ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

発達障害者が読んだら身につまされたけれど肯定された気がした―heisoku『ご飯は私を裏切らない』

ご飯は私を裏切らない (角川コミックス・エース)

 

あらすじ・概要

中卒、29歳。派遣のアルバイトを転々とし、何とか食いつないでいる主人公。そんな主人公の楽しみは、食べること。いくらをトーストに乗せたり、パウチのおかゆを袋のまま食べたり。料理をし、食べながらぐるぐると思考は回る。食事を通して底辺貧困女性の生活を描く。

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エッセイ漫画家が骨髄ドナーになって体験した感情―水谷さるころ『骨髄ドナーやりました!』

骨髄ドナーやりました! (ヤングキングコミックス)

 

あらすじ・概要

献血好きの気持ちが高じて骨髄ドナーにも登録していた著者。そんな著者の元に、骨髄ドナーマッチング成立の手紙がやってくる。入院までの検査や準備、手術と病院生活、骨髄提供後の暮らしなどを、コミックエッセイにして語る。骨髄提供の真実と、面白さとは……。

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北欧神話を元にしたオペラをオリジナル要素を交えてコミカライズ―池田理代子・宮本えりか『二―ベルンクの指輪』

ニーベルンクの指輪(1)

 

あらすじ・概要

青年ジークムントは、敵の部族の長の妻の女性ジークリンデと恋に落ち、関係を持ってしまう。そのことを怒った婚姻の女神が主神ヴォーダンに進言し、ジークムントは殺されてしまう。しかしヴォーダンの娘ブリュンヒルデはジークリンデを助け、逃がしてやった。ヴォーダンは自分の命令に背いた娘に罰を与えなければならなくなった。

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団地という場所でたくましく育っていく子どもたち―松田奈緒子『スラム団地』

スラム団地 (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

幼少期を団地で過ごした著者。そこは、訳ありの子どもたちや大人たちが暮らす場所だった。自らも借金を抱えた父親と付き合いつつ、トラブルや悩みを抱えていてもたくましく生きていく団地の人々を描くコミックエッセイ。

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三国志のオタクが推しのために中国に渡り名所めぐり―杜康潤『杜康潤のトコトコ三国志紀行』

杜康潤のトコトコ三国志紀行

 

あらすじ・概要

三国志が大好きで、三国志のことを調べるために中国へ留学までした漫画家、杜康潤。著者が中国旅行で巡った三国志ゆかりの土地や、三国志についてのテーマパークの内容を、コミックエッセイ形式で語る。巨大な中国では移動するだけで一苦労で……。

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日常の中で男女が何気ないことで悩んだり救われたりする短編集―斎藤なずな『鳥獣草魚』

鳥獣草魚

 

あらすじ・概要

離婚後家に迷い込んだインコをかわいがっていたが、誤って踏みつぶしてしまった男。主人公と彼は当てのない旅に出かけ、そこであるものと出会う。男と女、家族生活、劣等感や優越感何気ない日常の悩みと救いを描いた漫画短編集。

 

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【東京3人暮らし・PTA・台湾への旅】最近読んだ本・漫画のまとめ5冊(20220804)

 

 

たかはしみき『ますます! 東京ひよっ子3人暮らし ~イヤイヤ大魔王降臨!試練の2さいくん編~』

東京で子育てをしながら暮らす著者。多忙な夫に代わり、基本的には著者が子育ての担当。2歳になった息子はイヤイヤ期を迎え、なだめたりいらだったりしながらも必死に反抗期に付き合っていく。

イヤイヤ期って大変なんだな~というのがまずひとつ。いらだったり愚痴を吐いたりしながらなんとか乗り切った著者はすごいです。

母親べったりになってしまったときの夫の悲哀、そして成長に伴い家庭に変化が少しずつ現れていくところもよかったです。家族は変化をし続けるんですね。

 

