ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

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【ツッコミどころもあるがまあ楽しめた】竹宮惠子『地球へ…』感想

あらすじ・概要 遠い未来、人類は成長段階やエリート非エリートで区分され、それぞれの星やコロニーで暮らしていた。育英都市で育ったジョミーは、ある日不思議な力に目覚める。彼の目の前に現れた人々は、彼のことを新人類「ミュウ」だと告げる。ミュウとし…

【フォロワーやバズはSNSマーケティングの必須のものではない】飯高悠太『僕らはSNSでモノを買う SNSマーケティングの「新法則」』

あらすじ・概要 今や生活の一部となっているSNS。マーケティングの担当者として、企業はSNSで何を発信していくべきなのか。SNSの到来で変わった価値観、有効な宣伝方法を会話形式で書いた本。 シェアしたい、誰かにおすすめしたいというコンテンツを作る 逆…

【少女漫画大好きなスポーツ少女が、漫画家を料理でサポート】仲村つばき『漫画家先生とメシスタント』感想

あらすじ・概要 運動能力が高くボーイッシュな見た目でありながら、少女漫画が好きであることに引け目を感じている少女、ときわ。彼女は父が経営しているアパートに憧れの少女漫画に大好きな少女漫画の作画と原作者が暮らしていることを知る。得意の料理を生…

【文化人類学者がろう者の世界に飛び込んだら違いだらけだった】亀井伸考『手話の世界を訪ねよう』感想

あらすじ・概要 ろう者の世界を想像するときに、つい「聞こえなくてかわいそう」という思考になってしまう。しかし著者がろう者の世界に飛び込んだところ、そこでは豊かなコミュニケーションがなされていた。ろう者のための言語、手話を紹介しつつ、健常者と…

【お酒、ゲーム、ギャンブル。当事者が描く依存症啓発漫画】三森みさ『母のお酒をやめさせたい』

あらすじ・概要 ある日から、家族の様子がおかしくなった。暴力的になったり、罵倒をしたり。うそを繰り返して家族を裏切る。それはどうやら、依存症が原因らしい。ギャンブル依存、ゲーム依存、アルコール依存など、さまざまな依存症を取り上げ、家族や本人…

【女性同士のカップルが囚われのパートナーを救って社会を救う】小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』

あらすじ・概要 夫婦で昏魚(ベッシュ)と呼ばれる魚を獲る世界で、女同士の漁師として生きていこうとするテラとダイオード。自分たちが生きられる場所を探すふたりだが、ダイオードが彼女の生まれた氏族、ゲンドー氏にさらわれてしまう。テラはダイオードを…

【都市遺跡で迷っていたら謎の人型知性体と出会いました】田中ロミオ『人類は衰退しました3』

あらすじ・概要 衰退した人類が暮らす「わたし」の村に電気がやってきた。「ヒト・モニュメント計画」によって盛り上がる村だが、妖精さんたちはどこかに行ってしまう。そんな折、「わたし」は都市遺跡の調査中に迷子になってしまう。機能を停止した都市の中…

【影武者少女の、つかの間の家族関係とその終わり】須賀しのぶ『帝国の娘』

あらすじ・概要 山奥の村で、狩りをして生活していたカリエは、ある日エディアルドという男に誘拐され、アルゼウス皇子の影武者になれと迫られる。しぶしぶ皇子としての教育を受けたカリエは、次の皇帝を選ぶ「皇子宮」へと向かう。そこではカリエも含む4人…

【元気なお年寄りとそれに振り回される家族をユーモアを交えて描く】オチョのうつつ『しゃんしゃん婆ミツコ御年90歳!』

あらすじ・概要 一家のおばあさん、ミツコ。90歳を超えても、家事をやり、重たいものを持ち運び、孫たちと交流している。元気だけれどちょっとわがままで個性的な老人ミツコの姿を、振り回される家族の視点から描いたエッセイ。 元気すぎて元気出る 日頃高齢…

【プログラマーやエンジニアのための同人活動指南】親方project『技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ』

あらすじ・概要 技術書典やコミケなどの即売会で、「技術同人誌」が注目されるようになっている。技術、特に工学系の分野で、同人誌を作るのにはどうすればいいのか。執筆の心構えから、原稿の作り方、イベント当日にやるべきことまで、技術同人誌の出し方が…

