『鉄コミュニケイション2』を読みました。
ロボットものって結構人間とそう違わないロボットが出てきたりするんですが、この作品は人間とロボットの違いを深く描いていて面白かったです。

鉄(くろがね)コミュニケイション〈2〉チェスゲーム (電撃文庫)
- 作者: 秋山瑞人,たくま朋正,かとうひでお
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1999/03
- メディア: 文庫
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あらすじ
イーヴァのいたずらをきっかけに、気まずい関係になってしまった二人。二人の関係を修復するため、ロボットたちとハルカはキャンプに出掛けます。しかしその帰り道、ルークの仲間に襲撃され、イーヴァをさらわれてしまいます。記憶を失っているルークの秘密とは……。
違うけれど家族になれる
前巻よりもロボットのギミックが増しているのがわくわくしました。脳をリンクさせて戦ったり、電子ウイルスを仕込んで操ったり、こういう部分はロボット同士のバトルじゃないと見れないので楽しいです。特にナイトの強さはおっかなく、それゆえにかっこよかったです。
一方で、そんなどこまでも違うロボットたちにハルカがコンプレックスを抱いているのも確かです。その辺を無理に解消することなく、コンプレックスを持ちつつも一緒に歩いて行けそうな展開なのがほっとしました。異種間交流はこうでなくてはね。
「ロボットも人間も変わらない」のではなく、別物としてかかわり合っていくところが好きです。
イーヴァの哀しい過去
オチに相当するイーヴァの過去とその心のうちは悲しかったです。でも彼女にもちゃんと救いがあってよかったです。完全なハッピーエンドとは言えないですが、建設的な意味でお別れを選ぶ物語は美しいです。何もかも元通りになるより、きちんと自分と決別したい。これが最善のエンディングだと思います。
つらいことも、けんかもあったけれど、それを踏まえて前に進んでいけるという爽やかな物語でした。作品を通して生きることへの肯定感を感じました。
これからも苦難はたくさんあるだろうけど、この作品のキャラクターならそれを乗り越えて行けそうです。
まとめ
わくわくして、哀しくて、うれしくて、いろんな感情にあふれていて面白かったです。
さすがは長い間評価されるだけの作品です。
ロボット好きな人には楽しめる作品だと思います。

- 作者: 秋山瑞人,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 文庫
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