ブックワームのひとりごと

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壁に閉ざされた街の真実とは 吉田エン『世界の終わりの壁際で』感想

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Twitterで相互の人が本を出しました。近く(ネットだけど)の人が本を出すというのはすごい時代だなあ。でもやっぱり賞を取るような人は、何かしらとびぬけてるな、という部分があるんですよね。そこがポイントなんだろうなー。

世界の終わりの壁際で (ハヤカワ文庫JA)

世界の終わりの壁際で (ハヤカワ文庫JA)

 

あらすじ

災厄が予言されている日本。一部の人は壁の中で守られ、それ以外は壁の外で細々と暮らしています。ネットゲームで賞金を稼ぐ片桐は、雪子というアルビノの少女と謎の人工知能に出会います。

 

人工知能コーボかわいい

まず最初に主張したいことは謎の人工知能コーボのかわいさ。コーボかわいい。

人間に近づけば近づくほどポンコツになっていくという新しい人工知能モデルを示しています。赤ちゃんみたいだな……。

そんなコーボが片桐と友情をはぐくんでいくのがよかったです。素敵なカバーを買ってもらえるといいですね。

コーボだけではなく女性陣の強さも良かったです。肉体的であれ頭脳的であれ女性がガンガン戦っていく展開好きです。

コーボは女性陣に入れていいのかわからないけど三人称は「彼女」だからいいのかな……。

 

エンターテイメントとしてのSF

ただ、選評でも指摘されているけれど、この小説には哲学的な要素やSFというテーマを通しての社会批判みたいなものはほとんどありません。

でもそれは欠点とは言い切れないと思います。こういうエンタメ色が強い話のほうが読みやすい人も多いだろうし。

確かに古き良き哲学的SFが好きな人には物足りないかもしれませんが……。

ハリウッドのSF映画とか、あるいはSF漫画とか好きな人のほうがこの本は楽しめるかもしれません。

難しい科学知識も必要ないし、SFって難しいと思っている人に読んでほしいですね。

 

まとめ

軽く読めて面白かったです。ライトノベルが好きな人にもとっつきやすいと思います。

コーボが本当にかわいかったです……。何度も言う。

 

ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA)

ヒュレーの海 (ハヤカワ文庫JA)

 
最後にして最初のアイドル

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