【精神の病の診断を受けて迷走するが仕事に救われる】渡辺河童『うつでも介護士:崖っぷち人生、どん底からやり直してます。』

あらすじ・概要 自営業として働いていた著者は、ある日うつ病になる。何度か自殺未遂を繰り返したものの、訪問看護やヘルパーの人々に助けられる。自分も資格を取ってみようと、学校に通い始めるのだが……。 コミュニケーションを取ることによって自分を知る …

【美味しい絶滅危惧種のために市民ができること】海辺建三『結局、ウナギは食べていいのか問題』

あらすじ・概要 多くのアジア人に食されていながら、絶滅の危機に瀕しているウナギ。100年後もウナギを食べ続けるために何をすればいいのか。ウナギの科学者が、Q&A形式でウナギの疑問に答える。今までの固定観念を払拭し、科学的な観点からウナギを守る方…

【カクヨム発、サスペンスと魔法のファンタジー】春間タツキ『聖女ヴィクトリアの考察 アウレスタ神殿物語』

あらすじ・概要 聖女に選出された理由が不当であると追放されかかった聖女ヴィクトリアは、アドラスという騎士に出会う。彼は、幽霊や精霊が見えるヴィクトリアに「自分が皇子でないことを証明してほしい」と頼んだ。アドラスとともに行動しながら真実を調べ…

【親を世話する苦しみとおかしさをブログにつづる】カータン『健康以下、介護未満 親のトリセツ』

あらすじ・概要 著者の父はある日視力を失い、母はその視力を失った父を支えていた。しかし介護する・支えられるという関係のストレスからか、ふたりに認知症の傾向が現れる。著者は姉と協力して、思うようにいかない親夫婦を通いで介護するようになる。介護…

【仕事とストレスに疲れた日には染みる】白野アキヒロ『社畜OLと悪魔ショタ』感想

あらすじ・概要 ブラック企業に勤めるOLは、思い詰めるあまり悪魔を召喚してしまった。しかし現れたのは年若い少年の姿の悪魔だった。悪魔ながら優しく親切で、自分のことを大事にしてくれる彼に、OLは癒されていく。 ご都合主義の作品だけど漫画がうまい 徹…

男女バディミステリかと思ったら百合要素がすごかった―喜多みどり『亜夜子と時計塔のガーディアン 秘密のお茶会』

あらすじ・概要 イギリスに渡り、スタグフォード校に通うことになった亜夜子。スタグフォード学園の優等生であるレジナルドに助けてもらうが、彼は命の恩人であることを盾に亜夜子をフォグ(下僕)にしてしまう。レジナルドにこき使われるうちに、亜夜子は学…

神々や動物が語る、アイヌの生活、信仰、世界観―知里幸惠編訳『アイヌ神謡集』

あらすじ・概要 アイヌ民族でありクリスチャンでもあった知里雪惠は、アイヌの人々が歌い継いできた神謡をローマ字で表し、さらに日本語訳した。神々や動物たちが語る、アイヌの人々の生活、そして信仰や世界観とは……。

死にかけの女性にガチ恋する主人公が世界を救う―橘公司『王様のプロポーズ 極彩の魔女』

あらすじ・概要 瀕死状態の女性に一目惚れした少年、無色。無色はその最強の魔術師女性彩禍と融合してしまった。彩禍を守るため、魔術師の学校に入学することを受け入れた無色は、最強の能力に戸惑いながらも彩禍として生活する。 リアリティはないが作品の…

発達障害の夫が壊れかけた家族を再構築する―遠藤光太『僕は死なない子育てをする 発達障害と家族の物語』

あらすじ・概要 大学を出てすぐに若くして結婚し、子どもをもうけた著者。しかし強いうつ症状に襲われ、復帰と休職を繰り返してしまう。家族がばらばらになりそうな中、著者は自分が発達障害であることを知った。発達障害の特性を考えながら、家族を再構築し…

食品アレルギーの子どもを育てる上での悲喜こもごも―カラスヤサトシ『0歳からのアレルギー戦記~牛乳・卵・小麦がダメ!』

あらすじ・概要 結婚して子どもをもうけた著者。しかしその子どもには食品アレルギーがあった。アレルゲンを含む食品を避けたり、気軽に他人と食事できなかったり、アレルギーの子どもと暮らすことは大変なことも多く……。 食品アレルギーの子どもと暮らす人…

