運命の人、という言葉はなかなか現実には出会わないけれど、フィクションで見るとやっぱりいいなあ、と思ってしまいますね。
『輪るピングドラム 下』を読みました。
- 作者: 幾原邦彦,高橋慶,星野リリィ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/02/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あらすじ
離散する冠葉、晶馬、陽毬、のきょうだい。冠葉は陽毬の命を救うため、15年前の事件を再現しようとします。はたしてピングドラムの正体は。ピングドラムは誰が手に入れるのか……。
複雑な内容を文章で読めた
ピンドラは終盤になるとかなり込み入った話になるので、こうして文章で読めたのはよかったです。アニメでよくわかってなかった部分がこういうしくみなのかとわかりました。
改めて読んでみると、「十五年前の事件」は地下鉄サリン事件をモデルにしているのがはっきりわかりますね。当時は人に言われて気づいたんですが……。
モデルにしつつ、直接的な描写はないので「なんとなくヤバい」感じがあって、すごく不安になります。こどもブロイラーのシーンも同じように感じました。
描いていることは抽象的だけれど、どこか共感したり現実にあるように思ってしまう描写が怖くて面白いです。
ピングドラムとは何だったのか
ピングドラムとは何だったのか、というのはファンの中では永遠のテーマだと思います。
私は「誰かが誰かを特別に思う気持ち」だと思っています。愛というよりエゴ。登場人物すべてが背負っている業のようなもの。
ヴィンランド・サガに修道士が「誰かを特別に思う気持ちは愛ではなく差別」と言うシーンがあるんですが、あれが私の中のピングドラム像に近いです。
桜庭一樹風に言うと、やっぱり好きって絶望なのかもしれない……。
まとめ
あんまりノベライズというものを好んで読まないんですが、これはすごく面白くて、世界観を広げてくれました。原作アニメが好きなら読んだほうがいいです。
このノベライズ担当の人のオリジナル作品読んでみたいんですが、ノベライズしかないという……。
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