ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

翻訳

犯罪を繰り返した少年が罪を犯さないよう矯正される―アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』

今日の更新は、アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』です。 あらすじ・概要 15歳のアレックスは暴力、盗み、強姦など、破滅的な犯罪を繰り返していた。ある老女の家を襲ったときに当局に捕まり、謎のプログラムを受けさせられる。それは、アレッ…

ミソジニスト男を首ちょんぱする悪女―オスカー・ワイルド『サロメ』(光文社古典新訳文庫)

今日の更新は、オスカー・ワイルド『サロメ』です。 友人がFGOのサロメについて話していたので読んでみました。 あらすじ・書籍概要 ヘロデ王の娘サロメは、牢につながれた預言者ヨカナーンと出会う。彼に好意を持つサロメだったが、ヨカナーンは彼女を罵倒…

世界観が魅力的! 海外ファンタジーおすすめ8選

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、海外ファンタジーのおすすめ記事です。 海外ファンタジーは日本のものとはまた違った世界観で面白いんですよね。今回は、国を問わず楽しかったファンタジーをまとめてみました。 『バーティミアス』ジ…

孤独な少年が心の中に他者を受け入れる―キャサリン・パターソン『テラビシアにかける橋』

今日の更新は、キャサリン・パターソン『テラビシアにかける橋』再読感想です。 あらすじ・書籍概要 絵を描くのが好きなジェシーは、隣に引っ越してきた、ちょっと変わったところのある少女レスリーと仲良くなる。ふたりは川向こうの土地に、「テラビシア」…

魔術都市プラハとグラッドストーンの墓泥棒―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 中』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 中』です。 これまでの記事はこちら。 性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』 かっこいい危機と自業自得な危機と―…

こんなことってある!? うならされた本―カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』

今日の更新は、カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』です。 あらすじ 上海の租界で育った主人公クリストファー・バンクス。彼は探偵となって謎の失踪をとげた両親を探していた。あまたの難事件を解決して上海に戻ってきた彼は、そこで両親の失踪…

かっこいい危機と自業自得な危機と―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』の感想です。 前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com 巻が進むにつれて表紙のポーズが変わるのかっこいいですね。 あらすじ 敵に捕まってしまったバーティミアス。…

性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝』の再読感想です。 あらすじ ジンのバーティミアスを召喚したのは、十二歳の少年魔術師ナサニエル。彼は自分に恥をかかせた魔術師に復讐すべく、バーティミアスにアミュレットを盗…

ひとりの男の性欲が生んだ美しい地獄―ドット・ハチソン『蝶のいた庭』感想

今日の更新は、ドット・ハチソン『蝶のいた庭』です。 あらすじ 背中に蝶の入れ墨を入れた少女たちが保護された。そのひとりであるマヤという少女は、警察に事情を聴かれるが、巧みな話術で何度も警察官たちをけむに巻く。根気強く彼女の語りを聞く中で、お…

恋愛脳の主人公に厳しい周囲の人たち―チャーリー・N・ホームバーグ『硝子の魔術師』

今日の更新はチャーリー・N・ホームバーグ『硝子の魔術師』です。 タイトルはダブルミーニング。 前回の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ セイン師のもとで、紙の魔術の修行をするシオニー。彼女が見学していた紙の工場が、何者かによって…

ちびででぶな少年が、お父さんと旅がらす ウルズラ・ウェルフェル『火のくつと風のサンダル』再読感想

昔好きだった本を読んでいくシリーズ。今回は子どものころ好きだった児童書。 あらすじ ちびでふとっちょのチムは、誕生日プレゼントにお父さんとの旅をプレゼントされる。夏休みに徒歩で旅に出た二人は、靴を修理しながら村や町を渡っていった。お父さんは…

変人に描かれているシャーロックはやっぱり変人 アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作』感想

あらすじ 見知らぬ男とルームシェアをすることになった、元軍医のワトソン。同居人シャーロックは、警察の捜査に協力する諮問探偵だった。やがて毒殺事件が起こり、シャーロックはその解決に乗り出す。

ロックスターの吸血鬼の語りは嘘か真か アン・ライス『ヴァンパイア・レスタト 上』感想

吸血鬼ものの作品を読むシリーズ。 あらすじ 眠りから目覚め、ロックスターとなったヴァンパイア・レスタト。彼は自伝を書き始める。老ヴァンパイアから血を与えられ、吸血鬼となった彼は、超常的な力と財力を得る。

時代によってコロコロ変わる「死刑」の意味 バーバラ・レヴィ『パリの断頭台 七代にわたる死刑執行人サンソン家年代記』感想

こないだ読んだサンソンの新書が、面白かったけれど若干感情的に過ぎる気がして、もう一冊読んでバランスを取ろうと思いました。 honkuimusi.hatenablog.com 書籍概要 七代にわたってパリで死刑執行人を担当してきたサンソン家。フランス革命を中心に、彼ら…

シュールなユーモアと絶望の合わせ技 パク・ミンギュ『カステラ』感想

あらすじ タヌキゲームにはまってしまったインターン先の社員、何でも入る冷蔵庫、宇宙人の襲撃を受けている農地……。ごく普通の日常にシュールな題材を交え、絶望とユーモアをもって人間を描き出す短編集。

