ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

『問題社員の正しい辞めさせ方』新田龍 リチェンジ 感想

あらすじ・概要 パワハラ、サボり、セクハラなど、職場の困った人たち。しかし、その人たちを合法的に辞めさせようとするのは困難が多い。労働法の事例を紹介しつつ、あくまで遵法的に困った社員との付き合い方、辞めさせ方を模索する。 問題社員でも辞めさ…

『寺よ、変われ』高橋卓志 岩波新書 感想

あらすじ・概要 「葬式仏教」と言われ、儀礼的な葬式や法事の運営に終始している日本仏教。著者はそんな仏教に不満を感じ、寺に人を呼んだり、ボランティア活動に参加したりして新しい仏教の形を模索する。仏教を支えていたイエ制度が崩壊する中で、今の仏教…

『ファンが増えるインスタの教科書』金山拓夢 総合法令出版 感想

あらすじ・概要 画像と動画が主体のSNS、Instagram。著者はそこでのプロモーションの仕方や自分のファンになってもらう方法を教える。Instagramでビジネスをやるこつ、面白いと思ってもらえるテクニックとは。 そんなに手軽に稼げてたまるかだけど、内容は面…

『にわか姫大夫の宮中事情~男装女官のお仕事』小田菜摘 ビーズログ文庫 感想

あらすじ・概要 女性ながらに弓や乗馬をし、男勝りの女性として地元で有名だった梢子。彼女は宮中に上がり、男装の女官姫大夫として天皇に仕えることとなる。そこでは尚侍失踪事件が起きていた。好色な今上帝の求愛を交わしながら、梢子は尚侍の行方について…

『はじめてのフェミニズム』デボラ・キャメロン ちくまプリマ―新書 感想

あらすじ・概要 フェミニストはなぜ対立し、意見が分かれるのか。フェミニズムの歴史や、それぞれのテーマの意見が分かれる点について、丁寧に解説していく。対立を対立のまま理解し、フェミニズムのこれからを考える、 フェミニズムの抱えるややこしい問題…

『被害者家族と加害者家族 死刑をめぐる対話』原田正治・松本麗華 岩波ブックレット 感想

k あらすじ・概要 殺人事件の被害者の兄と、地下鉄サリン事件を起こした教祖の娘。彼らはお互いに何を感じ、何を語るのか。対話から見えてくる、現代日本の人権の問題、同調圧力やステレオタイプの押し付け。話すことによって問題を捉え直すことを試みる本。…

『地域を変えるソーシャルワーカー』朝比奈ミカ・菊池馨実編 岩波ブックレット

あらすじ・概要 社会的弱者を支えるソーシャルワーカーは、コロナ禍の中どう行動し、何を考えていたのか。ソーシャルワーカーの書いた記事や対談を通して、コロナ禍の中の人々の苦難と、コロナ禍以降の福祉の可能性を語る。 コロナ禍の元でのソーシャルワー…

『神抱く凪の姫~キレ神様、お目覚めにございます~』響野夏菜 ビーズログ文庫 感想

あらすじ・概要 自分の身をもって悪神を封じる娘、沙綾の前に、解放された祟り神、嵐嶺が現れる。封印の影響で慢性的な体調不良になっていた沙綾は、封印が説かれて元気になって大喜び。自分が健康でい続けたいのもあり、嵐嶺のことを構い、彼を悪神でなくし…

『ミモザの告白3』八目迷 ガガガ文庫 感想

あらすじ・概要 勝ち気で短気なクラスメイト、西園。女の子として生きることにした汐のことも受け入れることができず、攻撃的な態度を取る。西園はクラスのプレイボーイ世良といさかいをして暴力を振るってしまう。過去にも問題を起こした西園は、退学の危機…

