ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

政治

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』見た 武将カリスマ性に狂わされる国民の風刺ネタ

あらすじ・概要 コロナ禍の日本。政治的混乱により政府は戦国武将や歴史上の人物をプログラムで生成、彼らに内閣を組んでもらった。強いカリスマ性で日本を率いる武将たちは、アイドルのように国民に慕われることになる。しかし、彼らにも内部分裂の影が……。…

『宴のあと』三島由紀夫 新潮文庫 感想 権力に狂わされていく成り上がりの女

あらすじ・概要 もう恋愛はしないだろうと思っていた料亭のおかみかづは、元外相の野口と恋に落ちる。彼が都知事選に出馬することになったとき、かづは料亭で稼いだお金を野口のために使うことを決める。野口に内緒で、かづはお金をばらまきながら人々の中に…

『おこぼれ姫と円卓の騎士』石田リンネ ビーズログ文庫 平和のために奔走する次期女王

あらすじ・概要 王女レティ―ツィアは政治的に対立する兄たちが国を分裂させないように、「おこぼれ」で次期国王に選ばれる。国王はナイツオブグラウンドと呼ばれる騎士たちを集めなければならない。彼女は騎士の第一席デュークとともに国内のトラブル解決と…

『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』萱野稔人 14歳の世渡り術 感想 子どもにはちょっと過激な哲学

あらすじ・概要 世間では「暴力はいけないこと」とされている。しかし軍事侵攻のために抵抗したり、犯罪を犯した人を捕まえることも一種の「暴力」である。なぜ暴力が許される状況と許されない状況があるのか。暴力と社会のシステムとの関係を解説し、人間と…

『ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動』堀越健司 ソフトバンク新書 感想 政治活動するハッカーたちの歴史と今

あらすじ・概要 ハッキングによって政治活動を行うハクティビズム。その歴史は、インターネットの歴史と共にあった。インターネット黎明期のハクティビズムから、インターネットが普及した後のこと、そしてSNSなどで個人が発信することが容易になった現代ま…

『マンガ 出張先は北朝鮮』呉英進 全2巻 作品社 隣の独裁国家に出張して洗脳された人たちの人間味を見る 

あらすじ・概要 韓国から土木作業のために北朝鮮に出張することになった著者。「将軍様」を崇拝する北朝鮮の人々はどこかおかしく、同時に人間味がある。著者は北朝鮮で起こったことを記録しておくことにした。大きな矛盾を抱えて暮らす北朝鮮住民の、リアル…

『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』見た ナチスの美術品略奪についてのドキュメンタリー

あらすじ・概要 ヒトラーの独裁が行われたナチス・ドイツでは美術品の略奪が行われた。美術品のコレクションを持つユダヤ人から、次々と美術品が奪われたのだ。ナチスが美術品を通して権力に執着する様子や、美術品奪還活動をしている人々、略奪に協力した人…

『アフリカ・レポート:壊れる国、生きる人々』松本仁一 岩波新書 感想 混沌のアフリカに必要なものとは

あらすじ・概要 アフリカはなぜ貧しいままなのか。ジンバブエ、南アフリカなどのアフリカの国々を取り上げ、その政情や経済の混乱の理由を説明する。独裁や汚職が横行するアフリカでは、人々の心も荒んでいく。今のアフリカには一体何が必要なのだろうか。 …

 『民主主義という不思議な仕組み』佐々木毅 ちくまプリマ―新書 感想 民衆は政治のためにどう関わっていくべきか

あらすじ・概要 日本では当たり前のものとなっている民主主義。しかし、そこには重層的な問題がある。民主主義の各国の歴史や、民主主義における矛盾や欠点を述べつつ、これからの民主主義を考える。選挙や代議士ありきではない、能動的な政治の在り方とは何…

『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』坂井豊貴 岩波新書 感想

あらすじ・概要 多数決は、実は公平な決め方ではない。多数決がどうして不公平なのか説明しながら、多数決以外の政治家の決め方、社会の意思決定の仕方を考える。漁夫の利を得やすく、マイノリティの意思が反映しづらい多数決の代替とは。 多数決の欠点と、…

