『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』を読みました。
久しぶりに民俗学系の文章が読みたくなったのでセレクト。
書籍概要
しめ縄、絵馬、鬼瓦、道祖神。普段何気なく通り過ぎているものたちにも、実はまじないとしての意味があります。実例を上げながら、日常に潜むまじないや、祭りの中のまじないを解説する一冊。
何気ない呪術の世界
著者は神主の一族らしく、実際にまじないをかける側でもあるそうで、そういう人から見た「まじない」というのがなかなか面白かったです。
しかし、日常生活における現代のまじないは結構画一化されている部分が多いようです。たとえば節分の風習はいろんなパターンがあったんですが、今は豆をまいて鬼を追い出すというのはどこも変わらない。それはメディアが発達して、「節分」という固定概念を作り出してしまったからだそうな。
こういう実例を見ると、文化や伝統と言うのは非常にあやふやなものなのだなあと感じます。でもあやふやなもののなかに、普遍性を見出そうというのが民俗学の面白さでもあります。
屍鬼で見た「虫送り」の儀式もあってそこは興味深かったです。この行事は直接見たことがないから想像するしかないんですが、虫退治ではなく「送る」のがポイントなんでしょうね。そこに昔の人の微妙な機微を感じます。
まとめ
久しぶりにこういうの読むと、「どこかで見たけど内容を忘れている」部分が多いですね。やっぱり好きなことは継続して調べないとなあ。
またぼちぼちと民族学の調べ物をしたいです。