ブックワームのひとりごと

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死にぞこないになった少年がグロい化け物を倒す 九岡望『ニアデッドNo.7』感想

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ニアデッドNo.7 (電撃文庫)

エスケヱプ・スピヰド』が面白かったのでありがとう課金もかねて購入しました。

honkuimusi.hatenablog.com

あらすじ

ある日、記憶を失い境死者(ニアデッド)として目覚めた少年赤鉄(アカガネ)。自分はなぜこんな体になったのか……。同じ境死者、紫遠(シオン)とともにわけのわからないまま戦ううちに、赤鉄は「先代」の存在を知る。

 

ちょっとホラーなバトルもの

あとがきを見る限り、ホラーを意識して書かれた作品のようです。

ただ、私が読む限りでは、ホラー要素よりバトル要素の方が本題な気がします。確かに恐ろしい、身の毛もよだつような化け物が出てくるんですが、最終的にはそれを倒す話なので、あまり怖くないんですよね。

だからこれはホラーだと思って読むと拍子抜けすると思います。やっぱり、ホラーはわけのわからない要素がないと怖さが少なくなってしまいますね。

ホラーというより、醜い化け物を協力してぼこぼこにする話だと思えば爽快感があって面白いです。

ライトノベルらしい外連味と、バトルの熱さは前作から引き継がれていて読んでいてわくわくしました。文章力も『エスケヱプ・スピヰド』のときより上がっていて、文章の緩急がわかりやすくなったと思います。

 

初恋の終わり、新しい人生の始まり

正直なところ、この巻だけだと自己紹介的な部分が多くて物語自体は薄味だったと思います。

しかし、終わり方がとてもよかったです。私、初恋の成就ではなく、初恋の終わりを結末に持ってくる話、すごく好きなんですよね。

ひとつの恋が終わることで、「ああ、これから新しい物語が始まるんだな」ということを示してくれる。これからの予感を含ませたいいエンディングだと思います。

ただ、シリーズものの1巻としては面白いんですが、これだけで完結させてしまうとただ中途半端に終わってしまった作品と化すので、続きを出してほしいです。

続きが出たら読むつもりです。電撃文庫編集部、なんとかお願いします。

 

まとめ

シリーズものの1巻としては面白いので、ぜひ続きを出してほしいです。

売れてくれるといいな~。