舞台好きの友人に強くおすすめされたので見てみました。
DMMの配信でいろいろ舞台映像を見れることに気づいてしまった……。気づいてはいけなかったかもしれません。(趣味が増えるという意味で)
あらすじ
簑浦は、真っ白な髪の毛を持つ青年だ。彼はどうして白髪になってしまったのか。それは最愛の恋人を誰かに殺されたことから始まった。簑浦は、探偵に依頼しなんとか犯人を見つけようとするが……。
鬼はそこにいる
乱歩の原作は未読なので、純粋に展開をはらはらしながら見届けられました。
とにかく俳優たちの鬼気迫る演技がすごかったです。
いろいろと狂気にとらわれる人が登場するけれど、彼らには「普通」へのコンプレックスが根底にあります。
ストーリー的にはありえない、デタラメな話なんですが、そこだけは生々しくリアリティがあって、俳優たちの演技に吞まれるようでした。
ありえないだろうその展開、と何度も思いつつ、鬼気迫る狂気に目が離せない。そんな作品でした。
セットや衣装も、少ない道具で的確に効果をもたらしていました。凝った装置は一切ないのですが、それだけに俳優たちの演技が強調されていたように思います。
差別用語が大量に出てくるので注意
しかし、同時に気軽に勧めにくい作品でもあります。
原作が昔のものなだけあって、差別用語がガンガン出てくるし、障害者や同性愛者への偏見もあります。そういうところをフィクションとして割り切れない人は無理でしょうね。
ただそこを削ってしまうとこの話の面白さは減ってしまうので、堂々と描いたのは逆によかったと思います。演劇でしか無理な話になってしまったけれど。
良くも悪くも大人向け、現実とフィクションの区別をつけられる人向けの作品だと思います。少なくとも子どもに見せたくはないな!
おどろおどろしいものが好きなら一見の価値はあると思います。しばらく終わった後呆然としました。
まとめ
かなーり人は選ぶ作品なんですが、それでもセット、小道具、俳優の演技、せりふ回し、すべてがクオリティが高かったです。
この感想を読んでぐっとくる人は一度見てみてほしいです。