ブックワームのひとりごと

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退屈嫌いの少女、正妃になる 酒見賢一『後宮小説』感想

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ハーレムが好きです。モテモテな意味じゃなくて、歴史的なものとしての後宮。

今日は『後宮小説』を読みました。

爽やかな下ネタだった……。

後宮小説 (新潮文庫)

後宮小説 (新潮文庫)

 

 あらすじ

先帝が腹上死で崩御し、新たな後宮に銀河という娘が入宮します。好奇心旺盛な彼女は女大学で角先生に気に入られ、正妃となります。しかし王宮には賊軍が迫っており、銀河は王宮を守るため軍隊を指揮するはめに……。

 

明るい下ネタファンタジー

後宮がテーマなだけあって、下ネタが多いです。しかし雰囲気が明るいので、あまりいやらしく感じません。主人公の銀河も恥ずかしがることがないのでえげつないネタもさくさく読めてしまうんですよね。

むごい場面も一部にはあるんですが、そこもあっさり書かれているので悲しくないという不思議な小説です。

それでいいのかと思うんですが、話が荒唐無稽なので、このくらいさらっとした文体のほうがリアリティを追求せずにすんでいいのかもしれません。たぶん生々しさを出してしまうと、銀河の性格や設定に齟齬が出てしまうんでしょうね。

癖のあるキャラクターの数々

この作品で面白かったのが、何よりもキャラクターです。主人公の銀河はもちろん、後宮の仲間たちや敵に至るまで濃い人々でした。

近親相姦を望むあの人とか、最後にいいところ持っていくあの人とか。皇帝陛下もかっこよくて優しくてよかったです。あんまりいいとこ見せれなかったけれど、人格の良さがにじみ出ていました。

個人的に気に入っているのは角先生ですかね……学者キャラって好きなんですよね。自分の哲学を追求することによって後宮にたどり着くのはわけがわかりませんが、読んでいると何か説得力を感じてきます。架空の学問なのに不思議です。

まとめ

サクサク読めて面白かったです。長い間名作と呼ばれているだけありますね。

ライトノベルが好きな人には比較的とっつきやすい作品だと思います。

 

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