『ファミリーポートレイト』を読みました。
あらすじ
5歳のコマコは、母親マコとともに旅をします。老人ばかりの村、奇妙な風習のある港町、豚を育てて屠る集落……いつまでも一緒にいられると思っていたコマコ、しかし別離は突然訪れます。母を失ったコマコの「余生」とは……。
長い長い親子という鎖
正直どきどきわくわくするような面白さではないです。どちらかというと呪われている本という感じがします。やっぱり桜庭一樹は作風が変わりましたね……。
面白くなかったかというとそんなことはなく、表現することの苦しみや、家族というつながりの幸せと不幸がよく表された作品だったと思います。それに現実と妄想があやふやになるような描写がプラスされて、混沌に投げ出されたような気分になりました。
小説家が小説家を書くと、自虐めいたものを感じることがあるのですが、これもそういう小説なんでしょうかね。あまり勘ぐりすぎるのも何ですが。
ただあまりおすすめしにくい作品ではありますね。長いし、表現も独特ですし。逆に尖った作品を探している人には向いているかもしれません。
まとめ
面白かったけれど万人向けではないですね……。じっくり腰を据えて、「変な」小説を読みたい人におすすめだと思います。
文字を書くことは闇ですね。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/02/25
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