『オルフェウスの窓』池田理代子 集英社文庫 全9巻 感想

あらすじ・概要 フォン・アーレンスマイヤ家の庶子であったユリウスは、母親の意向で男の子として育っていた。男の姿のまま男子校である音楽学校に通うが、そこで「オルフェウスの窓」から姿を見られてしまう。オルフェウスの窓から誰かを見たものは、その誰…

『はじめてのフェミニズム』デボラ・キャメロン ちくまプリマ―新書 感想

あらすじ・概要 フェミニストはなぜ対立し、意見が分かれるのか。フェミニズムの歴史や、それぞれのテーマの意見が分かれる点について、丁寧に解説していく。対立を対立のまま理解し、フェミニズムのこれからを考える、 フェミニズムの抱えるややこしい問題…

『有権者って誰?』藪野祐三 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 「選挙に行こう」と呼び掛けてくる大人たち。しかし実際のところ、選挙に行こうとする有権者というのはどのような存在なのか。有権者の定義から、どのような瞬間が有権者の心を動かすのかまで、選挙を学ぶ学生向けの本。 どんな行動が有権者…

『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』上村陽治 岩波ブックレット

あらすじ・概要 市民の生活を守るはずの行政の現場で、非正規公務員たちが雇用の不安定さや賃金の少なさにあえいでいる。公立学校の非常勤講師や婦人相談員などの例を上げ、これからの行政での雇用を考える本。 待遇の差と雇用の不安定さの間であえぐ 単純作…

【政府組織の中で反貧困を唱え続ける】清水康之・湯浅誠『闇の中に光を見いだす 貧困・自殺の現場から』

あらすじ・概要 自殺対策に関わってきた清水康之と、貧困対策に関わってきた湯浅誠。政府の貧困政策のこれまでとこれからについて、対談形式で語り合う。政府内部から貧困・自殺の政策を打ち出そうとしてわかったことは、官僚や政治家たちの貧困への理解のな…

政治学者が学問的正論が通用しない「PTA」の世界で気づいたこと―岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』

あらすじ・概要 政治学者・岡田憲治は他人からの強い推薦によってPTA会長になるが、そこは非効率、非論理的な活動に満ち溢れていた。会長としてPTAのスリム化を目指すが、そんな著者に反発する人も多く……。保護者による「自治」の中で、人間同士の政治を考え…

「政治をやる障害者」が語る戦略的にマイノリティ向け制度を作る方法―伊藤芳浩『マイノリティ・マーケティング――少数者が社会を変える』

あらすじ・概要 聴覚障害者として、NPO「インフォメーションギャップバスター」で活動してきた著者。この団体は聴覚障害者向けの電話リレーサービスや東京オリンピック開閉会式におけるテレビ放送の手話通訳の導入を実現させてきた。300人に1人の聴覚障害者…

自分の価値観を否定する痛みを乗り越えて真実を知る―立岩陽一郎・楊井人文『ファクトチェックとは何か』

あらすじ・概要 フェイクニュースが話題になる昨今、ニュースや政治家の発言の真偽をチェックする「ファクトチェック」が注目されている。人々が正しい情報にアクセスするには、過去の発言や出典をチェックするファクトチェッカーの存在が必要である。海外の…

マジョリティの人間が「小さな差別」を軽く考えるのはどうかと思う―鈴木大介『ネット右翼になった父』

あらすじ・概要 父を亡くした著者は、ネット右翼的な思想に傾倒した父について記事に書く。しかしその後、自分は父のことを本当に知っているのかと疑問を持った。家族に聞き取りを行い、父の過去を紐解くにつれて、父親の本当の姿が見えてきた。

「自分らしく」生きられる社会はなぜこんなにも苦しいのか―宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』

あらすじ・概要 昔より多様性が認められ、自由になったはずなのに、なぜ現代社会は生きづらいのか……。現代の社会学者や過去の哲学者の著作を紐解き、現代社会の「断絶」の解説に挑む。思索することで見えてきた、政治への不信感や虚無感の正体とは。

