ブックワームのひとりごと

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世界の見え方で世界が変わる うえお久光『紫色のクオリア』感想

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紫色のクオリア』を読みました。読書メーターTwitterで評判が良かったので読んでみた作品です。

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

 

あらすじ

人がロボットに見える少女、ゆかり。その友人、学(まなぶ)はそれでもゆかりと仲良くしていたが、連続殺人事件をきっかけに、ゆかりの本当の力を知ってしまう。ゆかりが見ている世界とは……。

百合の皮をかぶったハードSF

すごかったです。ライトノベルでここまでSFが書けるんだなと……。

ゆかりの見ている世界と、学の見ている世界は全く違います。そこに存在するのは抗うことのできない断絶ですが、それでも二人は友達でいられるのですよね……その前向きさにしびれます。量子論クオリアなどの壮大な題材を扱っていながらも、最終的には二人の関係に帰結するというミクロさが逆に好きです。

若干おどろおどろしい部分もあるので、ほのぼのを期待すると裏切られますが、その裏切られた部分すらよかったです。シリアス要素を前面に出さないあらすじでよかったと思います。

百合要素はありますが、ふんわりなのでそんなに気になりませんでした。これはこれであり。

挿絵の方による巻末おまけも豊富で、うれしいです。

まとめ

すごかったですね。やっぱりライトノベルはやめられません。もっと面白いライトノベルを探していきたいです。