』

あらすじ・概要 聖マラキ病院で過ごすローズの元に、精神科医がやってくる。彼女は自らの生まれたばかりの息子を殺したが、「いつか息子が迎えに来る」と主張していた。精神科医は、聖書に書かれたローズの手記を読み始める。そこには、ローズの今までの人生…

幻想の女が自分の意思で恋をする―『奥様は魔女』(リメイク映画版)

あらすじ・概要 魔女のイザベルは、普通の暮らしにあこがれて人間の世界で暮らすことにした。そこで『奥様は魔女』のドラマの女優としてスカウトされる。しかし好意を持った主演男優、ジャックは、ろくでなしでいくじなしな男だった。イザベルはジャックに怒…

主人公ダイアナに魅力を感じられなかった―『ダイアナ』

あらすじ・概要 保育士から皇太子妃になったダイアナ。しかしダイアナはチャールズ皇太子と離婚し、1997年に事故で死亡する。映画ではダイアナの恋愛、慈善事業への参加、パパラッチに追いかけまわされる日々を描き、彼女の人生に迫ろうとする。

白戸ミフル『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』感想

あらすじ・概要 運命の男性を探して合コンを繰り返していた著者は、ある日胸にしこりを発見。乳がんと診断された。抗がん剤治療が開始され、著者は髪の毛が抜け副作用に苦しむ。しかし、合コンに通うのはやめてはいなかった。恋愛相手を探す女性が病気をきっ…

ミランダはなぜ最低の上司なのか~本当は怖い『プラダを着た悪魔』【ネタバレあり】

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 地上波で『プラダを着た悪魔』をやっていたので、久しぶりに録画して見ていました。 やっぱいつ見てもミランダは最低だな!!と思っていたところ、Twitter上の感想ではミランダに好意的な感想が多…

女主人公がゴリゴリに活躍する作品おすすめ19選 映画・アニメ・ドラマ編

素材:Canva(https://www.canva.com/) この間女主人公がゴリゴリに活躍する小説の紹介記事を書きました。 honkuimusi.hatenablog.com 今回はその映像作品バージョンです。 映画(実写) 淑女がゾンビと対決『高慢と偏見とゾンビ』 老トレーナーと三十路の…

病気のときの他者とのコミュニケーションについて身につまされる―佐々木彩乃『乳がんでもなんとかなるさ~独女マンガ家闘病記』

あらすじ・概要 エログロ系のレディースコミックを描いて暮らしてきた著者は、ある日乳がんを告知される。母親は死に、家族は遠く、独身で自分の家庭もない。ひとりで乳がんと向き合わなければならない著者は、より良い医療を探して三つの病院を巡る。

「普通」が幻想だと知ると自虐が楽しめなくなる―カレー沢薫『負ける技術』

あらすじ・概要 文章も書く漫画家カレー沢薫。彼女が書いたコラムを書籍化。そこにあるのは、コミュ力のない根暗なオタクの暗い過去だった。毎日の虚無をおもしろおかしく描きながら、冴えない人間が毎日を生き抜く姿を伝える。

誰かとコミュニケーションを取る生活うらやましい―きのしたきのこ『東京ルームシェア生活』

あらすじ・概要 東京でルームシェアを行う三人の女性。料理を作ってテーブルを囲み、おしゃべりに興じる毎日。一方で、お金のことや掃除のこと、引っ越しのときの話し合いなどトラブルの種もあって……。ルームシェアをする楽しさと困難を描いたコミックエッセ…

アラフォーが妊娠したらこうなる―山本恵・すぎうらゆう『43歳で母になる』

あらすじ・概要 43歳ではからずも妊娠した著者。思わぬ授かりものに喜びを感じ、また高齢出産のリスクに不安になる。つわりの悩み、友人への報告、保育所探しなど、妊娠にまつわるエピソードが盛りだくさんのコミックエッセイ。

感染症医、性教育を語る―岩田健太郎『感染症医が教える性の話』

今日の更新は岩田健太郎『感染症医が教える性の話』です。 あらすじ・概要 感染症医である著者は、性感染症を通して性教育に関わっている。性教育は何をすべきで何をすべきでないのか、性を学ぶことはどんな意味があるのか、医師の視点から語る。そして著者…

参考文献が怪しげなので眉唾で読んだ―たかはしみき『わたし、39歳で「閉経」っていわれました』

今日の更新は、たかはしみき『わたし、39歳で「閉経」っていわれました』です。 あらすじ・概要 漫画家の著者は、体の不調で婦人科病院に駆け込んだ。そのとき「早期閉経になりかかっている」と告げられる。2人目の妊娠を望んでいた著者は動揺した。著者…

美術館とカルティエがかわいそう―『オーシャンズ8』

今日の更新は、『オーシャンズ8』です。 あらすじ・概要 刑務所を出たばかりのデビー・オーシャンは、セレブ達が集まる「メットガラ」でカルティエの首飾りを盗むことを思いつく。デビーはさまざまな仲間を集め、計画を張り巡らせてメットガラに挑む。セキ…

