Amazonで本を見ていたとき、面白そうな発達障害の新書を見かけたので読んでみました。
書籍概要
近年増加しているという発達障害。適切なサポートや投薬を行えば、不便はあるものの日常生活が送れるようになることも多い。その治療法や、併存症との向き合い方を臨床で向き合ってきた著者が語る。
入門本では物足りない人へ
内容は高度で、発達障害について基礎知識がある人向けです。私のような、発達障害について何冊か本を読んでいる人間には面白く読めました。
「なぜ近年発達障害が増えているのか」はかなりデリケートな問題ですが、変に隠さずにちゃんと説を教えてくれたのがよかったです。ともあれこの章をすべて真に受けてしまうと危険ですが。
例に出てくる発達障害の子どもたち、大人たちは、生活能力を向上させたり、精神的な安定をすると普通に近い生活を送れるようになっているので、この二つは発達障害の人が生活するうえで重要な部分なのだろうと思います。
しかし中には治療を受け入れず、結果的に孤立して自殺してしまった人もいて、この障害の問題の重さを感じさせます。
知識にはなるが役に立つかは微妙かもしれない
内容はしっかりしていますが、発達障害の人間にとって役に立つかは微妙かもしれません。治療の内容が高度すぎるので、気軽に試してみようと思えるものが少ないです。
そしてあくまで支援する医療者の視点で書かれているので、じゃあ発達障害の本人はどうすればいいのか、という点はほとんど書かれていません。
この障害を理解するときの参考にはなりますが、今すぐ役に立つような本を求めているような人には向きませんね。
一方で、発達障害に関する最新の情報が知りたい、どんな治療方法があるのか知りたいという人には強くおすすめできる本でした。内容は簡単ではありませんが、その分読みごたえがあります。
まとめ
知らない情報がたくさんあって面白い本でしたが、「発達障害って何?」というレベルの人が読むと難しすぎると思います。
発達障害をもっと深く知りたい人向けの本です。