ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

強烈な個性を持つダンス教師の数奇な過去とは―米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』

あらすじ・概要 ダンサーの道を諦めて翻訳家になった広世志摩は、かつてチェコスロバキアの学校でオリガ・モリソヴナという教師に出会った。強烈な個性を持ち、多くのダンサーを育てた彼女の謎を解くために、志摩はロシアを訪れる。親友カーチャとオリガの数…

現代に流行りやすい感染症とは―井上栄『感染症 増補版 広がり方と防ぎ方』

あらすじ・概要 何度も人類を危機にさらしてきた感染症。どんなときに感染症は広がるのか? 感染症の種類や伝播する過程を紹介し、正しく対処する方法を語る。感染症をきちんと恐れ、科学的知識で戦う本。

虚言癖のある母親を訴え返して学校と部活の無実を証明する―福田ますみ『モンスターマザー 長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの戦い』

あらすじ・概要 長野の丸子実業高校で、バレーボール部の男子部員が自殺した。母親、高山かおりはいじめが原因だと怒り狂い、高校を相手取って裁判を起こす。だが、母親の主張のほとんどは虚言だった。丸子実業は逆に母親を訴え返し、部員と学校の無実を証明…

なぜあの会社のCMは女性の反感を買ったのか―瀬地山角『炎上CMでよみとくジェンダー論』

あらすじ・概要 企業が練って制作しているCM。しかし、それが特定の層の反感を買い「炎上」してしまうことがある。なぜ、そんなことが起こるのか。それは性別への固定観念がありありと描かれているからだ。ジェンダー的背景を解説し、炎上するCMのパターンを…

マジョリティの価値観で書かれた発達障害本ってつらいな―岡田尊司『自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命』

あらすじ・概要 先天的なものであり、治癒が難しいとされてきた自閉スペクトラム症。しかし最近の研究で、発生には環境要因が強いことがわかってきた。自閉症の子どもを支えるため、親や周囲は何をすればいいのか。最新の情報とともに、周囲ができる治療方法…

アラサー男と悪魔娘のくっつかない食事小説―天那光汰『おひとりさまでした。~アラサー男は、悪魔娘と飯を食う~』

あらすじ・概要 アラサーのサラリーマン誠一郎は、偶然悪魔を召喚してしまう。彼が悪魔に願ったのは、「一緒に飯を食うこと」。かくして悪魔娘リリスは、誠一郎が「誰かと飯を食いたい」と思った瞬間に現れ、彼のおごりで食事を共にするようになる。ふたりは…

高校教師とそれを騙す女の子の年の差百合―あいだ『好き、大嫌い、好き』

あらすじ・概要 高校教師で同性愛者である美彌は、出会い系アプリでナナカという大学生と出会う。19歳との年の差、ナナカのまっすぐさに後ろめたさを感じつつ、美彌はナナカに惹かれていく。しかしナナカには秘密があった。

最近読んだ・見た作品5つ(20210511)

辻直美『レスキューナースが教える新型コロナ×防災マニュアル』 コロナウイルスの感染予防と防災について、やるべき行動を教えてくれる本。 身近なもの、簡単な行動でコロナウイルス対策をする方法を教えてくれます。 ただ防災要素はそこまで多くないので、…

半人外少年探偵と彼に飼われる小物青年の怪奇ミステリ―路生よる『地獄くらやみ花もなき』

あらすじ・概要 宿を失くしネットカフェを泊まり歩いていた遠野青児は、罪を犯した人間が妖怪の姿で見えてしまうという力があった。彼は不思議な館に迷い込む。そこにいたのは不思議な少年、西條皓(さいじょう・しろし)。彼は鬼の代わりに罪人を地獄へ送り…

最近見た・読んだ作品5つ(20210503)

ねこじま『美大生がうつ病になった話 卒業目前でうつ病になった大学生が、美大で病まない方法を考えてみた』 うつ病になった美大生の著者が、自分なりに病まない方法を考えるコミックエッセイ。 うつ病TIPSが多いけれど、私はもともとうつについて調べていた…

