ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

生活

政治学者が学問的正論が通用しない「PTA」の世界で気づいたこと―岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』

あらすじ・概要 政治学者・岡田憲治は他人からの強い推薦によってPTA会長になるが、そこは非効率、非論理的な活動に満ち溢れていた。会長としてPTAのスリム化を目指すが、そんな著者に反発する人も多く……。保護者による「自治」の中で、人間同士の政治を考え…

ネガティブな漫画家が自分語りをしつつ楽な生き方を模索する―菊池真理子『生きやすい』

あらすじ・概要 漫画でルポルタージュを描くことを仕事にしている著者、菊池真理子。しかしその内面はネガティブで、漠然とした生きづらさに悩まされていた。過剰な繊細さ、人付き合いへの疲労、本音を言うことへの抵抗など、著者自身が自分のネガティブさを…

ベビーシッターになった保育士の奮闘記―さいおなお『3時間だけママを代わります! 駆け出しベビーシッターの奮闘記』

あらすじ・概要 保育士だったが、日々の雑務に追われ、「もっと子どもと向き合う仕事がしたい」とベビーシッターになった著者。ベビーシッターの仕事の内容から、子どもと付き合う上での悩み、保護者とのやりとりなど、子どもを世話する仕事について語る。 …

障害児向けのおもちゃ制作に携わった著者が誰もが使いやすい道具について語る―星川安之『アクセシブルデザインの発想 不便さから生まれる「便利製品」』

あらすじ・概要 障害のある子どものためのおもちゃを作っていた著者は、その流れでみんなが使える商品、アクセシブルデザインに携わることになる。少しの工夫で使える人が増える、アクセシブルデザインの中身とは……。 「できるだけ多くの人が使える道具」を…

社会に氾濫する居場所のない人を排除するオブジェ―五十嵐太郎『誰のための排除アート? 不寛容と自己責任論』

あらすじ・概要 ベンチに寝そべられなくする、開いている土地にホームレスが段ボールハウスを作れなくする、若者がたまらないようオブジェを置くなど、「邪魔者」を排除する排除アート。それらはどのように設置され、社会にどのような影響を与えているのか。…

毒親から生き延びた人が励まし合うようなコミックインタビュー集―菊池真理子『毒親サバイバル』

あらすじ・概要 アルコール依存症の父と宗教にハマった母を持つ著者は、大人になってから自分の家庭が普通ではないと気づく。著者は自分以外の「毒親」を持つ人々に取材し、そのエピソードを漫画にすることにした。劣悪な家庭環境をサバイブしてきた人々の、…

宗教2世のエピソードを淡々と漫画で収録―菊池真理子『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』

あらすじ・概要 自分の親は宗教を信じていた。それだけで長く排斥感を感じ、生きるのに悩む人々がいる。自らも宗教2世である著者が、2世たちに聞き取り調査を行い、そのエピソードを漫画に起こした。2世たちの宗教との決別、そしてその後の人生とは……。

老いを目の前にした女性がたどり着く今までとこれから―高橋陽子『50歳前からのココカラ手帖』

あらすじ・概要 子育てがひと段落し、50歳を目前にした著者は、言いようのない不安を抱いていた。メンタルクリニックで自分の疲れを自覚し、美容やメイクを気にしてみて、スポーツジムで鍛えてみる。そうして理解した、自分の今の状況、そしてこれから50代に…

50代イラストレーターが100日チャレンジで体力強化に挑戦―高橋陽子『50代からの体力革命』

あらすじ・概要 50歳を目前にして、自分自身の体力の低下を目の当たりにした著者。彼女はスポーツジムに通うことを決める。そこで出会ったトレーナーと、「100日チャレンジ」を始めた。懸垂をする、ベンチプレス40㎏を上げるなど、設定した目標をこなそうと…

違いを面白がれるタフさに救われる―星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』

あらすじ・概要 日本人男性とカメルーン人女性が結婚し、母親の連れ子として日本にやってきた星野ルネ。幼い頃から日本で暮らしているため、母国語は日本語。周囲の日本人とは全く違う外見のため、何かと誤解を受けることが多く……。世の中の先入観や文化の違…

