ブックワームのひとりごと

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農場で暴力男に支配される同性愛者 『トム・アット・ザ・ファーム』感想

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トム・アット・ザ・ファーム(字幕版)

dtvに入会した友達におすすめされた映画です。身の回りに入会している人がいると映画探しがはかどりますね。

 

あらすじ

トムは死んだ恋人のギヨームの故郷を訪ね、葬儀に出席する。そこでギヨームの兄に暴力で脅された。トムは同性愛者であることを秘密にし、ギヨームには女性の恋人がいたという嘘をつくことになる。トムは次第にギヨームの兄に従順になっていき……。

 

トムがイケメン

まず印象的だったのが、主人公のトムがものすごくイケメンだということです。DVDのパッケージがトムのアップであることから、わざとこのキャスティングをしたんだろうなと思います。

そういう男前が殴られたり首を絞められたりするシーンが、なんとも絵になるんですよね。えげつないし目をそむけたくなるんですが、それでも目を離せない引力がありました。

ひたすら暗い話なのに、美しく、背徳的で、雰囲気に飲み込まれるような感覚を覚えます。

大自然と畑以外なにもない農場という舞台設定も、行き場のない感情の鬱屈をよく表していると思いました。たぶん、舞台が都会だったらまったく違う印象をうけたでしょうね。何もないからこそ、陰鬱で美しい展開が映えます。

 

ラスト10分がめちゃくちゃこわい

物語が進むにつれてどんどん不穏になっていき、最後10分はものすごくどきどきしました。

いつ破滅的な展開が待っているのか、トムはどうなるのか、すごく怖かったです。

なんだかんだで最後は希望のあるエンドに落ち着きましたが、少しだけ物悲しい雰囲気もありました。

トムにとって農場で過ごした時間はもう「過去」になってしまったんだろうなと。もちろんそうあるべきなんですけれどね。

愛する者がいなくなった世界でもがき苦しみ、藁をもつかむように新しい愛を求める。そういう意味でこの物語はラブストーリーだと思います。

おすすめしにくい話ですが、暗い話が好きであれば一度見てみてほしいです。

 

まとめ

非常に闇の深い話でした。怖すぎて二回目を見たいとは思わないですが、それでも印象に残る映画です。

どうしようもない感情、行き場のない愛情があふれている作品でした。