星へ行く船も折り返し地点まで来ました。
表紙は所長夫妻でいいのだろうか。
あらすじ
ハネムーンに向かった所長夫妻。しかし突然妻の麻子がいなくなり、太一郎とあゆみは二人の乗った宇宙船を追いかけます。たどり着いた船ではハイジャックならぬスペースジャックが行われており……。
どきどきスペースジャック
前の巻で義手になったあゆみが大暴れしていてすごい。特にラストの展開には笑ってしまいました。義手がギャググッズと化してます。
女性でもがんがん前線に出て活躍するところは面白いです。やっぱ女の子の冒険は危険と隣り合わせじゃないと燃えませんね。
あゆみと太一郎の関係も少し前に進んだようです。でも次の日になったらバカ騒ぎしてそうなコメディ感があります。宇宙をまたにかけた冒険こそ彼らのデートにふさわしいのかもしれません。
何はともあれ腕を失ったあゆみが元気そうでよかったです。この辺に悲壮感が無いのがあゆみらしいですね。何を失ったとしても前向きでいてほしいです。
説教臭くて疲れた
しかしこの巻、ひどく説教臭くて読むのに疲れてしまいました。
新井素子の小説が、メッセージ性が高いのはいつものことなんですが、カレンダー・ガールは若い子に年上が説教するという構図なのでどうしても押しつけがましく感じてしまいます。どうせなら冒険シーンにページを割いてほしかった気がします。
それに説教シーンは動的な要素が無いので読んでいて飽きます。もっと動いてくれ……と考えながら読んでいました。
さらに結構古典的なジェンダー観に基づいた発言が多いので、そこも疲れてしまった要因ですかね。
大分昔の本なのでその辺はしょうがない面もあるのでしょうが……。時間の経過に伴う価値観の変化によって物語がイマドキでなくなってしまうのはよくあることですから。
まとめ
話は面白いんですが、説教シーンが多くて疲れてしまいました。メッセージ性があるのは悪いことではないんですが、長いとめんどくさくなるものですね。
続刊はどうなのでしょうか……あとで調べておこうかな。