漫画家とその夫が田舎で暮らした4年間―グレゴリ青山『田舎暮らしはじめました うちの家賃は5千円』

あらすじ・概要 東京の高すぎる家賃に嫌気がさし、和歌山の奥地の家賃5000円の家に引っ越したグレゴリ青山とその夫。家庭菜園を作ったり、四季の花を満喫したりしながらも、不便さや虫の被害など田舎特有の困りごとにも悩まされる。いいことも悪いこともあっ…

京都の亀岡で都会に近い田舎を満喫する―グレゴリ青山『京都「トカイナカ」暮らし』

あらすじ・概要 和歌山の田舎から京都の亀岡に引っ越してきた著者。自然豊かで、京都駅へのアクセスもいいその土地で、著者は充実した生活を送っている。京都市内のお出かけスポットから、亀岡の豊かな自然の魅力、二ホンミツバチの養蜂にチャレンジした記録…

太りやすい体質で自己肯定感をすり減らした著者がたどり着いたダイエットの到達点―歌川たいじ『「おつきあい」の壁を乗り越え48キロやせました』

あらすじ・概要 子どものころから太っていた著者。大人になっても太りやすい体質で、やせては太りを繰り返していた。太っている外見をいじられ、余計なアドバイスをされる日々を過ごしていた。一念発起して食生活を見直し、ダイエットに成功した著者。しかし…

あのころのインターネットと小説家の虚実入り混じる日常―乙一『小生物語』

あらすじ・概要 インターネットのHPで日記を書き始めた作家、乙一。しかしその内容はどんどん虚実入り混じるようになる。映画を見たり漫画を読んだりする日々や、同業者との交流の中に唐突に挟まるファンタジー要素。フィクションのようなノンフィクションの…

限界集落で共同生活を送るニートたちはなぜそこに集ったのか―石井あらた『「山奥ニート」やってます』

あらすじ・概要 とある限界集落。そこで共同生活を送るニートたちがいる。家事をし、最低限の労働をする以外は、アニメを見たりゲームをして暮らしている。ニートたちのリーダー格である著者が、その生活の日々と、「山奥ニート」が発生した由来、社会への思…

価値観の違う人間が家事を協力して行うには話し合いが必要―倉田けい『倉田家は今日もわが家ルール見直し会議中!』

あらすじ・概要 フリーランスと勤め人の共働きである著者夫婦。彼らは「家事の分担」のために頻繁に会話をして作戦を立て、実行、フィードバックをしている。話し合いながら家事を分担する方法と、お互いストレスを溜めずに生活する工夫を描いたコミックエッ…

宗教ゆえに倫理観が狂い子どもを傷つける親―いしいさや『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』

あらすじ・概要 子どものころ、母親の宗教に付き合わされていた著者。頻繁に行われる集会や、布教活動で自由な時間が少なく、また、友達付き合いや男女交際も強く制限される。普通の生活が送れない辛さに、徐々に宗教に対して信頼を失っていった著者は、棄教…

発達障害のトラブルや苦手を「ましにする」ために奮闘する―カレー沢薫『なおりはしないがましになる』

あらすじ・概要 仕事を首になり、フリーランスのライター・漫画家として働いていたカレー沢薫。しかし部屋は荒れ放題、スマホに依存して仕事に集中できない。見かねた編集者が病院に連れて行くと、発達障害であることが判明した。できないことを少しでも「ま…

自分を受容することから成長は始まる―細川貂々・水島広子『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』

あらすじ・概要 イラストレーターとして、漫画家として、実績を重ねながら、暗い思考に支配され、ネガティブ思考クイーンとして生きて来た著者。ある日、精神科医、水島広子から会ってみたいと言われる。そこで話したのは、対人関係療法という生きづらさを解…

人間には、絶望の中にもささやかな救いを見出すことができる強さがある―野田敦子『夫が倒れた! 献身プレイが始まった』

あらすじ・概要 コピーライターの著者の夫が倒れ、意識を取り戻す見込みがほとんどない植物状態になってしまった。悲しみに暮れる暇もなく、著者の生活はめまぐるしい勢いで変わっていく。介護をどこまでするかという問題、夫の家族や友人との付き合い、自分…

コミックエッセイというより実話をもとにしたギャグ漫画感ある―弾正よしかげ『心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父』

