ブックワームのひとりごと

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不可能という言葉をぶっつぶせ 滝川廉治『超人間・岩村』感想

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不可能という言葉は好きですか? 

『超人間・岩村』を読みました。これも一巻完結のライトノベルのおすすめ記事に載ってたんですよね。

超人間・岩村 (SD名作セレクション(テキスト版))
 

 あらすじ

不可能という言葉を嫌い、どんなことにも挑戦する男子高校生・岩村。彼のことを周囲は「超人間」と呼んでいます。彼は生徒会長の弱小部つぶしに対抗し、演劇部に協力することに……。

 

作品を通しての謎の疾走感

主人公の仲間が二人とも男という時点でなかなかストイックな雰囲気を感じさせる今作。しかもイケメンでもないという。表紙を見ればわかりますが、かなり花がないキャラクター構成です。

でも逆に「これが書きたかったんだ」という気概が感じられて好感を持ちますね。

正直あまり文章はうまくないと思うし、つたないところも多いんですが、それを黙らせるだけの強引な疾走感がありました。気づいたら最後まで読んでいました。

まさにデビュー作らしいデビュー作だなあと感じました。ウケを狙ったらなかなかこういう作品は書けない気がします。

たまにデビュー作を読むとこういうおかしくて個性的な作品と出会うから面白いです。

 

続刊がないのが残念

この作品の一番の欠点は、デビュー作だからつたないことではなくて、続刊がないことではないでしょうか。

掘り下げきれていないキャラクターが多いし、伏線ももっと引っ張ったほうが面白かった気がします。

でも新人賞は一巻でまとめてこそだから難しいですね。

ともあれ、万人に進められる内容ではないんですが、個人的に好きな作品です。そういう作品に出合えるのはうれしいことですね。

 

まとめ

正直「上手い」作品ではないけど私は好き! という話でした。

こういう作品に出会えるからライトノベルを読むのはやめられませんね!