女の子より主人公のほうが大きく描かれているライトノベル珍しくないですか? そういうところが好きです! ありがとうデザイン担当の人。
あらすじ
氷に閉ざされた町に向かった鬼虫たち。そこでは八番式・柊が眠っていました。一方神鯨に捕らえられた叶葉は、かつての恩人、伍長と再会を果たします。それぞれの思いが交錯し、クライマックスへ向かう一冊。
去っていくもの戦うもの
この巻では結構な数のキャラクターが退場。これだけいなくなっていながら、ちゃんとお話として成り立っているのがすごいです。
戦いから降りることを望んだキャラクターと、戦いから降りることができない九曜の対比がはっきりしています。そのどちらが正しいという訳ではないです。そういう考え方の違いをきちんと書いたことは誠実だなと思います。
戦いから降りるキャラクターがいることで、主人公たちが「望んで戦っている」という事実が強調され、物語が魅力的になりました。
これまでで一番熱い展開でした。最終巻に向けてガンガン盛り上げていくこの感覚はとてもいい。物語の終わりはちょっと寂しいですが、楽しみでもありますね。
蟋蟀の最後の戦い
今回の蟋蟀の最期はとても悲しかったです。あの人を守りたかったんだなあ……。
あとがきにも書かれている通り、信念と信念のぶつかり合いであって、生粋の悪人はいないのかもしれません。
それでも武器だから戦い続けなければいけない、という業の深さよ……でもそれって周りの人が与えた業です。
主人公である九曜も、自分自身の戦いに関する業への答えを最終巻で出してくれるといいなと思います。
しかし、結構まだ畳めてない風呂敷が多いので、本当に終わるのかなと思ってしまいます。大丈夫かな……。
まとめ
今までで一番面白かった巻でした。続きが本当に楽しみです。
みんな幸せとはいかなくても、自分の過去と決着をつけてくれればいいなあ。
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