あらすじ・概要 突然不整脈を起こし、病院に行ったら即入院することになった著者。闘病の日々をコミカルに描く。また著者には、「生きたいように生きる」という価値観に影響を受けたパワフルな祖父がいた。心臓の手術をした闘病記と、実家の祖父との交流を描…

ADHDに話題の腕に巻けて書いて消せるメモ「wemo ウェアラブルメモ」を買ってみた

腕に巻けるウェアラブルメモ、「wemo」を買ってみたのでその記録です。 この間予定を忘れるという大ポカをやらかしたので、身に着けられるメモとしてADHDの間で話題のウェアラブルメモ「wemo」を買ってみようと思いました。 ASDが優勢でADHD傾向はそれほど強…

双極性障害の再発で睡眠障害になったので安眠のためにやってみたこと5つとその結果

双極性障害の再発で睡眠障害が発生し、なかなか寝付けない日が多かったです。 これを機会に睡眠を見直し、工夫を重ねてみました。 今日はそのためにやってみたことのまとめです。 エアコンをつけたまま寝る(夏場) 枕を変える 枕のひんやりパットを使う 音…

孤独死は嫌だ!と思ったので似たようなオタクたちと同居してみました―藤谷千明『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』

あらすじ・概要 パートナーと別れ、同棲を解消した著者は、家賃の金銭的負担と孤独死の恐怖にさいなまれていた。そこで、似たような悩みを持つオタク同士でルームシェアをすることを思いつく。メンバー探しや物件探し、引っ越しの流れから、実際に暮らしてみ…

貧困母子家庭で育った著者の実録貧乏生活―やまぐちみづほ『明日食べる米がない!~親が離婚したら、お金どころかなーんにもなくなりました!!~』

あらすじ・概要 両親が離婚し、小さなアパートの一室に引っ越してきた著者と母親。母子家庭でお金がなく、父親からの養育費もしっかり支払われない。ときに食べるものがないほどの貧困に襲われ、著者は日々悩む。お金がないせいで友達付き合いもうまくいかな…

発達障害者が読んだら身につまされたけれど肯定された気がした―heisoku『ご飯は私を裏切らない』

あらすじ・概要 中卒、29歳。派遣のアルバイトを転々とし、何とか食いつないでいる主人公。そんな主人公の楽しみは、食べること。いくらをトーストに乗せたり、パウチのおかゆを袋のまま食べたり。料理をし、食べながらぐるぐると思考は回る。食事を通して底…

団地という場所でたくましく育っていく子どもたち―松田奈緒子『スラム団地』

あらすじ・概要 幼少期を団地で過ごした著者。そこは、訳ありの子どもたちや大人たちが暮らす場所だった。自らも借金を抱えた父親と付き合いつつ、トラブルや悩みを抱えていてもたくましく生きていく団地の人々を描くコミックエッセイ。

双極性障害の生活の悩みに質疑応答形式で答える―南中さくら『みんなの双極症 日常の悩みから最新知識まで』

あらすじ・概要 うつと躁の気分の波を繰り返し、生活に困難をきたす双極性障害(双極症)。最新の研究結果を踏まえ、薬の知識、生活や日常の悩み、恋愛や人間関係、逸脱行為への対処などを質疑応答形式で書く患者と家族のための本。

事実婚夫婦が「お互いに無理しない」結婚生活のために話し合い分担し合う―水谷さるころ『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している』

あらすじ・概要 お互いに過去の結婚生活に失敗し、「事実婚」という形で再婚した著者夫婦。無理をしない、言いたいことは言う結婚生活を目指すも、その道のりは平坦ではなく……。家事、子育て、日常の事務手続き、親戚との付き合いなど、夫婦はどう分かち合え…

自閉っ子の親が専門家の協力を得て「できること」を増やしてあげることに挑戦―たなかれもん『自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング:ハイタッチから広がるコミュニケーションの世界』

あらすじ・概要 自閉スペクトラム症のサンちゃんとその家族。サンちゃんの強いこだわりやわがままに家族が振り回され、主導権を握られてしまっていた。専門家の協力を得て、サンちゃんが「できること」を増やし、人とのコミュニケーションを取れるようにする…