ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

生物学

唐沢孝一『都会の鳥の生態学–カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』中公新書 感想

あらすじ・概要 大都会には多くの野生の鳥が暮らしている。わざわざ人間の近くに巣をつくるツバメ、ソメイヨシノの蜜を吸うスズメ、生ごみを漁るカラス、小さな鳥を狙う猛禽。鳥たちの多様でしたたかな生存戦略を紹介するとともに、人間と都市に暮らす動物た…

【美味しい絶滅危惧種のために市民ができること】海辺建三『結局、ウナギは食べていいのか問題』

あらすじ・概要 多くのアジア人に食されていながら、絶滅の危機に瀕しているウナギ。100年後もウナギを食べ続けるために何をすればいいのか。ウナギの科学者が、Q&A形式でウナギの疑問に答える。今までの固定観念を払拭し、科学的な観点からウナギを守る方…

海の哺乳類を解剖する生物学者の日常と、生き物の不思議―田島木綿子『海獣学者、クジラを解剖する~海の哺乳類の死体が教えてくれること』

あらすじ・概要 日本には、実は多くの海の生き物が漂着(ストランディング)している。海の哺乳類を解剖し研究することが仕事の著者が、解剖の仕事や海の生き物の不思議を紹介する。生物学者は何のために解剖をし、どのように体の中を観察するのか……。 科学を…

実際に培養肉を研究する学者が語る培養肉の将来性と課題―竹内昌治・日比野愛子『培養肉とは何か?』

あらすじ・概要 畜産による環境汚染や、動物福祉の問題から注目され始めた培養肉。日本国内で培養肉の研究を行っている著者が、研究の進捗状況とこれからの課題、さらには培養肉を研究するメリットを語る。「動物を殺さない肉」が描き出す、未来の社会とは………

動物園の動物を暮らしやすくしてあげたい―sirokumao『クマが肥満で悩んでます 動物園のヒミツ教えます』

あらすじ・概要 各地域の動物園を支援するボランティア団体に所属している著者。著者は動物園の何気ない風景に隠れている「動物が暮らしやすくなる工夫」について、絵とコラムで紹介する。動物を動物園で飼育する意義、そして動物園の動物の幸せとは何かを考…

動物園の獣医さん、ヤクザゲームで詠む俳句、ナースの仕事は大変。 最近読んだ、見た作品5つ(20211107)

熊倉献『春と盆暗』 ちょっと不思議な短編集。 うーんあまりぴんとこなかったです。つまらないというより作者の語りに乗れなかった感じ。相性の問題ですかね。 春と盆暗 (アフタヌーンコミックス) 作者:熊倉献 講談社 Amazon 犬養ヒロ『獣医さんが教える動物…

アゲハチョウはなぜ決まった道を飛ぶのか、研究者が科学的に調べてみた―日高敏隆『チョウはなぜ飛ぶか』

あらすじ・概要 子ども時代の著者は、アゲハチョウが決まった道を飛ぶことに気づいていた。なぜなのか。研究者になった著者はアゲハチョウの道について調べ始める。何度も実験を繰り返し、見えてきたアゲハチョウの習性とは……アゲハチョウ研究をテーマにした…

生きるために化石を発掘していたら古生物学に貢献していた―北神諒『コミック版世界の伝記 メアリー・アニング』

あらすじ・概要 海辺の町で育ったメアリーは、生活のために海辺で拾った化石を売っていた。いくつも大きな化石を発掘したことから、彼女の働きは古生物学の研究を促進した。しかし女性であり身分も低い彼女は、公の場では顧みられることが少ない。それでも彼…