「わたし」が小さくなって大冒険―田中ロミオ『人類は衰退しました2』

あらすじ・概要 妖精さんが作った計量スプーンを手に入れた「わたし」。それを頭につっこむと、みるみるうちに体が小さくなった。「わたし」は小さいまま外の世界で大冒険をする。「わたし」と「助手さん」の出会いを描くタイムスリップストーリー含む二編を…

子どもになった親のために施設探し―細川貂々『親が子どもになるころに――てんてん、介護問題に直面す。』

あらすじ・概要 漫画家の著者にはひとり暮らしの父がいた。仕事を続けまめに掃除をし、生活を続けていた。しかしあるときから認知症の兆候が見え始め、施設に入れることを考え始める。施設探しの日々、ままならない父親の行動を描きながら、子どもが老いた親…

ダウン症の子育てを明るいコメディタッチで描く―たちばなかおる『ユンタのゆっくり成長期 ダウン症児を育てています』

あらすじ・概要 長男として授かった赤ちゃんはダウン症児だった……。行政や福祉の力を借りつつ、発達がゆっくりの子どもを家族で見守る。ダウン症の子育ての理不尽なところ、うまくいかないところを描きながらも、コメディタッチで進行するコミックエッセイ。

採集や狩猟をして暮らし、のちに迫害された北海道の先住民たち―時空旅人編集部『今こそ知りたいアイヌ 北の大地に生きる人の歴史と文化』

あらすじ・概要 かつて東北から北海道、樺太や千島列島にかけて暮らしていた民族、アイヌ。北の大地で、狩猟と採集の生活をしていた人々とは……。その宗教観や、食べ物や着るものなどの文化、そして日本との歴史を一冊にまとめた本。 日本に似ているようでが…

東京の「女性の貧困」を追う上で見えてきたもの―中村淳彦『東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか』

あらすじ・概要 かつてアダルトビデオや風俗のライターをしていた著者は、女性編集者と組んで東京に住む人々の貧困を取材する。風俗で働く女子大生、生活がままならないシングルマザー、障害年金で暮らす障害者など、困窮する女性たちは今何を語るのか。 正…

魔者と人、血のつながらない存在同士の関係性を描く―田井ノエル『おちこぼれ退魔師の処方箋 常夜と現世の架橋』

あらすじ・概要 鴉との出会いから一年が経った咲楽は、常夜の生活にも順応していた。そんな中、帰宅途中で男性を襲おうとしている旧鼠を見つけた。同じころ、七色鱗という魔者から、自分の珊瑚を探してほしいという依頼を受ける。

「自分らしく」生きられる社会はなぜこんなにも苦しいのか―宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』

あらすじ・概要 昔より多様性が認められ、自由になったはずなのに、なぜ現代社会は生きづらいのか……。現代の社会学者や過去の哲学者の著作を紐解き、現代社会の「断絶」の解説に挑む。思索することで見えてきた、政治への不信感や虚無感の正体とは。

体は男だが性辞任が女の王女様が男でも女でもない妖精に恋をする―黒井あがさ『ロイヤル・ガーデンの友人』

あらすじ・概要 男性の身体を持つが性自認は女の王女、マイルス。公務のときは男性の格好で、プライベートは女装して過ごしている。そんなマイルスの友人は、男か女かわからない白の妖精、オウ。マイルスはオウに恋心を抱くが、性別のないオウはその感情に応…

3つの宗教が混じり合う聖地へ―りえぞう『イスラエルに行ってみた 旅行記コミックエッセイ』

あらすじ・概要 バックパッカーとしてイスラエルに行ってみたいと思っていた著者。しかしイスラエルに入国後、敵対する国に行けなくなる場合がある。アラブの他の地域を巡ったあと、ようやくたどり着いたイスラエルは、3つの宗教の対立を象徴するような場所…

毒親から生き延びた人が励まし合うようなコミックインタビュー集―菊池真理子『毒親サバイバル』

あらすじ・概要 アルコール依存症の父と宗教にハマった母を持つ著者は、大人になってから自分の家庭が普通ではないと気づく。著者は自分以外の「毒親」を持つ人々に取材し、そのエピソードを漫画にすることにした。劣悪な家庭環境をサバイブしてきた人々の、…