リンカーンは復讐のために杭を手に取った セス・グレアム=スミス『ヴァンパイアハンター・リンカーン』感想

最近読んでる吸血鬼ものの中で一番イロモノっぽい題材だ……。 あらすじ 吸血鬼に母親を殺され、復讐を誓ったエイブラハム・リンカーンは、ヴァンパイアハンターとして吸血鬼を屠っていく。しかしエイブは、奴隷制があるかぎり吸血鬼を滅ぼすことはできないと…

謎めいた展開から、読者を突き放す G・J・チェスタトン『木曜の男』感想

いくつかのブログで紹介されていたので気になった本です。 いや~読むのが難しかった。 あらすじ 無政府主義者の団体の幹部「木曜」になった主人公は、そこで奇妙な体験をする。そこにちらつく自分たちのボス「日曜」の存在。果たして彼は何者なのだろうか。

船に乗り込んだ謎の紳士は吸血鬼だった ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム 上』感想

吸血鬼小説を読んでいくシリーズ。作者は『氷と炎の歌』の人なんですね。 あらすじ 事故で船を失った船長アブナーは、謎の富豪に出資を持ちかけられる。彼は船を作り、共同経営者になりたいと言う。「フィーヴァ―ドリーム」と名付けられた船は旅立った。しか…

オスカルは吸血鬼少女に何ができるのか ヨン・アイヴィテ・リンドグヴィスト『MORSE モールス 下』感想

吸血鬼小説を読んでみるシリーズ1-2。 あらすじ 連続殺人事件の容疑者として捕まった男。しかし警察は彼と対話することができなかった。一方オスカルは、エリの正体を打ち明けられる。近々ここを去るというエリに対して、オスカルはどうするのか……。

人々は狂気をどう見たか セイバイン・ベアリング=グールド『人狼伝説 変身と人喰いの伝説について』感想

人狼や吸血鬼について調べてみたくなったので借りてきた本です。 でっかい図書館はいろんな本が置いてあるから楽しい。 書籍概要 人間が狼に変身し、人々を襲うという「人狼」。そのルーツには人間から動物への変身にまつわる神話があった。人間の人喰いへの…

謎の少女がいじめられっ子の隣に引っ越して来る ヨン・アイヴィテ・リンドグヴィスト 『MORSE モールス 上』感想

ら 吸血鬼小説を探していて、Yahoo知恵袋の似たような質問に載っていた作品を入手しました。 しかし日本の小説はあまり上がってなかったですね。あるにはあるんでしょうが。 あらすじ いじめられている少年、オスカルの隣に引っ越してきたエリ。オスカルは神…

第二次世界大戦を生きた英国執事の栄光と悔恨 カズオ・イシグロ『日の名残り』感想

READING STYLEの企画「バースデー文庫」で入手した11月8日の本です。 【BOOK】当店オリジナルフェアの中でも展開当初から好評いただいているバースデー文庫。同じ誕生日の作家を本を読むきっかけにしてほしいという思いから生まれたこの企画。ご友人やご家…

クモ神の息子、自分の持つ奇跡の力に気づく ニール・ゲイマン『アナンシの血脈 下』感想

あらすじ 婚約者を寝取ったスパイダーを追い出そうと、鳥の女の力を借りたチャーリー。しかし、それには大きな罠が隠されていた。スパイダーを助けるために、チャーリーは秘められた神の力を発揮する。

クモ神の息子、兄弟に人生をめちゃくちゃにされる ニール・ゲイマン『アナンシの血脈 上』感想

クモはわりと平気ですが、でかいのになるとつらくなってきますね。この辺では大きいクモはめったに出ませんが。 益虫だから積極的には殺せません。 あらすじ チャーリーの父が死に、チャーリーは自分の父親がクモの神アナンシだったことを知ります。自分の兄…

現実を侵食する全体主義 ジョージ・オーウェル『一九八四年』感想

訳者あとがきによると、この本は「読んだふりをしてしまう本」として有名だそうな。聖書みたいなものでしょうか……。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/07/18 メディア: ペ…

終末世界の謎生物の真実とは 『METRO2033 下』感想

『METRO2033 下』を読みました。 分厚いので結構手こずりました。 Metro2033 下 作者: ドミトリーグルホフスキー 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/06/21 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 26回 この商品を含むブログ (7件) を見る あらすじ 長い…

モスクワの地下鉄でサヴァイヴせよ ドミトリー・グルホフスキー『METRO2033 上』感想

『METRO2033 上』を読みました。 これもSF好きの友人にすすめられたもの。 Metro2033 上 作者: ドミトリーグルホフスキー 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/06/21 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 85回 この商品を含むブログ (9件) を見る あらす…

詐欺で世界中を飛び回ったティーン フランク・アバネイル『世界をだました男 Catch Me If You Can』感想

『世界をだました男』を読みました。 以前映画を見た『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の原作です。 honkuimusi.hatenablog.com 映画がどのくらい創作なのか気になったので読んでみました。 世界をだました男 Catch Me If You Can (新潮文庫) 作者: フ…

児童向けで始める海外文学6選

「海外の文学に触れてみたいけれど、ハードルが高い」そんな人におすすめなのが子ども向けに翻訳・編集された海外文学です。子ども向けであるだけあって、読みやすくできています。今回は、児童向け海外文学のおすすめポイントと、個人的に好きな本を紹介し…

スチームパンク+バイオ技術 スコット・ウェスターフェルド 『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』感想

『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』を読みました。 お友達がすごくはまっていたので興味を持った本です。 リヴァイアサン: クジラと蒸気機関 (ハヤカワ文庫SF) 作者: スコットウェスターフェルド,Scott Westerfeld,小林美幸 出版社/メーカー: 早川書房 発…