文章についての本を探して読んでみるシリーズ第三弾。
書籍概要
よしもとばなな、太宰治、三島由紀夫。作家たちの文章論を紹介しながら、文章を書くための心がけを考えていきます。どんな文豪だって文章には悩んでいることがわかる一冊。
文豪だって文章がわからない
どんな名声を得た文豪だって、文章に悩んでいたということがわかる一冊です。
「うまくなりたい」という思いをなくしてしまったとき、文章を書く人間としては終わってしまうのかもしれないです。それを思うと、向上心を持ち続けることは必須スキルなんでしょうね。文章修業は終わりのない遠い道なのだ。
うまく書くためには、自分自身との対話が必須なのだなあと思うとつらいです。自分と向き合いたくない!
文章が読みやすく、空いた時間にさくさく読めるので通勤電車での読書に最適でした。一章ごとが短いので少しずつ進められます。
新書を読むとき身構えてしまう人には、逆におすすめしやすい本だと思います。肩の力を抜いて読めるところがいいです。
役に立つかというと微妙
しかし、読み物としては面白いけれど、文章修業に役に立つかは微妙な気がします。
普段あまり本を読まない・読む時間のない人には参考になるかもしれません。けれど、私みたいな常日頃から本を読み続けている人間だと、「元ネタの本を読んだ方が面白いしためになりそう」と思ってしまうんですよね。抜き出してしまうと、文章は本質から離れてしまうことがありますし。
個人的には引用よりも、じっくり著者の考え方を聞きたかったです。それは別の本に書いてあるんでしょうが……。なんとなく物足りないです。
一種のブックガイドとして読むならいいかもしれません。出てくる本はみんな面白そうです。めぼしいものをほしいものリストに入れておこうかな。
まとめ
基本的に引用したものをもとに著者の意見を書く内容なので、もっと著者の考え方をじっくり聞きたかったですね。
読み物としては面白いんだけれどあまり参考になりませんでした。