ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

コミックエッセイというより実話をもとにしたギャグ漫画感ある―弾正よしかげ『心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父』

心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父 (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

突然不整脈を起こし、病院に行ったら即入院することになった著者。闘病の日々をコミカルに描く。また著者には、「生きたいように生きる」という価値観に影響を受けたパワフルな祖父がいた。心臓の手術をした闘病記と、実家の祖父との交流を描いた二本立てコミックエッセイ。

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大国の思惑に振り回される、政情が不安定な国視点で歴史漫画を描いたら―池田理代子『天の涯まで ポーランド秘史』

天の涯まで~ポーランド秘史(1)

 

あらすじ・概要

ポーランド国王の甥、ユーゼフは母親に愛されず、鬱屈した日々を送っていた。折しもポーランドは政情が不安定な中、領土拡大を狙う周囲の国々の圧力や干渉に悩まされていた。ユーゼフは国の将来を憂い、ポーランドを自立した国にしたいと思う軍人の青年に育っていく。

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最近見た漫画・本・動画・テレビ番組など10つ(20220917)

記事を立てるほどではない感想のまとめです。

 

 

川原泉『バビロンまで何マイル?』

合理的な女子高生、月森仁希といくつもの民族の血が混じる少年、真船友理は幼なじみ。二人はか子どものころ、ノームという小人を助けたことがあった。高校生のふたりの前に現れたノームは不思議な指輪をくれた。その指輪は時空を超えることのできる指輪だった。

合理的でかわいげのない女子高生が主人公、そして彼女が時空を超える、という展開が面白かったです。

ルネッサンス期の乱世のイタリアを舞台にしたドラマも魅力的でした。シリアスな雰囲気にどこかすっとぼけたふたりがうろうろするのが笑えて来ます。

ただ、打ち切りなのか第一部完! というところで終わっています。シリーズが続いていたらもっと楽しめたでしょうね。

 

池田理代子『パラノイア・ズライカ』

KindleUnlimitedから。

一見少し繊細なだけの普通の女子高生、とみ子。しかし彼女は男性を見ると「彼は自分に恋をしている」と思い込むくせがあった。複数の女性の視点から語られる、とみ子という女性の奇妙で過激な人生。その思い込みの源泉とは……。短編二編を収録。

「パラノイア」は読んだ後嫌~な気持ちになる作品でした。後味が悪いです。口の中が苦い。

「ズライカ」の方はあまりストーリーに興味が持てなくて可もなく不可もなくという感じでしたが、コマ割りや構図は美しいと思いました。

 

大日野カルコ『意識低い系ヨガのすすめ ヨガを始めたら自分を好きになれました』

自己嫌悪やネガティブにさいなまれていた著者は、たまたま始めてみたヨガによって「フラットな自分」の心地よさを知る。ヨガを習う日々のことや、ヨガを始めて変わったこと、自分でできるちょっとしたヨガなど、意識が低い人間なりのヨガとの付き合い方を紹介する。

ヨガによって健康になったこと、前向きになったことなど内容自体は悪くなかったんですが、ヨガ教室で周りの人の体形を気にする著者に引いてしまいました。いや、友達の愚痴や雑談としてそういう話を聞くのはいいんですが、出版物として公にするのはどうかと思います。

「ヨガ教室って他人の体形気にする人いるんだ……」と思ったら行きづらくなるじゃないですか。

 

ぬまがさワタリ『ぬまがさワタリのいきものガタリ』

KindleUnlimitedから。

カピバラ、ゾウ、動物と円にまつわる話など、解説イラストレーターのぬまがさワタリ氏が単行本未収録の動物図説や、pixivFANBOXの特典画像をKDP(Kindle自主出版)にまとめた一冊。

ブログで読んだ内容も多いですが、サクッと読めてためになる内容で面白いです。あと前より背景色が薄くなったのが助かります。黒文字に濃い背景だったときは読みにくくて……。

未収録のものをまとめた雑多な本なので一冊の作品としてはまとまりがないですが、ぬまがさワタリ氏が好きならおすすめです。著者ははてなブロガーでもあるのではてなブログに興味がある人にも。

 

ねほりんぱほりん「復興活動から離れた人」

2011年の東日本大震災。さまざまな人々が復興に向けて立ち上がり、奔走していた。しかしその活動に疲れ、故郷から去る人々もいた。今回は復興活動から離れた女性ふたりにねほりんぱほりんがインタビュー。

ずっと前に録画して見るのを忘れていたプログラム。

本当に慈善活動はいつまでも続けられるものではないなと思います。登場するふたりは今でも故郷を愛してはいますが、それだけでは復興に力を注ぎ続けることはできなかった。

努力しても報われない現実と、それでも前に進んでいけるのだという希望が同時に語られた回でした。

 

吉田了『吸血鬼の食卓』

KindleUnlimitedから。

人間の上流階級に紛れて暮らしている吸血鬼たち。彼らは「餌」と呼ばれる人間を従えるのがステイタスである。餌となった人間たちと、不死の吸血鬼たちとの交流を描いた連作短編。

