クモはわりと平気ですが、でかいのになるとつらくなってきますね。この辺では大きいクモはめったに出ませんが。
益虫だから積極的には殺せません。
あらすじ
チャーリーの父が死に、チャーリーは自分の父親がクモの神アナンシだったことを知ります。自分の兄弟がいると言われ、チャーリーは兄弟、スパイダーを呼び出します。しかし、スパイダーは不思議な力でチャーリーの人生をめちゃくちゃに……。
シリアスかと思ったら結構ギャグだった
アフリカ風現代ファンタジーということで、なんとなくシリアスなものを想像していたんですが、意外とユーモラスで笑える内容でした。
作品全体に漂う人を食ったような雰囲気が面白いです。いいも悪いもないような、突き放したおかしさがあります。
クモ神アナンシは、いたずらで動物たちを困らせる存在だったようなので、その部分を意識してすっとぼけたストーリーになっているんでしょうね。
チャーリーの弟、スパイダーや神であるチャーリーの父親の、倫理観にとらわれないキャラクター性が面白いです。神じゃないと許されない性格をしています。いや、チャーリーは許してないですが。
独特のユーモアににやにやしながら読んでしまいました。悲惨な展開もあるのに楽しくなってきます。
テンポよく展開していくストーリー
神話ファンタジーなので展開はかなりはちゃめちゃです。しかしストーリーのテンポが非常によくてぐいぐい読めてしまいます。
チャーリーの問題がかなり切実であるにもかかわらず、笑えてしまうのもテンポのよさゆえです。
話の整合性を考えるよりも、わけのわからないシュチュエーションと展開を楽しむ小説なのかな、と思います。
でもまだ一巻なので、これから伏線回収される可能性もあります。チャーリーの人生がどうなるのか楽しみです。
金原瑞人の翻訳も読みやすくていいです。この人の訳が好きなので、見かけるとつい読んでしまいます。
- 作者: ニール・ゲイマン,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: 文庫
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