男同士の距離が近い話なのに主人公がホモフォビアなのつらいわ―嬉野君『金星特急1』

あらすじ・概要 「金星と結婚すれば、この世の栄華は思いのまま」絶世の美女金星に一目ぼれした錆丸は、金星の花婿を選ぶ金星特急に乗り込む。しかしその列車からは誰も帰ってきたことがなかった。列車に乗り合わせたユースタス、砂鉄と一緒に、錆丸は花婿候…

子どもっぽい雰囲気の作品にお色気描写入れるのやめよう―からて『押し入れの中のダンジョンクラフト』

あらすじ・概要 高校生の「僕」は寮の押し入れの中にダンジョンが広がっていることに気づく。そこにいたのは、死んだはずの妹、あーちゃんだった。あーちゃんと一緒にダンジョンを発展させていく僕だったが、そこには不穏な侵入者が現れる。あーちゃんはなぜ…

入れ替わって魔女になってしまった冴えない少女の成長譚―古戸マチコ『ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを』

あらすじ・概要 新しい靴を手に入れたら、わがままな魔女ベファーナと体が入れ替わってしまった主人公、仮の名はルナ。元の姿に戻るためには、ワルプルギスの夜、黒猫とダンスを踊らなくてはいけないらしい。ダンスが魔法の力を持つ世界で、ルナはベファーナ…

デビュー作が打ち切りになったラノベ作家の救いとは―望公太『ラノベのプロ!2 初週実売1100部の打ち切り作家』

あらすじ・概要 勢いでプロポーズしてしまったことから幼馴染の結麻とぎくしゃくしてしまう陽太。ちょっとしたことでも意識しすぎてしまう。そんな中、陽太の自称弟子である小太郎のデビュー作の販売が振るわず、打ち切りが決定してしまう。陽太は小太郎をど…

アイデアはいいけど減点要素が多すぎる―エイドリアン・マッキンティ『ザ・チェーン 連鎖誘拐』

あらすじ・概要 シングルマザーのレイチェルは、ある日娘のカイリーを誘拐される。それは「チェーン」と呼ばれる数珠つなぎの誘拐事件で、レイチェル自身も子どもを誘拐しなければカイリーは解放されないという。レイチェルは元夫の兄弟であるピートを巻き込…

27歳の女子高生と恋に落ちた少年が頑張る―望公太『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?~好きになったJKは27でした~』

あらすじ・概要 痴漢から助けたことから、織原姫という女の子と知り合った桃田薫。彼女に一目ぼれした桃田は、お礼を理由に会う。しかし彼女は、女子高生の格好をした27歳だった。ふたりはお互いの価値観や話題の差に悩みつつも、惹かれあい恋人になりたいと…

最近読んだ・見た作品5つ(20210418)

野宮レナ 『おはヨウム! ロッコちゃん』 インコの仲間、ヨウムを飼っている家庭のコミックエッセイ。 うーんいまいち印象に残らない本でした。テキスト量が多いわりに情報が多い気がしません。 絵柄はかわいいんですけどね。 おはヨウム! ロッコちゃん (コ…

最近読んだ作品まとめ5つ(20210415)

道満清明『ニッケルオデオン 赤』 漫画短編集。 ほのぼのとした絵柄とは裏腹にグロかったりダークなネタも多いです。すごくエキサイティングというわけではないけれど、空き時間にさくっと読むのにはちょうどいい感じです。 あと読者さん向けの情報なんです…

ラノベ作家がある野望のためにお金を稼ぐ―望公太『ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家』

あらすじ・概要 アニメ化がこけたライトノベル作家、神陽太は、税金対策として幼馴染の結麻をアシスタントとして雇った。彼の元には天才肌の高校生作家や、中二病の中学生作家がやってくる。「売り豚」として売れるラノベを追求する陽太が、金にこだわるある…

最近読んだ本まとめ5冊(20210409)

読んだけど1記事立てるには短かったり、感想に書くことが少なかったりな本をまとめました。 『学校では教えてくれない大切なこと1 整理整頓』旺文社編 子ども向けに整理整頓の方法を漫画で説明する本。 内容は悪くないんですが、ギャグシーンが動物虐待じ…