『女たちの韓流――韓流ドラマを読み解く』山下英愛 岩波新書 感想

あらすじ・概要 韓国ドラマのストーリーには、フェミニズムやジェンダー観の変遷が現れている。韓流ドラマの大ファンの著者が、韓流ドラマの歴史を追いながら、韓国の女性たちにとっての韓流ドラマを語る。 生き生きとした韓国ドラマとジェンダーの批評 何よ…

『キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 夫のアメリカ駐在についていったオタク妻は、そこでアメリカの文化に適応するため苦労する。子どもの教育のこと、夫の仕事のこと、日本人同士のつきあいのことなど、アメリカで暮らした人にしかわからないエピソード盛りだくさんのエッセイ。…

『おこぼれ姫と円卓の騎士』石田リンネ ビーズログ文庫 感想

あらすじ・概要 上の兄弟の政争の影響で、王位を継ぐことになった「おこぼれ姫」は、その政治的立場の危うさから気を遣う毎日を過ごしている。ツィアは、まだ誰の騎士でもない青年、デュークに自分の騎士になるよう要求する。 主人公がいやいやながら政治を…

『オタクな主婦がBL同人小説を打って夢を叶えた話』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 ダウンロード形式の同人コンテンツを売れるDLsite。そこでBL小説を売ることに挑戦した著者が苦労や過程を語る。自分の作品を買ってもらうため、プロモーションするには何ができるかを考える。 乙女ゲームを作ってみたかったけれど手間の問題…

『ルポ 高学歴発達障害』姫野桂 ちくま新書 感想(と自分語り)

あらすじ・概要 高い知能を持ちながら、日常生活や仕事に困難を抱える高学歴発達障害の人々。自身も発達障害である著者は、高学歴発達障害の人々に取材し、その悩みについて耳を傾ける。今苦しんでいる人、苦しみから抜けて居場所を見つけた人、それぞれの現…

『執筆中につき後宮ではお静かに 愛書妃の朱国宮廷抄』田井ノエル ポプラ文庫ピュアフル 感想

あらすじ・概要 小説家になりたい女性、青楓は、妹の代わりに後宮に上がることになる。執筆に集中したいのだが、後宮の陰謀に巻き込まれてしまう。皇帝のお召し(肉体関係はない)のこともあり、周囲に嫉妬されたり、反感を買われたりで……。 才色兼備だけど…

『JK、インドで常識ぶっ壊される』熊谷はるか 河出書房新社 感想

あらすじ・概要 家庭の事情でインドに移住することになった著者家族は、インドの文化の違いにカルチャーショックを受ける。インドの宗教や食文化、貧困や犯罪の問題。やがで著者はボランティアサークルに所属し、そこでの活動から社会のと関りや、社会にとっ…

『ミモザの告白2』八目迷 ガガガ文庫 感想

あらすじ・概要 咲馬と無理やりキスしてしまった汐(うしお)。それ以来ふたりはぎくしゃくしてしまう。そんな折、文化祭で「ロミオとジュリエット」の劇を上演することになり、咲馬と汐はロミオとジュリエットの役をすることになる。クラスメイト、星原も含…

『報道被害』梓澤和幸 岩波新書 感想

あらすじ・概要 事件のときに巻き上がる、被害者家族や近隣の人への報道被害。過剰な報道はどのように生まれ、どう人々を侵害するのか。報道被害への研究を通して、マスメディアが本当に報道すべきことは何か見えてくる。マスメディアと人々の関係を書いた本…

『発達障害 思春期からのライフスキル』平岩幹男 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 できないこととできることに差がある、空気が読めない、聴覚や嗅覚が過敏である……。さまざまな困難を抱える発達障害の人々。発達障害の若者とその周囲のために、心がけたいこと、工夫すべきことを解説する親書。 広く浅くだが発達障害の困り…

『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録Ⅲ』ロケット商会 電撃の新文芸 感想

あらすじ・概要 懲罰勇者一行は第二王都へ向かう。そこでまた、やっかいな仕事を任されるが、侮蔑の対象である懲罰勇者は他の人間たちの協力を得るのも難しい。一方で、人間たちも、魔王現象に従うものと抵抗を続ける者とで分断され始めていた。 自分のこと…