細川貂々・大野裕『ツレと貂々、うつの先生に会いに行く』

うつを経験した「ツレ」とその妻でツレのうつ病を漫画化した著者が、精神科医、大野裕と話してうつの治療や家族の心構えを取材。うつのことがわかるコミックエッセイ。

内容としては基礎的なものですが、漫画になっているので読みやすくはあります。

絵柄がかわいい。

 

まついなつき『まさか私がPTA!?』

KindleUnlimitedで読了。

シングルマザーだった主人公は、ひょんなことからPTAに関わることとなり、その面倒くささと存在意義について考える。著者が自分の体験談をもとに描いたフィクション。

わりとPTAに肯定的な内容のため、「PTA滅ぶべし」と言うタイプの人はがっかりするかもしれません。

しかしなんだかんだ、子どもを通して地域に関わること、保護者として学校をサポートすること自体は「悪いことではない」というのが重要なのだと思います。それが非効率な運営でなされているのは問題だけれど。

人はひとりでは生きてはいけない。それは面倒くさいことでもあり救いでもある、という話でした。

 

日高トモキチ・玉川数『里山奇談 めぐりゆく物語』

人と自然が交じり合う場所、里山。そこで起こった不思議な出来事、動植物の不思議な話、神々や妖怪の言い伝え、ちょっと怖い話などをまとめた怪談集。

著者の知り合いにそういう人が多いのか、昆虫採集を趣味としている人のエピソードが多かったです。虫の不思議な話というのは初めて聞いたので新鮮でした。

ただ、収録されている怪談の内容はかなりピンキリで、怪談どころか不思議な話ですらないだろうというものも多かったです。

ネタや語り口自体はいいんだけれども、物語の取捨選択や編集にはもうちょっとこだわってほしいところです。

 

水谷さるころ『ボンクラ隊が行く!おいしい台湾食べたいわん』

漫画家水谷さるころとその夫、ノダD、ふたりの息子、さるころの弟が四人で台湾を巡り、台湾の町や夜市を歩きながらひたすら台湾グルメを食べつくす旅行記コミックエッセイ。

本当に食べているシーンばかりのコミックエッセイでいした。少しお参りやクルーズの話題が出てくるだけ。すごい。

ただ著者の夫婦生活のエッセイを読んだ後だと、この台湾旅行の中でもいろいろあったんだろうなあ……と察してしまいます。

あと本当に著者の息子が大人しい子ですごかったです。こんな素直な赤ちゃん珍しいですね。

 

事実婚夫婦が「お互いに無理しない」結婚生活のために話し合い分担し合う―水谷さるころ『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している』

どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。 (幻冬舎単行本)

 

あらすじ・概要

お互いに過去の結婚生活に失敗し、「事実婚」という形で再婚した著者夫婦。無理をしない、言いたいことは言う結婚生活を目指すも、その道のりは平坦ではなく……。家事、子育て、日常の事務手続き、親戚との付き合いなど、夫婦はどう分かち合えばいいのか考えるコミックエッセイ。

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母親から祖父に預けられた孫はカメラを通して成長していく―うず『くそじいじとカメラと私』

くそじいじとカメラと私 (主任がゆく!スペシャル)

 

あらすじ・概要

高校生になった杏は、「彼氏と住む」と言う母親に家から追い出され、父の家で暮らすことになる。「娘の子育てに失敗した」と後悔している祖父は、せめて杏はまともに育てようと心を砕く。そんな中、杏は部活動として写真をすることとなった。その先生として祖父がやってきて……。

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魔女たちが暮らす街にやってきた、人間社会育ちの魔女が人助け―唐草ミチル『魔女ヶ丘通信』

魔女ヶ丘通信 (主任がゆく!スペシャル)

 

あらすじ・概要

人間の村で暮らしていた魔女、マノンは人間と魔女が共存する街ウェネリーフィカにやってきた。初めて見る自分以外の魔女との交流にカルチャーショックを受けつつ、マノンはウェネリーフィカで生きていく術を見つける。それは、お菓子を作って売ることだった。

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