バベルの塔展に行ってきました。
ベルギー奇想の系譜展に続いて、ネーデルラントづいている。
展覧会概要
ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」を中心に、ヒエロニムス・ボスの油彩、同時代の版画、彫刻などを集める。16世紀ネーデルラントの絵画世界が見える展覧会。
Ⅰ16世紀ネーデルラントの彫刻
主に木材に聖人たちを彫刻したもの。よく見ると、もともとは色を塗られていたことがわかります。
背面を空洞にして省スペースにしたり、斜め向きに掘ったり、小さい木材でも立体感が出るよう工夫して彫られていたのが面白かったです。
Ⅱ信仰に仕えて
宗教油彩画コーナー。
この章では「枝葉の刺繍の画家」がすごかったです。名前がわからない画家なんですけど、絵が浮き出ているような立体感があって面白かったです。
樹木の描き方が刺繍のように見えるからこのあだ名がついたようです。名前がわからないというのがまたミステリアスだ。
Ⅲホラント地方の美術
宗教油彩画、ホラント地方編。
聖カタリナが多いです。当時の人気ジャンルだったのでしょうか。(キュレーターの趣味の可能性もある)
Ⅳ新たな画題へ
画家たちが新しいテーマを模索し始める章。
「ソドムとゴモラの滅亡がある風景」は炎の描き方がかっこよくて好きでした。生々しさがあるというか。
馬や静物、風景など、いろいろ試しながら描いていたんだなあということを感じます。
Ⅴ奇想の画家ヒエロムニス・ボス
この展覧会の目玉の一つ、ボスの油彩画の章。
聖クリストフォロスっていう聖人は初めて知りました。「キリストを背負うもの」という設定は面白いですね。
杖の先から芽が出てるの、なんかかわいいです。
Ⅵボスのように描く
ボスブームが巻き起こってたくさん模倣者が出てくるコーナー。
しかしやっぱ模倣はどこか下手というか、かわいくないというか……。ボスとブリューゲルはモンスター描いていてもどこかお間抜けさがあってかわいいんですけど、模倣者は怖いだけでそんなにかわいくないですね。
でもかわいいって言うのはあんまり褒め言葉でもないのかもしれません。
Ⅶブリューゲルの版画
ブリューゲルの面白モンスターの世界を版画で。
この辺は前に見た「ベルギー奇想の系譜展」とかぶるところが多かったです。
二回見ても面白かったからあまり問題はありませんでした。やっぱなんとなくゆるくてかわいいんだよな……。
Ⅷ「バベルの塔」へ
本展覧会のメイン「バベルの塔」の展示。
めちゃくちゃ細かいので少しでも目が悪い人は眼鏡持ってきた方がいいと思います。双眼鏡持ってきてた人もいました。
親切なことに、拡大模写もありましたよ。優しい!
ミュージアムショップ
この展覧会のミュージアムショップは非常に凝っていました。どれもデザインがよくて、気合が入っていることがうかがえます。
その分価格帯はちょっとお高めだけど、その分の価値があるデザインだと思います。
活版印刷のポストカード二枚を買いました。
まとめ
ブリューゲルがフォーカスされていた一方で、知らない画家の絵が多く見られて面白かったです。
神絵師の描いた構図やテーマがものすごく流行するのは今も昔も変わらないなあと思いました。
おまけ
ブリューゲルの版画から飛び出してきたキャラ・タラ夫の写真も撮れるよ!
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