『トルコ 建国一〇〇年の自画像』内藤正典 岩波新書 

あらすじ・概要 イスラーム国唯一の世俗主義を掲げ、今日まで存在してきたトルコ。その内側には、宗教と政権の対立、クルド人をはじめとする国内のマイノリティへの苦悩が渦巻いていた。国内外の困難と、それに立ち向かおうとするトルコの人々。ニュースでは…

『ミュージアムを知ろう 中高生からの美術館・博物館入門』横山佐紀 なるにはBOOKS別巻 感想

あらすじ・概要 人々に美術や文化、歴史を学ぶきっかけをくれるミュージアム。学芸員や芸術家たちは、展示の可能性を模索してきた。一方で、美術館や博物館には、負の歴史もあった。ミュージアムのいままでとこれから、そして展望を書く。 ミュージアムの過…

『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』ロケット商会 電撃の新文芸 感想

あらすじ・概要 勇者となることが刑罰として扱われている世界。懲罰勇者のザイロは、なりゆきで魔王討伐の武器である「女神」と契約してしまう。ザイロたち懲罰勇者は、絶望的な作戦を任される。 ろくでもない男たちが魔王を倒す ろくでもない男ばっかり出て…

『ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える』西田宗千佳 講談社現代新書 感想

あらすじ・概要 新しい動画視聴の方法である、各種サブスクリプションサービス。ネットフリックスを中心に、それらのサービス誕生の歴史をたどる。インターネットが変えた、コンテンツ視聴の文化とは……。 各種サブスクサービスの勃興の話 すごく凝った内容が…

『さわっておどろく! 点字・点図がひらく世界』広瀬浩二郎 嶺重慎 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 見ることに困難がある視覚障害の人たち。その人たちが情報を得るため、点字というものが考案された。視覚障害について知ると、他の人たちが見える世界に縛られていることに気づく。文化人類学者と天文学者というふたりの著者の視点から「さわ…

『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』岡田尊司 角川新書

あらすじ・概要 発達障害のある人の伴侶がうつや不安障害になってしまうカサンドラ症候群。しかし、家族の声に耳を傾けてみると、発達障害以外の問題を抱えていることは少なくない。親との関係、職場とのストレス、そして、定型発達のはずの伴侶の事情など、…

『病が分断するアメリカ――公衆衛生と「自由」のジレンマ』平体由美 ちくま新書 感想

あらすじ・概要 先進国で最も新型コロナウイルスの被害が大きかったアメリカ。アメリカの反ワクチンや反マスクの思想から、アメリカの分断を語る。アメリカに蔓延する医療、政治への不信感の原因とは……。 公衆衛生に反抗する人たちの事情 楽しい内容の本では…

『有権者って誰?』藪野祐三 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 「選挙に行こう」と呼び掛けてくる大人たち。しかし実際のところ、選挙に行こうとする有権者というのはどのような存在なのか。有権者の定義から、どのような瞬間が有権者の心を動かすのかまで、選挙を学ぶ学生向けの本。 どんな行動が有権者…

『<超・多国籍学校>は今日もにぎやか! 多文化共生って何だろう』菊池聡 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 横浜市には、外国の人、あるいは外国にルーツのある人々が暮らす団地がある。そこにある小学校もまた、外国籍の子どもや親が外国籍の子どもたちを受け入れている。多様な文化を持つ人々を受け入れ、一緒に暮らしていくための、小学校の取り組…

『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』上村陽治 岩波ブックレット

あらすじ・概要 市民の生活を守るはずの行政の現場で、非正規公務員たちが雇用の不安定さや賃金の少なさにあえいでいる。公立学校の非常勤講師や婦人相談員などの例を上げ、これからの行政での雇用を考える本。 待遇の差と雇用の不安定さの間であえぐ 単純作…