絵がきれいだしまとまってはいるとは思いますが、もう一声ほしかった内容でした。寿命差ものはありがちなだけに何か飛びぬけたものがほしいと思ってしまいます。

不死なのに人間社会に紛れ込める理由や、ステイタスとしての餌のよさもいまいちよくわからなかったのもマイナスでした。

 

夜職とメンタル疾患について、原因から治療法まで具体的に解説します【精神科医が一般の方向けに病気や治療を解説するCh】

夜職、いわゆる水商売やセックスワーカーの人たち。彼女らはメンタル疾患を抱えている場合も多くみられる。早稲田でメンタルクリニックを営む医者から見た彼女らの事情を語る。

「(世間的にはいいと思われない仕事でも)努力して社会に適応しようとした結果」というのが心に来ますね。福祉的援助に恵まれなかった、それでも頑張って夜の仕事をしたということは評価されてもいいと思います。

ただいつまでも続けられる仕事ではないので、出口戦略は必要なのでしょう。


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吉野あすも・武濤洋『「ただの空気」が吸えなくなりました。~化学物質過敏症で無職になった話~』

ある日突然たばこの残り香や香水、柔軟剤のにおいでせきが出るようになった主人公。症状は徐々に悪化し、頭痛や気持ち悪さも伴うように。どうやら化学物質のにおいに反応して体調不良が起こっているようで……。

化学物質過敏症ではないものの、嗅覚過敏なので何か参考になるかと思って読んでみたのですが、情報以前に漫画としてあまり面白くなかったですね。

安易な無添加賛美、無農薬賛美も気になりますし。

ただ世の中なんでもいいにおいがすればいいと思ってる、というのには全力で同意します。少しはにおいについて敏感になってほしい。

 

下駄華緒・蓮古田二郎『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常』

KindleUnlimitedから。

火葬場職員として就職した青年、下駄華緒。グロデスクな洗礼を受けながらも、日々火葬場で奮闘していく。炉の熱気で熱い中、きちんと遺体を燃やし遺骨を取り出していくだけの作業だが、ときには事件が起こることもあり……。

内容自体は面白いですが、描写が俗っぽいのでいろいろな意味で一歩引いて見てしまいました。盛ってない? わざと残酷に描いてない? という。

創作要素(多分)であろう職員同士の恋愛模様もいらなかったですね。

ただ火葬のために行われる過程や、火葬場の炉のしくみなどは興味深かったです。

 

マサト真希『まいごなぼくらの旅ごはん』

失職中の楓太は、死んだ父親の残した食堂「風来軒」で食いしん坊の女子ひよりと出会う。風来軒が常連たちの生活を支えていたことを知った楓太は、この食堂を再興したいと強く願う。強い味覚と驚異的な胃袋を持つひよりを相棒に、店のメニューを考えるための旅に出る。

岩手・北海道のローカルネタがバンバン出てきて、ローカルネタ大好きな身としては楽しかったです。ひよりの豪快な食べっぷりもよかったです。

ただ、ご都合主義な展開が多かったのはマイナスです。特に出会ったばかりの男女がいきなり経営者として相棒になったり、ホテルの同室に泊まったりするのはあまりにもお互い警戒心がなさすぎるかと。年頃の男女としてリアリティがなさすぎましたね。

 

ゴミを回収する毎日の中から世の中を見る―滝川秀一・滝川友紀『ゴミ清掃員の日常』

ゴミ清掃員の日常【電子版限定特典ゴミ清掃員のつぶやき170P超収録】 (コミックDAYSコミックス)

 

あらすじ・概要

売れない芸人の著者。そんな著者が始めたのはゴミ収集の仕事だった。日払いOK・副業OKのその仕事で生活を安定させることができた。しかしゴミ清掃員の仕事を続けるうちに、ゴミを通して社会のことを考えるようになる。ゴミ出し、回収から見えてくる、人々の生き方とは……。

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悩みを抱える人々が甘味処を訪れ少し元気になる―中山有香里『泣きたい夜の甘味処』

泣きたい夜の甘味処 (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

傷つき悩む人々の前に現れる、熊と鮭が営む甘味処。その店で甘いものを食べると、少し心が楽になる。マフィン、梅酒ゼリー、パウンドケーキなど、さまざまなお菓子と人生の苦楽が込められた連作短編。

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呪われた男が老けない女に出会って夫婦になる―D・キッサン『三千世の心中』

三千世の心中【ペーパー付】 (コミックジンガイ)

 

あらすじ・概要

富豪の家に生まれた山室真一は、自分が「厄」を持っており、自分の子を産んだ女性は死に至ることを知る。家を出てその呪いから救ってくれるという三千世という女性と出会うが、彼女は老けず、ものを食べなくても死なない体の持ち主だった。行き場のない者同士ともに暮らすうちに、真一は三千世を愛するようになる。

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北欧フィンランドにあこがれた著者がその国で寿司職人を目指す―chika『北欧こじらせ日記』

北欧こじらせ日記

 

