吸血鬼小説を読んでみるシリーズ1-2。
あらすじ
連続殺人事件の容疑者として捕まった男。しかし警察は彼と対話することができなかった。一方オスカルは、エリの正体を打ち明けられる。近々ここを去るというエリに対して、オスカルはどうするのか……。
ヴァンパイアたちの葛藤が悲しい
エリがヴァンパイアなのはわかっていたんですが、もう一段秘密があってびっくりしました。えげつないな!偽父の性交の要求を拒んでいたのはそれが理由だったんですね。(ネタバレ反転)
名前は伏せますが、望まずしてヴァンパイアになってしまうキャラがいて、彼女の変わっていく体に対する恐怖がリアリティがあって辛かったです。彼女の結末もかなり痛々しかったです。
一巻の記事に書いた差別の話も含めて、ひとつひとつの心理描写が、「こういうことありそうだな」と思えるところが魅力的でした。実際にヴァンパイアがいたら、起こりそうな事件なんですよね。
群像劇なので話の把握が難しい
ちょっとやっかいだったのは、視点を持つキャラクターが多いので、いつ誰が何をしているのか混乱することです。私はちょっと群像劇が苦手なんですよね。『デュラララ!!』もだいぶ混乱しましたし。
そこは逆に魅力を感じる人もいるだろうので、好みの問題だろうと思いますが。
あとはもっと衝撃的なオチを期待していたのですが、それほどでもなかったので、肩透かしな感じを覚えました。
翻訳がよくないという意見も見かけたけれど、私はあまり感じませんでした。原文が読めればまた違った感想を持つのかもしれませんが。
まとめ
すごく好きってわけではなかったけれど、そこそこ楽しめたかなと思います。スウェーデンを舞台にしたホラーが初めてで新鮮味がありました。
みんなにおすすめはしませんが、吸血鬼が好きな人は読んでみてもいいと思います。

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