吸血鬼を読むシリーズ2作品目。
映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の原作です。
あらすじ
吸血鬼、レスタトによって吸血鬼にされた主人公。途中で少女を仲間に引き入れ、アメリカからヨーロッパに渡る。吸血鬼の半生をインタビュー形式で語る物語。
今でいうところのブロマンス
レスタトと主人公の関係は、今でいうところのブロマンスに近いですね。なんだかんだで縁が切れない、恋のように頭から離れない。
レスタトと主人公に限らず、この作品では「愛」という言葉が繰り返されます。それは世間一般で言うものとはちょっと違って、まがまがしい部分や割り切れない部分も多いです。そこが悲しくて、面白いんですよね。
どこか耽美で、哲学的な会話は読むのは大変でしたが、非常に雰囲気があって楽しかったです。難しい会話も作品に合っていれば面白いんですよね。
吸血鬼らしい吸血鬼もので、読んでいてわくわくしました。闇! 耽美! 葛藤! みたいな。王道の吸血鬼ものを読みたい人にはおすすめできます。
映画版との比較
映画に比べると、キャラクターの心情がよく表れていたと思います。クロウディアに寄り添おうとする人形店の女性の話がしっかり書き込まれていたり、哲学的な会話が展開されていたり。
映像的な美しさでは映画版のほうが上ですが、これはこれで面白かったです。
結末は映画版とかなり違っていて、びっくりしました。これは映画版の人を食ったような終わり方のほうが好きですね。
映画版では省略されたエピソードもたくさんあったので、行間を埋める手助けになりました。
その代わり長いので、かなり読むのに時間がかかりました。読み切るのに5日ぐらい使いましたよ。
まとめ
吸血鬼らしい吸血鬼もので面白かったです。こういうわかりやすい吸血鬼ものは書き方が難しいけれど、名作だけあって描写がよかったです。
ヴァンパイア・レスタトも機会があったら読みたいです。