あらすじ・概要

20歳のときにフィンランドを訪れ、「ここに住みたい」と思った著者。それから何度もフィンランドを旅行し、北欧に関する仕事に就き、ついには「フィンランドで寿司職人になりたい」と望むようになる。夢を叶えるため、ときに寄り道をしながらも、著者は道を進んでいく。

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最近読んだ漫画、見た動画5つ(20220830)

 

さとうみゆき『母といろんなところにいってきました』

KindleUnlimitedから。

老後を迎えた母をいろいろなところに連れて行ってあげたい。近場のまったり旅や、アルパカのいる牧場での散策、湯治、かつて住んでいた街をふたたび尋ねるなど、母娘で旅をするコミックエッセイ。

まったりとした雰囲気で癒されるコミックエッセイでした。派手さがなく、地味な場所が多いところもいい。

一番好きなのは母親がかつて住んでいた街を訪ねる回ですね。「あのころ」を思い出す著者の母親の姿が印象的でした。

 

 

ドキュランドへようこそ「KARAOKEが私を変えた―フィンランドカラオケ物語―」

NHKの録画。

北欧の国フィンランド。そんなフィンランドにも日本のカラオケは伝播している。市井の人々が、それぞれの葛藤や悩みを抱きながら、カラオケバーやカラオケイベントの舞台に立つドキュメンタリー。

タイトルから明るいドキュメンタリーを想像していたのだけれど、実際のところ人生のビターな部分が多く含まれた作品でした。洋楽の「ピアノマン」を思い出すような作風です。

なかなか夜が明けないフィンランドの冬の風景も相まって、暗い夜道を明かりをつけて歩くような話でした。

「人生にはままならないことが多いからこそ、自分の自由になる部分はせめて思うままに生きたい」という登場人物の言葉が印象的でした。

 

 

【激レア】映画予告のプロが明かした"魅せる動画"の作り方/ゲームさんぽ×SaintsRow

SaintsRowというゲームのPRを依頼されたゲームさんぽチーム。裏社会系、不良集団系のそのバカゲーの素材をプロに映画予告風に編集してもらい、映画予告ができるまでの過程を学びつつゲームのプロモーションもしてしまおうという企画。

映画予告の裏事情もぶっちゃけて話していて笑ってしまいました。複数のスポンサーの利害が交じり合う製作委員会からあれこれ言われる面倒くささについて(言葉を選びつつも)話してくれたのはうれしかったです。

この手のゲームは全然遊ばないんですが、映画予告のプロが予告を作ると一気に映画っぽくなる不思議。

声優さんが声を当てるシーンも入れてくれたのはさらにうれしいですね。


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【旅行計画】イギリスに行ったら見たいアートBEST6

あつ森美術館編で登場した国立西洋美術館の研究員、川瀬佑介氏がイギリスに行ったら必ず見たい価値のある美術作品を紹介。絵から見るイギリスの歴史とは。ゲームさんぽがゲームをやらない番外編。

カルチャーセンターで4000円くらい出さないと聞けないような話。講義レベル。タダでいいんですかこれが。

イギリスの文化に迫る難しい話でありながら、対談形式なのでラジオのように聞ける気安さもよかったです。

持病があるし環境の変化が苦手であまり海外には行けないんですが、こうして外国の文化を紹介してもらえると異国に思いを馳せることができます。

絶対に面白いのでいろんな土地、いろんな題材でやってほしいです。

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たかぎなおこ『へなちょこ手作り生活』

不器用ながらDIYが好きな著者。何度も失敗を繰り返しながら、シューズ入れ、棚、樹脂粘度のマグネット、梅干しなどを作っていく。コミックエッセイと写真で送る手作り体験記。

特別なことは描いていないけれどしっかり面白かったです。やはり著者のコミックエッセイのうまさはとびぬけていますね。

作ってよかった! という肯定感だけではなくうまくいかなかったことも含めて描かれているのが共感できました。

多少不格好でも自分で作ったものには愛着がある、という手作りならではの感情も好きでした。

 

貧困母子家庭で育った著者の実録貧乏生活―やまぐちみづほ『明日食べる米がない!~親が離婚したら、お金どころかなーんにもなくなりました!!~』

明日食べる米がない! ~親が離婚したら、お金どころか、なーんにもなくなりました!!~ (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

両親が離婚し、小さなアパートの一室に引っ越してきた著者と母親。母子家庭でお金がなく、父親からの養育費もしっかり支払われない。ときに食べるものがないほどの貧困に襲われ、著者は日々悩む。お金がないせいで友達付き合いもうまくいかないことが多く……。

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透明なコップに入った透明な水飲まされてる気分だった―蜷川ヤエコ 『刀剣乱舞 外伝 あやかし譚』

刀剣乱舞 外伝 あやかし譚【特典イラスト付き】 (ぜにょん)

 

あらすじ・概要

平安時代に時間遡行した三日月宗近たち一行は、そこで玉藻前という妖怪が鳥羽上皇を呪い殺そうとしていることを知る。その妖狐は退けたものの、本丸の刀たちは次々に怪異や妖怪に出くわす。これは時間遡行軍の陰謀なのか……。

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