電子の積読を消化しようというシリーズ。こちらも楽天koboのクーポンで買ったもの。
オノ・ナツメは初挑戦です。有名だけど読んだことはなかった。
各話感想
『長靴』
ワイン農家のお父さんと、離婚して別居している息子の話。
お父さんのツンデレっぷりがいとしいです。素直になれない男心というやつですね……。
キーアイテムである長靴の使われ方が好きです。
『湖の記憶』
孫がタイムトラベルして祖父と父に会いに行く話。
SFな設定ですが内容はしっとりしています。彼がやってきたことで少しは救われたのかな……そうだったらいいですね。
『箱庭』
外国人の婿と義父の話。こちらは舞台は日本。
どちらも悪い人じゃないんですが微妙にかみ合わない感じが好きです。素直じゃないですね。
父親というものはシャイなのかもしれません。
『ジェラテリーアとカラビニエーリ』
お巡りさんとジェラートの話。
とても短い話なんですが、オチにはっとさせられる内容でした。かわいくて、どきっとしました。この中では一番好きです。
『煙』
地震で古城に閉じ込められた兄弟の話。
「分かり合いたくない」という気持ちが前面に出た物語でした。そうですよね。人生分かり合いたい場合だけじゃないですよね。
悲しいけどどこかさわやかでもありました。
『パートナー』
ベテランの警察官と、彼とペアになった新人の話。
ベテラン警察官キースの優しさを感じる話でした。相手のために怒ることができる彼がかっこいいです。
まとめ
派手なところはまったくないんですが、情緒があるというか……何もしゃべらないシーンが雄弁な短編集でした。登場人物がそこで暮らしているだけで、わくわくしたりどきどきしたりします。
人気があるのもわかる漫画家さんです。