ブックワームのひとりごと

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ヒイラギの守る村での夏休みの思い出 海津ゆたか『ヒイラギエイク』感想

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ヒイラギエイク (ガガガ文庫)

田舎にあこがれはありますか?

私は毛虫が極度に苦手なので、風景は美しいと思うけれど絶対に住みたくないなと思ってしまいますね……。

 

 山奥の村でおかしな風習がはびこる

山奥の村、おかしな風習、かわいい女の子……と設定が一昔前のノベルゲーみたいな雰囲気です。影響を受けているのでしょうか。でもノベルゲー好きなので、わくわくします。ベタな設定上等。

女の子たちがキャッキャウフフしているところはかわいいです。過度な恋愛描写を持たせず、健全な友達付き合いの範囲で書いているところも逆に印象深かったです。

ライトノベルにありがちな外連味や派手さはありません。しかしこれはこれで新鮮味があって嫌いじゃないです。中学生のころ、友人とバカ騒ぎした記憶がなつかしく思えます。

ラストも意外なものでした。誰も幸せになれないエンディングだけれど、主人公たちがめげずに生きていくところが救いかもしれません。あの後どうやって生きていくんでしょう。

 

細部はもっと詰めてほしかった

ストーリーが面白い一方で、描写やエピソードが普通すぎるところがありました。

特に田舎の描写は、都会人の想像する田舎の風景を脱していませんでした。せっかく地元を元ネタにするなら、想像もつかない部分を書いてほしかったなと思います。

女の子たちとのエピソードも「どこかで見た気がする」というネタが多かったのが痛い……パクリとは言わないけれど、もともとのあらすじがベタなので、細部はもうちょっと独自性をもたせてほしかったです。

ついでに言うと終盤で主人公がひどい目に遭うのに、その遭わせた人間をあまり責めないのも主人公の考えがわからなかったです。

ストーリーや設定自体は好きですが、もうちょっと描写や細部を詰めてほしかったです。ちょっとした会話やキャラクターの行動にひっかかるところがありました。

 

まとめ

ちょっと物足りないところもありましたが、これはデビュー作なので、仕方のない部分もあるかなあと思います。

あらすじが気に入れば、ほかの作品も読んでみたいですね。

ヒイラギエイク (ガガガ文庫)

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その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

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