「女主人公がゴリゴリに活躍する小説」おすすめ17選

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、女主人公がゴリゴリに活躍する小説おすすめです。 女主人公、乙女向けだと男キャラの添え物だし、男性向けだと「こんないい女を従えられる男がすごい」っていう文脈になりがちだよね、という不満があり…

実は多種多様だったニッポンの「結婚」―瀬川清子『婚姻覚書』

今日の更新は、瀬川清子『婚姻覚書』です。 あらすじ・概要 日本における結婚とは何か。著者は日本の各地から結婚に関する文化、習俗、風習を収集。男が娘の家に通うもの、娘が男の家に通うもの、嫁の一時的な里帰りや、かまど神との関係などなど。婚姻制度…

かわいい絵柄で一癖ある女の子を描く―アッチあい『このかけがえのない地獄』

今日の更新は、『このかけがえのない地獄』です。 あらすじ・概要 魔法少女になる夢を諦められない少女、自分が漫画の登場人物であることに自覚があるラブコメ漫画のヒロイン、女装をして好きな女の子と付き合う羽目になる少年……。若者たちの痛々しい青春を…

子どもをつくることを「選べる」世界で女性は何を思うのか―柏木惠子『子どもという価値 少子化時代の女性の心理』

今日の更新は、柏木惠子『子どもという価値 少子化時代の女性の心理』です。 あらすじ・概要 「子どもの価値」の大きい小さいを口にすることはタブーとされている。しかしながら、次代の変遷によってその価値が変わりつつあるのは確かである。世代間のデータ…

「足りない」中学生たちの優しく痛い青春―阿部共実『ちーちゃんはちょっと足りない』

今日の更新は、阿部共実『ちーちゃんはちょっと足りない』です。 あらすじ・概要 中学生のちーちゃんは、おバカだけれど友人と楽しく暮らしている。友人のひとり、ナツもちーちゃんが好きだ。しかし、女子バスケ部が顧問の誕生日プレゼントを買うために集め…

男性で上演した演劇を女性でやりなおす意義を追求した作品―FC限定配信「『TRINITY THE TRUMP』Female ver.」

素材:いらすとや(https://www.irasutoya.com/) ちょうどいいサムネがなかったのでいらすとやからお借りしました。 繭期(TRUMPシリーズファンの俗称)の友人からこの動画を紹介いただきました。 www.nicovideo.jp 「TRUMP」は何度も再演されており、これ…

鬱憤を晴らしたいならいいかもしれない―佐光紀子『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』

今日の更新は、佐光紀子『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』です。 あらすじ・概要 日本の主婦は家事をしすぎである――。家事の専門家である著者は、「家事をやってきちんと暮らす」という価値観が日本の女性を苦しめているのではないかと考えている。海外の…

花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』

今日の更新は、花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』です。タイトル長い。 あらすじ・概要 夫と別居状態に陥った著者は、Xという恋愛目的に限定しない出会い系アプリに登録する。本が好きでヴ…

ジェンダーに関心がある人へのおすすめ本・漫画・映像作品31選

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、ジェンダーに関心がある人へのおすすめ作品まとめです。 こちらの記事のブクマコメントで、フェミニズム作品についておすすめしたんで自分でも書こうと思いまして。 pulp-literature.hatenablog.com し…

ASDは相互的なコミュニケーションが苦手―司馬理英子『こころのクスリBOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群』

今日の更新は、司馬理英子『こころのクスリBOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群』です。 あらすじ・書籍概要 人づきあいが苦手、空気が読めない、誤解されやすい。人間関係でトラブルを抱えやすいアスペルガー症候群の女性。彼女らがなぜそのような行…

女性画家たちの作品を解説とともに掲載―アメリア・アレナス『絵筆をとったレディ 女性画家の500年』

今日の更新は、『絵筆をとったレディ 女性画家の500年』です。 あらすじ・書籍概要 男性に比べて語られることが少なかった女性画家の作品。この本では年代別に作品を並べ、解説とともに紹介していく。

江戸時代の女性画家はどう生きたか―パトリシア・フィスター『近世の女性画家たち―美術とジェンダー』

あらすじ・書籍概要 江戸に生きた女性画家たちは、女性ゆえに社会通念との軋轢に悩み、よりよい創作環境を模索していた。江戸時代から明治時代にかけて、絵を志した女性たちの人生を伝える本。

女子高生とおじさんが入れ替わり、性のゆらぎを感じる―ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』

今日の更新は、ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』です。 あらすじ ある日中身が入れ替わったおじさん木根と女子高生葉菜。入れ替わったまま一年が過ぎ偶然ふたりは再会する。モデルになった葉菜(木根)の計らいで、木根(葉菜)は彼女の所属する雑誌の編集…