一巻完結のライトノベルおすすめ記事で見かけた本です。
あらすじ
事故で記憶を失った桜間さんが教室に帰ってきた。桜間さんは、「僕」、峰康が彼氏だったことも忘れている。真面目な風紀委員の桜間さんは、さぼり癖のある「僕」が彼氏だったことを理解できないようで……。
人を愛することの美しさ
誰かを好きになることに臆病になっている主人公が、桜間さんとの交流を通して少しずつ成長していくのがよかったです。
誰かを好きになることは、普通のことではありますが、それゆえに難しいものですね。
桜間さんと距離を置きつつも、なんだかんだで彼女を魅力的に感じている峰康がほほえましかったです。青春だなあ。
青少年が心を通わせ合う過程がきっちり描かれていて、その点ではほほえましかったです。
恋のさわやかさを感じるかわいらしい作品でした。
クラスメイトの扱いが悪すぎ
しかし、クラスメイトの扱いがものすごく悪かったのが気になりました。クラスメイト達が、舞台装置としてのそれで、感情を持った人間として描かれていないんですよね。
もう大人になったせいか、ごたごたのある教室の中で主人公だけ周囲の人間に許される、という構図がフェアではないように感じてしまいます。
こういう話にはよくあることだと思いますが、それが露骨な形で表現されていたので気になってしまいました。
賢い主人公と馬鹿なクラスメイト、という構図はなんだか逆にコンプレックスの解消としてはよくない気がします。
あと、3年前の出版であることを考慮しても桜間さんの私服がダサいです。峰康が恋の力で盲目になってる可能性がありますが。
まとめ
桜間さんはかわいいんですけど、クラスメイトがかわいそうなのでその点がひっかかりました。
主人公だけが許される話って、もうあんまり受け付けなくなったのかな……。