違いを持った人々が意見を言い合うときそこに政治が生まれる―宇野重規『未来をはじめる:「人と一緒にいること」の政治学』

あらすじ・概要 政治学者、宇野重規はとある女子校で政治学の講義を行い、それを本にまとめることになった。友達同士であれ、国際的な舞台であれ、違った価値観の人の意見が衝突すれば、そこに政治が生まれる。社会における意思決定はどう行われるべきか、若…

「税金を払いたくない」という願望を巡る攻防と国際政治―志賀櫻『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』

あらすじ・概要 個人や企業が金銭を儲けると、その一部を税金として納めなければならない。しかしその納税を回避し、社会に富を還元しない人たちがいる。その裏に存在するのはタックス・ヘイブンと呼ばれる租税回避が可能な地域。著者は税務署で働いた経験か…

人間の善意を無邪気に信じている本―今井一『住民投票―観客民主主義を超えて』

あらすじ・概要 ある政策について民衆に是非を問う、直接民主主義の一種「住民投票」。著者は日本各地で行われた住民投票の経緯と結果を調べ、その必要性を語る。「民意」はどのように政治に取り入れられるべきか……。

人種差別のシンボルとなってしまったカエルを救えるか―『フィールズ・グッド・マン』

あらすじ・概要 マット・フューリーは自分のぐだぐだな日常を元ネタに、漫画を描いていた。そこに登場するカエルのペペは、匿名掲示板4chanに転載され、ネットミームとして独り歩きを始める。ただの面白ネタからモテない男の代弁者へ、そして、人種差別の象…

過酷でありながら優しい人間観の歴史IF漫画―よしながふみ『大奥』

あらすじ・概要 男子だけが感染する奇病が蔓延した江戸時代。女性と男性の力関係は逆転し、女性が家督を継ぐ社会となった。そして、江戸幕府の長、将軍も女に。その大奥では、全国から美男が集められ、将軍の寵愛を争っていた。徳川の時代が進むごとに、社会…

天然痘撲滅プロジェクトはものすごく泥臭かった―蟻田功『地球上から天然痘が消えた日』

tsutaya.tsite.jp 古い本でAmazonの在庫がないみたいだからツタヤのリンク貼っておきます。 あらすじ・概要 致死率20%の病気として世界中で猛威を振るってきた天然痘。その天然痘を撲滅するために、WHOはチームを組んだ。その一員だった著者が、各国での撲…

どこを対象とした本なのかいまいちわからない―萱野稔人『名著ではじめる哲学入門』

あらすじ・概要 私たちを取り巻く世界とは、いったい何なのだろうか。「哲学」「政治」「民主主義」など、「○○とは何か」という問いの答えを哲学の名著の中から探す。多様化・複雑化する世界の中で、哲学がどう人間と社会を見て来たかを語っていく。

今を考えてだいぶ憂鬱になる本―橘木俊詔『格差社会 何が問題なのか』

あらすじ・概要 日本の長い不景気の中、格差は広がり続けている。なぜ、格差は広がってしまったのか。格差を否定する政治家たちに反論しつつ、格差が生まれてしまったわけを解説する。格差を減らすには、どうすればいいのか……。

WHOの政治戦から見る人類と病との戦い―詫摩佳代『人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差』

あらすじ・概要 新型コロナウイルスよりずっと前、ペストや腸チフスの時代から、人類は病と闘ってきた。人類の「病との戦い」はどう進歩し、どのような政治的駆け引きがなされてきたのか。WHOの取り組みとその中の政治戦を紹介しながら、人類と病の現代史を…

映画俳優がモナコに嫁いで公妃を「演じる」―『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

今日の更新は、『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』です。 あらすじ・概要 映画俳優からモナコの公妃となったグレース・ケリー。窮屈な社交の世界に疲れ、映画の世界に戻りたいと願ってしまう。しかし、そんな彼女を世間はバッシングし……。グレースは、…