ブックワームのひとりごと

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クモ神の息子、自分の持つ奇跡の力に気づく ニール・ゲイマン『アナンシの血脈 下』感想

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アナンシの血脈 下 (角川文庫)

 

あらすじ

婚約者を寝取ったスパイダーを追い出そうと、鳥の女の力を借りたチャーリー。しかし、それには大きな罠が隠されていた。スパイダーを助けるために、チャーリーは秘められた神の力を発揮する。

 

 

ありえない話なのに映像として想像できる

ぶっとんだ話なのにどうして面白いんだろう……。と考えてみるに、ファンタジックなシーンを映像として想像できるからというのがありそうです。

死んだ人が現れたり動物が人間の形をしていたりフリーダムな世界観なのですが、それぞれの突拍子もないシーンがリアルな映像として読めるから、ちゃんと面白いんですよね。

映画化したら面白くなりそうです。ただ、予算はきっちりとらないと再現が難しそうですが。

ありえない情景の連続に、夢を見ている気分になります。神話とか伝説というものは、一種の夢のようなものかもしれません。

でも神の子どもチャーリーにとっては夢と現実の差はあんまりないのでしょうね。ラストシーンを見て思いました。

 

女性陣がなかなかいいキャラしてる

もう一つ、下巻でいい味出していたのが警察官デイジーとチャーリーの婚約者ロージーの女性陣でした。

基本的に男の思い通りにならないところが楽しいです。一応ヒロイン的な立ち位置なんですが、チャーリーとスパイダーを待たなくてもどんどん自分で状況を打開していくたくましさがかっこよかったですね。

恋愛要素も、彼女らが自主的に恋愛しているんだなと言うことがわかってにこにこしました。

ラストのハッピーエンドっぷりはほほえましいですが、過程を考えると「ハッピーエンドなのだろうか」とちょっと考えてしまいます。そういう完全無欠のハッピーエンドではないところも含めて好きなエンディングです。

いいも悪いも含めてこそ幸せですよね。

 

まとめ

上下巻で結構ボリュームがありますが、長さを感じさせないくらい面白かったです。やっぱりファンタジーは楽しいですね。

ありえない、けれど楽しい話が好きな人におすすめです。

 

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