この間のKindleポイント還元セールで買ってみました。
Twitterの方が主従関係萌え作品として強くおすすめされていたので興味を持ったもの。
あらすじ
ある別荘(ダーチャ)に現れた車いすの少女と召使いの青年。彼らは別荘に隠されている何かを探します。彼らの正体とは何なのか。それには帝政ロシアの時代にさかのぼる秘密がありました。
少女と青年の奇妙な主従関係
この漫画の面白いところは主人公二人の主従関係です。高慢な女の子と従順な召使いの組み合わせと思いきや、ある時点でそれが表面的なものでしかなかったことが示されます。その真実にはびっくりしました。
現代の倫理観からすると、決して健全とはいえないような二人の関係は、過酷なソ連の社会的背景と一緒だと「仕方ないか」となってしまいました。それが二人の生きるすべなんですもんね……。
人は死ぬし拷問もされるし、明るい話ではないのですが、主人公二人が前向きに生きようとしてくれているところに救われました。これからも強く生きていってほしいです。
帝政とソビエトの間をひた走る
また、歴史の隙間をかいくぐり、大胆な発想で展開していく物語も面白かったです。いきなり説明的な内容で始まるので最初はとっつきにくいですが、話に乗ってしまえばページをめくる手が止まらなかったです。
こうして歴史のIFを書けるのはフィクションの楽しさですね。
実在の人物がどんどん出てくるので、史実だとどういう扱いだったのか気になってきます。創作の部分のほうがずっと多いでしょうが、どのくらい史実と言う「原作」を尊重しているのか考えてしまいます。
機会があればこのあたりのロシアの本も読んでみたいですね。
まとめ
映画のように濃い内容で面白かったです。たった一巻でこれだけのストーリーを詰め込めるのがすごい。
短いからといって単純な話しか書けないわけではないんですね。
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ちなみにダーチャ(ロシアの別荘)はこっちの本にも出てきます。
こっちは料理本ですけれど、ロシアの食文化を知るのには面白かったです。