伏線とその回収がすごいSFホラー―貴志祐介『天使の囀り』

あらすじ・概要 新聞社の企画のアマゾン旅から帰ってきた高梨は、徐々に「死」に執着するようになり自殺してしまった。高梨の恋人だった早苗は、高梨と道中を共にした学者たちが次々に不可解な自殺をしたことを知る。彼らは「天使の囀り」を聞いたという。早…

お針子女官が側室候補になって王宮を救う―小野はるか『宮廷女官ミョンファ 太陽宮の影と運命の王妃』

あらすじ・概要 太陽宮の針房部で女官(お針子)として働いていた明花(ミョンファ)は、女官の最高位、向宮を目指していた。しかしすったもんだのあげく王の承恩向宮(側室候補)になってしまう。王である韓眞(ハンジン)はお飾りの王だったが、彼と交流す…

転生ものをリアルに書くとこうなる―小東のら『転生者の私に挑んでくる無謀で有能な少女の話1』

あらすじ・概要 神童と呼ばれる少年、ジークはいつもテストで100点を取っていた。そんなジークに対抗心を燃やす天才少女アーニャは、テストがあるたびにジークと対決しては負けている。しかしジークには、「前世の記憶がある転生者」という秘密があった。ジ…

登山部の中で主人公が一番恋愛脳―細音啓『ほま高登山部ダイアリー』

あらすじ・概要 高校に入学した冬馬は、勇気を出して中学時代のクラスメイト、縁(ゆかり)に告白する。しかし縁に「登山が好き」と勘違いされてしまい、なし崩しに登山部に仮入部する。登山部は、変人奇人の集まりだった。新入生歓迎も兼ねた四月の登山に向…

生理用品の歴史から女性解放の歴史がわかる―田中ひかる『生理用品の社会史』

あらすじ・概要 女性に月一回訪れる月経。その不快感を減らしてきたのが生理用品だ。戦前までの女性たちの月経対策や、日本初の生理用ナプキンアンネナプキンの誕生、布ナプキンを巡るイデオロギーと効果まで、日本の生理用品の歴史を追いながらジェンダーに…

イラストレーターふたりが広大で愉快な北京を旅する―まのとのま『無敵の北京』

あらすじ・概要 ふたり組イラストレーターコンビ、まのとのまの今度の旅行先は中国・北京。本場の中華料理に舌鼓を打ち、天安門広場で人ごみに流され、急勾配の万里の長城を必死で登る。中国のニッチでディープな情報をイラストと文章で紹介する。

発達障害「の傾向がある」人たちはどう生きるか―林寧哲・OMgray事務局監修『大人の発達障害 グレーゾーンの人たち』

あらすじ・概要 「発達障害かな?」と疑問を持ち病院を受診しても、「傾向があります」とだけ言われてしまう人々。彼らは福祉サービスを受けられず、さりとて定型発達とはどこか違う生きづらさを抱えている。グレーゾーンの特徴を述べながら、どう生きれば楽…

ディープな沖縄旅行イラストエッセイ―まのとのま『無敵の沖縄』

あらすじ・概要 ふたり組のイラストレーターユニット、まのとのま。彼らが向かったのは沖縄。沖縄の料理をたっぷり食べたり、琉球王国の城郭を巡ったり、国際通りの裏路地を歩いたり。イラストと文章で、ディープな沖縄を紹介する旅行エッセイ

大阪で収集した怖くて不思議な話―田辺青蛙『大阪怪談』

あらすじ・概要 大阪には、さまざまな怪談がある。天王寺駅にいる幽霊、堀江の侍姿の亡霊、ぬいぐるみを拾った男性が助けられた話。大阪の歴史や伝承に触れつつ、著者が大阪を拠点にZOOMやSkypeを駆使して収集した怪談集。

女ことばの歴史はことばとイデオロギーの関係を表している―中村桃子『女ことばと日本語』

あらすじ・概要 小説の中や映画の中で女性が話している「~よ、~だわ」という口調。しかしながら、この話し方をする女性は全国的に見てもそれほど多くはない。なぜ、フィクションの中でこのような話し方が流布しているのか。「女ことば」の歴史を追いながら…