ブックワームのひとりごと

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おどろおどろしい話は面白いけれどとにかく長い 京極夏彦『姑獲鳥の夏 上』感想

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分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)

Twitterでフォロワーさんのおすすめ小説として挙がっていたので読んでみました。

ときどき作風が似ていると言われるのだけど、私自身はあまり自覚がないです。

 

あらすじ

古本屋で拝み屋の京極堂と「私」は、20か月の間妊娠し続けている女性を調査することになる。探偵の榎木津と共に、彼女の家に向かうが、そこには異様な光景が繰り広げられていた。

 

大人向け中二病小説

中二病のまま大人になったらたまらない小説だな、と思いました。

テンポがよく、独特のかっこよさがあるせりふ回しや、拝み屋、姑獲鳥、20か月妊娠し続ける女性、などのおどろおどろしいテーマ。そういうものに内なる中二病を刺激されます。

文章が古風なので気づきにくいんですが、良く読むと主要登場人物の行動がラノベのキャラみたいにはちゃめちゃで個性的です。悪い意味ではなく、それだけ「嘘っぽい世界」を楽しく書いているという意味です。

不思議をテーマにした作品が読みたいけれど、ライトノベルではちょっと物足りなくなったという人には、面白い小説だと思います。

 

事件があった家に行くまでに2/3を使う

基本的に面白いのだけど、最大の欠点は「長すぎる」ことですね。

長いのは、物語的に盛りだくさんなのだと思っていたら、ぐだぐだした哲学談議にそのほとんどを取られていました。なんかラノベ初心者がこういうこと書きそうだな……(その数倍は上手いけど)。

事件の本格的捜査が始まるまで、上巻の2/3を使うという。早く現場に行ってください!

その哲学談議に興味が持てないので、ガンガン読み飛ばして進めてしまいました。

長話が物語上のキーになってくれれば文句を言わないんですが、それは下巻を読んでみないとわかりません。

内容的には面白いし、オチを見ずにけなすのも何なので、下巻も一応読む予定です。

 

まとめ

面白くはあるんですが、やたらと回りくどい会話が多かったのが疲れました。

でもオチは気になるので、続きを読む予定ではあります。

分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)

分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)

 
分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下 (講談社文庫)

分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下 (講談社文庫)